わかりやすい東洋医学

東洋医学全般について分かりやすく説明します。
みなさんの普段の生活に東洋医学を活かしていただけるための知識を提供することが目的です。

東洋医学では病気の原因をどう考えるのか?(11)

「東洋医学では病気の原因をどう考えるのか」の11回目になります。
前回は、房事過多について説明しました。
東洋医学では性生活に節制がないことを病気の原因のひとつにあげていたんでしたね。
今回は内因の最後で、感情のバランスの崩れが病につながるというお話です。
 
    目次
内因:生活要因や精神的要因などが病気の原因となる場合
 A. 飲食不節:不適切な食事や飲水
 B. 労逸:労倦と安逸のこと
 C. 房事過多:性生活に節制がない
 D. 七情の失調:突然・強い・長期の精神的な刺激
 
 

D. 七情の失調


1)七情とは?

七情とは怒・喜・思・憂・悲・恐・驚のことでした。
以前にちょっと紹介したことがあります。
この7種類の感情自体は、普通に起こり得るものですね。
ちょっと怒ったり、悲しんだり、驚いたり、普段の生活でよくあることです。
 
失調とはこれらの感情に関して、通常のバランスを失うことを意味しています。
 
 

2)七情の失調のパターン1

例えば、突然にこれらのうちのどれかの感情が強烈に出現することがあります。
悲しくて何もできないなんてこと、誰にでも経験がありますよね。
それを失調と言います。
東洋医学では、そんなことが病気の原因になるんだと言っているんです。
 
 
そもそも東洋医学ではココロとカラダはひとつだと考えるんでしたね。
つまりココロの状態が悪くなると、それがカラダに影響しちゃうということです。
でも、それって何となく感覚的にはわかりますよね。
 
歴史上の人物について調べていたりすると、よく「憤死」というのがでてきます。
あれって、憤りという感情が強烈すぎて、それがもとで死んでしまうということです。
こういうことって結構、昔からよくあることだったんですね。
 
 

3)七情の失調のパターン2

それ以外の失調のパターンとしては、長期間にわたって特定の感情が続くっていう状態です。
例えば、ずーっとイライラして怒っていたり、ずーっとクヨクヨと悩んでいたりということ。
普通、そんなに長く怒っていたり、悩んでいたりはできませんね。
ですからこれも、病気の原因になるんです。
 
そういう感情の失調がどんなふうに病気になるのかというと、
まず臓腑や気血の働きがうまくいかなくなって、
次いでそれが原因で病を発生させるという流れになります。
 
感情によって、例えば気がどうなるかは違うんだと言っています。
例えば、怒ると気が上がるし、喜ぶと気が緩み、驚くと気が乱れるなどと『素問』挙痛論に書かれています。
 
さらに、感情ごとに傷つける臓腑が違うとも言っています。
例えば怒ると肝を傷つけ、喜ぶと心を傷つけ、悲しむと肺を傷つけるという具合です。
結構きめ細かく表現されていて、楽しいです。
  

 

4)七情が失調しないために?

ではそういう病にならないようにするにはどうしたらいいかというと、
これに対しても東洋医学の古典がキチンと応えてくれています。
 
 
『素問』第一篇の上古天真論に「恬憺虚無」(てんたんきょむ)でいると病にならないって書いてあります。
「恬」も「憺」も安らかという意味で、「虚無」はこだわりがないということです。
 
つまり、心を安らかにして、ものごとに対してこだわりなくいられれば
病になんかなりようがないというわけです。
 
なかなか実践しようとすると難しいですけど、そんな境地になりたいものですね。
 
 

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東洋医学では病気の原因をどう考えるのか?(10)

前回の労逸つまり過労と安逸(働かな過ぎること)による病気の原因に続く今回は、房事過多です。

面白いことに、東洋医学では性生活に節制がないことを病気の原因のひとつにあげているわけです。
これについて少し説明していきましょう。
 
    目次
内因:生活要因や精神的要因などが病気の原因となる場合
 A. 飲食不節:不適切な食事や飲水
 B. 労逸:労倦と安逸のこと
 C. 房事過多:性生活に節制がない
—————————————- 以下次回以降
 D. 七情の失調:突然・強い・長期の精神的な刺激
 
 

C. 房事過多


房事過多とは、房事=セックスが多過ぎるということです。
まずは房事についてみていきましょう。
 

1)房事とは?

中国には古来、養生術がいろいろとありました。
養生とはつまり生を養うこと。
自然と調和することでカラダを良い状態に調え、ひいては健康増進、病気の自然治癒を促すことなどが目的の行為のことです。
 
その具体的な方法として、ひとつは食養生
食べたものは気血水と精というカラダをつくるもとになるという考え方から、各人に合った食事の取り方によって健康になることを目指すというものです。
 
それから気功などの動作をともなう健康法
カラダを動かすことで気血をめぐらし、心身を健康な状態にすることが目的です。
これには呼吸法も重要な要素になります。
 
そして性養生です。
中国では古来から、性生活に関連して健康を損なわない工夫がされてきました。
それを房中術といいます。
「房」は寝室のことで、性生活の技法という意味です。
 
 
 

2)房中術の要点

房中術に興味を持たれた方が多いと思われますので(笑)、少し説明しておきましょう。
その前に言い訳しておきますが、私自身は決してこの術をマスターしてはおりませんが、
以前に学校で教えていた時に、卒論の指導で「房中術について」を担当したことがあるので、少しは詳しい方かもしれません。
 
古くは『漢書』芸文志の方技略というところに次のような文があり、これは房中術の要点とされています。
楽而有節、則和平壽考。
及迷者弗顧、以生疾而隕性命。
(楽しみに節度があることが、和平長寿の秘訣である。おぼれて顧みなくなれば、疾いを生じ性命を損なう。)
 
また房中術にはさまざまな性行為の技法が含まれます。
例えば日本最古の医学書である丹波康頼の『医心方』では、房内編として一巻を当てています。
そこには次のような内容が含まれています。
・男性の陽、女性の陰の養い方
・男女の交わりの極意
・ことに臨むに当たっての心得や呼吸法
・女性の官能の高まりをとらえる方法
・様々な交接のスタイル(体位)
・子供が欲しい場合の禁忌
・良い女の条件
非常に微に入り細をうがっています。
 
本来の房中術は、性という人間本来の行為に対して、溺れることなく節制を保ち、適度な楽しみとして無用に精(これは精液のことではなく気血のもとになるものという意味)を漏らさないように交わることが大切だと説かれています。
つまり、精の浪費は気の消耗につながり、健康を損ねる原因にもなるということです。
 
 

3)房事過多だとどうなるのか?

それでは房事つまり性生活に節度がないとどうなるのかを見ていきましょう。
房事過多=精の浪費と書きましたが、精は気血のもとになる大切なもので腎という臓にしまわれています。
つまり、精が浪費されるということは腎精を消耗するということになります。
簡単に言うと腎が弱るわけです。
 
腎という臓の働きについては以前に書きましたので、そちらを参照してください。
腎は髪、耳、骨などのカラダの器官と関係が深い臓でした。
さらにエイジングつまり老化にも関わる重要な臓でもあります。
ですので症状としては足腰の弱り、眩暈、耳鳴り、老眼、難聴、白髪・脱毛など、いわゆる老化の早まりに伴う症状などが起こるわけです。
 
 
有名な貝原益軒の『養生訓』のなかには、
わかき時より色慾をつつしみ、精気を惜むべし。
精気を多くつひやせば、下部の気よはくなり、元気の根本たへて必ず命短かし。
などと記され、精気を浪費しては命が短くなると戒められています。
 
まあ現代に当てはめて考えてみると、どちらかというとセックスレスの方が問題になるのかもしれませんね。
これについて東洋医学的に考えてみるのもとても面白いのですが、後の回に譲ることにしましょう。
 
 

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東洋医学では病気の原因をどう考えるのか?(9)

前回の飲食不節つまり食事による病気の原因に続く今回は、労逸です。
労逸という言葉を聞きなれない方がほとんどだと思いますが、これは過労と安逸を合わせた言葉です。
安逸という言葉も耳慣れないかもしれませんが、それぞれについて説明していきましょう。
 
    目次
内因:生活要因や精神的要因などが病気の原因となる場合
 A. 飲食不節:不適切な食事や飲水
 B. 労逸:労倦と安逸のこと
—————————————- 以下次回以降
 C. 房事過多:性生活に節制がない
 D. 七情の失調:突然・強い・長期の精神的な刺激
 
 

B. 労逸


 
 

(1)過労

東洋医学では、ヒトが生命活動を行うときには様々な生理物質が必要だと考えます。
その生理物質については以前にも学びましたが、精、気、血、津液(水)のことですね。
起居動作、つまり基本的に生きていればこれらの物質を消費しているわけです。
 
ざっと振り返ってみると、
精は精神をコントロールし、気や血のもとにもなっていました。
気は活力をつくったり、カラダを温めたりする働きがありました。
血はカラダのいろいろな部分に栄養を与え、
津液はカラダを潤していました。
 
消費されたこれらの生理物質は、食事や休息・睡眠などによって生産されたり回復したりして、
さらなる生命活動が可能となるわけです。
 
ところが消費が過剰になると、当然のように生産が間に合わなくなります。
この状態が過労です。
 
カラダには質の良い食事や休息・睡眠が必要だということです。
ちなみに、過労になると痩せてきたり倦怠感がでてきたりするだけでなく、
気力もなくなります
 
そのやる気のなさ、もしかすると気が不足しているのかもしれません。
東洋医学ではそんな状態をキチンと病気として扱ってくれます。
 
 

(2)安逸

次に、安逸の方を説明しましょう。
簡単に言うと、過労が働き過ぎなのに対して、安逸は働かな過ぎのことです。
適当な期間、休息を取ったりするのはいいのですが、
長期にわたって運動不足や怠惰な生活を送っていると、
カラダに悪いことがいろいろと起こってくるんです。
 
以前、気血津液はめぐっていないと良くないということを書きました。
動かな過ぎると、つまりは気血水の停滞が起こるということです。
 
すると、
気の停滞によって気滞
血の停滞によって血瘀
津液の停滞によって痰湿ができます。
これって、以前に学んだ病理物質ですね。
 
気滞では、怒りっぽくなったり、逆に鬱っぽくなったり、お腹が張ったり、頭痛も起こります。
血瘀では、皮膚のくすみや肩こり、頭痛、ひどいと脳梗塞みたいなことにもなりかねません。
痰湿では、カラダが重だるかったり、浮腫んだり、めまいや下痢なども起こります。
これ以外にも、食欲不振や無力感、やる気のなさなども現れます。
 
働きすぎも怠惰な生活も良くないって、当然すぎる内容でした(笑)
 
 

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東洋医学では病気の原因をどう考えるのか?(8)

東洋医学では病気の原因を次の3つに分類していることは、以前にご紹介しました。
・外因:六淫つまり季節特徴が病を引き起こすもとになる
・内因:飲食の不摂生、過労や怠惰、性生活の不摂生、七情(感情の異常な昂ぶりや長期間の継続など)
・不内外因:水の停滞、血の流れの悪さ、外傷(ケガ、火傷、虫刺されなど)
 
このうち外因については終了(東洋医学では病気の原因をどう考えるか?(1)(7))しましたので、今回からは内因に入ります。
 
    目次
内因:生活要因や精神的要因などが病気の原因となる場合
 A. 飲食不節:不適切な食事や飲水
—————————————- 以下次回以降
 B. 労逸:労倦と安逸のこと
 C. 房事過多:性生活に節制がない
 D. 七情の失調:突然・強い・長期の精神的な刺激
 
 

A. 飲食不節


不節とは不摂生のことで、つまり食事の不摂生が病の原因になるということ。
不摂生にはいろいろなタイプがあって、不足、過剰、不衛生、偏食などです。
病気の原因としては、自己管理で十分に防げる部分ですね。
これらをひとつずつみていきましょう。
 

(1)食事量の不足

食べたものがそのひとのカラダをつくる」とはよく言われることですが、
実際、患者さんや周囲のひとたちをみていて、その通りだとという思いが強くなります。
 
西洋医学でも生活習慣が原因だといわれる病名をつけておいて、
対処としては投薬のみで生活指導(その中心となるのは当然食事指導のはず)はせずに、
言わばほったらかしにしている医師もたくさんいますが、それで良くなるはずがないですよね。
医師の本来の仕事とは、薬を出すことだけではないはずですが…。
 
東洋医学的には、食べ物つまり「水穀」はカラダに必要な気血水をつくる元なのです。
現代人では極端なダイエッター以外には全体量が不足しているひとはあまりいませんが、
食事量が少なすぎると気・血・水が不足して様々な病が生じます。
 
例えば、気が不足すればエネルギー不足になったり、精神に影響が出たりしますし、
血が不足すればカラダの各所に栄養が運べなくなって不調が出ますし、
水が不足すれば潤いがなくなったり、冷やす力が落ちてカラダが火照ったりといった具合です。
 
ですから極端に食べる量を減らして痩せようとすると、いろいろなカラダの不調に見舞われることになります。
逆に言えば、その不調がどんな内容かによって、不足しているものが何かがわかります。
 
 

(2)過食

現代では過食が病気の最大の原因と言っても過言ではないでしょう。
しかも個人的な意見を言えば、糖質がもっともカラダにとって危険な食べ物です。
そのことはちょっと勉強すればわかります。
しかも、とても論理的に納得できるはずです。
東洋医学的にみても、血や水の停滞を生むので良くないことがわかります。
 
それでもヤメられないひとが多いのは、習慣性、常習性があるからでしょう。
ある意味、脳にダマされているというわけですが、やめるには意志力も必要になります。
これだけ大量に糖質を摂り、これだけ動かなければ、当然のように病気になります。
東洋医学の話から逸れていってしまいそうなので、糖質についてはこの辺りでやめておきます。
 
食べ物を食べ過ぎると、飲食物が体内に停滞し、キチンと消化することができなくなり、
食滞」という状態を引き起こすことになると、東洋医学では考えます。
その結果として、いろいろな症状が出たり、胃腸(正確には「脾胃」といいますが)の機能低下が起こったりします。
 
例えば脾という臓は、消化吸収以外にも血が漏れないようにしたり、
清らかな気をカラダの上部に運んだり、様々な下垂を防いだりする働きがあります。
機能低下ということは、これらの働きが悪くなるということを意味しています。
 
さらには、臓と精神は強い結びつきがあります。
つまりカラダとココロはひとつなのです。
このことは当然のようにご自分のこととして実感できると思います。
カラダが病めば当然、ココロも病みます
 
そういったいろいろな理由で、食べ過ぎは良くないわけです。
ではどうしたらいいかというと、
ゆっくりよく噛んで食べて、腹一杯になる手前でやめる」。
これが健康になるための食事の基本です。
もちろん体調に合わせて、食べるべきもの、控えた方がいいものはありますが、
それは個々の体調によって様々なので、ここでは触れません。
 
「日本人の食事摂取基準」で国(厚生労働省)もかなり前から言っています。
現在の日本人の食事は、もう何かが足りないのではなく、過剰に摂り過ぎている、と。
 

 

(3)不衛生な飲食物の摂取

昔の中国(つまり二千年くらい前)では、不衛生なものを食べるということが、病気の原因になっていたんですね。
現代の日本ではこれはほぼないでしょう。
衛生環境が整ったせいで、人類の寿命は格段に伸びたわけですから。
 
今回はここまで。
 
 

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東洋医学では病気の原因をどう考えるのか?(7)

知っておくと役に立つ東洋医学的な”病気の見かた” その10

東洋医学では病気の原因をどのようにとらえているのかについての7回目です。
 
風、寒、暑、湿、燥、火という外からの(季節性の)病気の原因(外因)をとみてきましたが、
今回は最後の火邪です。
3つ目の暑邪とどうちがうのか? なども含めてみていきましょう。
 
目次
 
  1-1.三因について
  1-2.古典に書かれた病気の原因分類
  1-3.現在の中医学での考え方
  2-1.六淫(ろくいん)とは?
  2-2.六淫それぞれの特徴
   a.風邪
   b.寒邪
   c.暑邪
   d.湿邪
   E.燥邪
——————————————- 以上前回まで
   F.火邪
 
 

2-2.六淫それぞれの特徴

 F. 火邪

火邪といえば、カラダに対する温熱の影響であることは容易に想像がつくでしょう。
でも暑邪とか熱邪とはどう違うのか? このあたりはちょっと分かりにくいかもしれません。
そこで、東洋医学でいう温熱の性格をもった邪気を整理してみましょう。
 
基本的に温熱系の邪気は3種類でてきます。
暑邪、火邪、熱邪です。
 

温熱の性質の邪気を整理

まず暑邪。
これは以前に出てきましたね。そう、夏の暑さのことです。
ですから、基本的には夏限定の邪気ということになります。
 
次に今回の火邪。
これは簡単に説明すると、カラダに熱の影響を与える邪気のうち、暑邪以外のもの。
 
それから熱邪。
これはカラダに熱の影響を与える邪気の総称です。
つまり、暑邪+火邪=熱邪ということになります。
ただし、ちょっと注意が必要なのは、熱邪が強くなった場合に火邪という場合があることです。
 
いままでずっと書いてきているのは、いわゆる外邪のことです。
これはカラダの外から入ってくる邪気で、基本的には気候変化がカラダに悪さをする場合のことです。
 
ところが、カラダの不調によって体内に邪気が生まれる場合もあるんです。
これを内生の邪=内邪とよびます。
 
例えばカラダを温める性質の食べ物ばかりを食べていると、カラダが熱っぽくなってきます。
この場合、「内生の熱邪が発生した」ということになるんです。
この熱邪がさらに強くなると、これを「火邪」ということになるわけ。
ちょっと複雑ですけど、分かりました?
  

 

 

炎上します

次に火邪の特徴についてみてみましょう。
まずは温熱の性質ですね。
火邪の影響としては、カラダがほてったり、発熱したり、汗をたくさんかいたりします。
 
そしてこれらの熱症状は、部位としてはカラダの上の方に出やすいんです。
そう、火ですから炎上、つまり上に燃え上がるわけ。
顔や目が赤くなったり、歯茎が腫れたり(腫れるというのは熱の影響と考えます)します。
さらに熱の影響で眠れなくなったりもします。
  

気と水を損傷

火=熱は体内の水に影響します。
これはわりに分かりやすいですよね。
結果として口や喉の渇き、尿量の減少、さらに大便のなかの水分も減るので動きが悪くなり
便秘などの症状も出てきます。
熱は気にも影響するので、気が不足してだるくなってしゃべるのも面倒になったり、
はたまたやる気が出なくなったりもするんです。
 
 

・風を生み、血を動かす

それから、火は風を生み出します。
つまり体内に風が巻き起こるんです。
よく大火事のときに大風が出たりしますよね。あれは火事場風とか火災旋風というそうです。
 
それと同じように熱の影響で体内に風が起こると、痙攣とかめまいなどといった症状が起こります。
むかしの人がこれらの症状を体内の風のせいだと考えたのも、なんとなく頷けますよね。
 
火の影響としてもうひとつは、血の流れが速くなることです。
その結果として出血しやすくなると考えます。
症状としては、吐血や鼻血、不正出血などが起こりやすくなります。
 
基本的には分子の運動が活発になることを「温度が上がる」というんでしたよね。
ですからカラダが熱を持つと血の流れが速くなるというのは、理にかなっています。
 
 
・まとめ
今回のまとめです。
 

・暑邪+火邪=熱邪 の関係になっている
・熱症状はカラダの上部にでやすい
・熱は気と水にダメージを与える
・熱は体内に風を生み、出血傾向にする


 
これで外邪については終了です。
今回はここまで。
 

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東洋医学では病気の原因をどう考えるのか?(6)

知っておくと役に立つ東洋医学的な”病気の見かた” その9

東洋医学では病気の原因をどのようにとらえているのかについての6回目です。
 
風、寒、暑、湿、燥、火という外からの(季節性の)病気の原因(外因)を風邪、寒邪、暑邪とみてきましたが、今回は5つめの燥邪です。
日本では地域によって異なりますが、冬がいちばん乾燥するところが多いかもしれません。
今年の冬に向けて学んでおきましょう。
 
 
目次
 
  1-1.三因について
  1-2.古典に書かれた病気の原因分類
  1-3.現在の中医学での考え方
  2-1.六淫(ろくいん)とは?
  2-2.六淫それぞれの特徴
   a.風邪
   b.寒邪
   c.暑邪
   d.湿邪
——————————————- 以上前回まで
   e.燥邪
 
 

2-2.六淫それぞれの特徴

e. 燥邪

燥邪はもちろん、気候特徴としての乾燥のことです。
もちろん気候としての湿度の低下以外にも、室内の暖房・エアコンの種類などによっては燥邪の影響を受けます。
 
年齢とともにでやすくなる肌の乾燥を環境のせいにしている場合などをよく見受けますが、
こちらについては、肌に何かを塗ることでなんとかなると考えるよりも、
食べるものや生活自体を見直さないと改善しないということに気付くべきかもしれません。
 
ということで、燥邪の特徴について見ていきましょう。
 
 

燥邪はもちろん乾燥させます

燥邪はカラダのなかの水を攻めたて、結果的に乾燥させるというのは当然のことです。
どこが影響を受けやすいかというと、口、鼻そして皮膚です。
 
乾燥の影響をもっとも受けるのはもちろん体内の水分ですから、
ちょっと以前に学んだことを復習しておきましょう。
 
東洋医学ではカラダの水をふたつに分けて考えるます。
そうです、津と液です。合わせて津液(しんえき)と呼びます。
津はサラサラした水分で全身をめぐって潤していて、液はネバネバした水分で関節・臓腑などを潤しています。
 
それからだいじなこととして、水は血のもとなっているというのがあります。
ということは、水の不足は血の不足につながるということです。
 
そういわれると、「やっぱりたくさん水を飲まなきゃいけないんだ!」と思うかもしれませんが、
水は取り過ぎてめぐらなくなると、痰や湿というものに変化して、これまたいろいろな問題が起こります。
なにごとにも加減が大切ですね。
 
 

肺にダメージをあたえます

臓腑の中で燥邪の影響をもっとも受けるのはです。
「肺はに開竅(かいきょう)し、嬌臓(きょうぞう)と呼ばれる」といいます。
 
どういうことかというと、
肺と関係のある人体の穴は鼻で、肺の状態は鼻に現れやすいということ。
肺を病むと鼻閉や鼻汁という症状が起こるのはそのためです。
 
それから「嬌」という字には「なまめかし」という意味がありますが、
中国語では「弱弱しい」という意味があるんです。
肺という臓は弱い臓だという意味で、つまり病気になりやすいということなんです。
だから、ちょっとしたことで咳や鼻水が出たり、痰がからんだりするんですね。
 
 

カラダが熱っぽくなることもある

カラダが乾燥すると、体内の水が減ります。
この水は、カラダを冷やして熱を持ち過ぎないようにする役割がありましたね。
そういう意味で水が減るということは、カラダが熱の方に偏る可能性があるんです。
 
こういう熱を「虚熱」といいます。
虚は不足という意味で、水が不足することででる火照りのような熱のことをいうんです。
この熱、夕方から夜にかけて上がってきます。
なんとなく夕方になると熱っぽくなって、体温計で測っても37℃以下の方は、この虚熱かもしれません。
 
 

 

 

カラダのなかの水をチェックする方法

前回、カラダのなかの水の状態をチェックする方法として舌をみることをおススメしました。
体内の湿気が多いと、舌の苔が多くなるということでしたね。
 
これ、逆にカラダが乾燥して水分が少なくなると、舌の苔も少なくなるんです。
場合によっては苔がまったくなくてツルんとしている舌もあります。
 
まずはちょっと、鏡でご自分の舌を見てみてください!
  
​今回はここまで。
次回は邪気の最後で「火邪」について説明していきます。
 
 

まとめ

本日の内容のまとめです。

・燥邪の影響で口、鼻、皮膚が乾燥する
・燥邪は肺にダメージをあたえる
・乾燥によってカラダに熱が生まれることがある
・カラダのなかの水の状態は舌の苔でチェック


 

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東洋医学では病気の原因をどう考えるのか?(5)

知っておくと役に立つ東洋医学的な”病気の見かた” その8

東洋医学では病気の原因をどのようにとらえているのかについての5回目です。

風、寒、暑、湿、燥、火という外からの(季節性の)病気の原因(外因)を風邪、寒邪、暑邪とみてきましたが、今回は4つめの湿邪です。
気持ちのいい5月が終わればすぐにやってくる梅雨。
湿気という邪気が大活躍するのはもちろんこの季節ですので、いまのうちにしっかり学んでおきましょう。

 

目次

1.病気の3つの原因
  1-1.三因について
  1-2.古典に書かれた病気の原因分類
  1-3.現在の中医学での考え方
2.外感病因とは?
  2-1.六淫(ろくいん)とは?
  2-2.六淫それぞれの特徴
   a.風邪
   b.寒邪
   c.暑邪
——————————————- 以上前回まで
   d.湿邪

 

2-2.六淫それぞれの特徴

d. 湿邪

湿邪とはもちろん、あの嫌な「湿気」のことです。
もちろん湿気が多い環境で生活する以外でも、雨に濡れるなどといったことで湿邪の影響を受けるんです。

まあでも、あの時期に雨がたくさん降るからお米も作れるし、夏に水不足にならないし、ある程度の湿度がある環境だからこそ麹を代表とする優秀なカビが育って発酵食が豊富なわけだし、日本人の皮膚のキメが細かいのも湿気が多いせいだと言うし、あながち悪いことばかりではないですね。

ということで、湿邪の特徴について見ていきましょう。

 

・湿邪は陰の性格​

湿邪というのはもちろん環境にある余分な水です。
つまり湿気ですね。
陰陽で分けると陰性の邪気ということになります。

先日メルマガにも書きましたが、東洋医学では必要以上に水がカラダにあるのは良くないと考えるんです。
カラダの外の水が湿気で、これがまさに湿邪という邪気ですが、この湿邪はカラダのなかの水と呼応して、余計にカラダに悪さをするんです。
症状としてはたくさんあるので、あとで整理して書きます。

 

・重くて濁っている​

湿邪には重い濁っているという特徴があります。

まず重いという方ですが、湿邪の影響を受けると頭やカラダ、手足などが重だるくなります。
頭痛を例に挙げて説明すると、頭痛にもいろいろな種類の痛みがありますよね。
キリキリ痛い、ズキンズキン痛い、締め付けられるように痛い、鈍く痛いなどなど…。
このなかの「頭が重い」というときの原因が、この湿邪である可能性が高いんです。

それから濁るという方ですが、これは排泄物や分泌物が濁るということで、
尿が濁ったり、濁った涙、つまり目ヤニがおおくなったりということ。

 

・粘っこい

湿邪には粘滞性という特徴もあります。

これは粘っこくって、流れが悪いということです。
この邪気にやられると気の流れが悪くなったりして、関節に痛みが出たりもします。
それと、この邪気による病は治りにくくて、再発しやすい傾向にあります。
湿だけに、しつこい(笑)

 

・下にいく

これは当然ですよね。
湿気というのは水で、水は低い方へ向かって流れますから、カラダの下の方に影響が出やすくなるということです。
代表的な症状としては下痢とか足のむくみなどで、尿の出が悪くなったりもします。

 

・消化や水の流れが悪くなる

湿邪は脾という臓の働きを悪くします
脾はいってみれば消化器系ですから、梅雨にお腹を壊しやすいというのはこういう理由もあると思われます。
脾はカラダのなかの水の流れにもかかわっているので、湿邪にやられると水の流れがわるくなって、水毒のような悪いものが生まれたりしますし、むくんだりもするというわけです。
胃がつかえたり、すっきり排便できないのも湿邪による影響だと考えられます。

 

・カラダのなかの水をチェックする方法

カラダのなかの水の状態をみる方法としては、舌がおススメです。
舌の表面には苔が生えていますけど、ところで苔って自然界ではどんなところに生えますか?
そうです、湿気が多いところですね。
舌の上の苔も同じなんです。
つまり舌の苔が多いということは、カラダのなかの水分が過剰だということになります。

面白いでしょう?

そうそう、舌の苔が厚いかどうかは、苔を通して舌本体が見えるかどうかで決めます。
さっそくご自分の舌を鏡で見てみてください!

​今回はここまで。
次回以降も他の邪気について説明していきます。

 

まとめ

本日の内容のまとめです。


・湿邪の影響ではカラダが重だるくなる

・湿邪はカラダの下の方に影響する

・カラダのなかの水の状態は舌の苔でチェック


 

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東洋医学では病気の原因をどう考えるのか?(4)

知っておくと役に立つ東洋医学的な”病気の見かた” その7

東洋医学では病気の原因をどのようにとらえているのかについての4回目です。

風、寒、暑、湿、燥、火という外からの(季節性の)病気の原因(外因)を風邪寒邪とみてきましたが、今回は3つめの暑邪です。

季節はちょっとズレますが、なんといっても最近の日本の夏はかなりこの邪気が活躍しますので、しっかり学んでおきましょう。

 

目次

1.病気の3つの原因
  1-1.三因について
  1-2.古典に書かれた病気の原因分類
  1-3.現在の中医学での考え方
2.外感病因とは?
  2-1.六淫(ろくいん)とは?
  2-2.六淫それぞれの特徴
   a.風邪
   b.寒邪
——————————————- 以上前回まで
   c.暑邪

 

2-2.六淫それぞれの特徴


c.暑邪

暑邪とは、夏の「暑さ」のことです。

あとで火邪というのが出てくるのですが、こちらは季節性の暑さ以外のものをいいます。

 

話は変わりますが、私の幼少期(といっても小学生くらいまでですが)、我が家は父の言いつけでカラダを冷やす食べ物、特にアイスクリームなどはご法度になっており、夏でも気温が30℃を超えなければ買ってもらえないことになっていました。

夏休みといえば妹と二人、柱に掛かっている寒暖計を見つめながらいつもため息をついていました。

 

あるとき私は思いつきました!

「そうだ30℃にすればいいんだ。なぁんだ簡単じゃないか」

悪ガキはまず寒暖計に息を吹きかけました。

「はーっ、はーっ」

体温は36℃くらいあることは知っていましたから、これは楽勝だと思ったのです。

ところが困ったことに微妙に30℃は超えてくれません。

そこでこんどは父親のタバコと一緒に置いてあるマッチを擦り、そこに寒暖計をかざしました。

なんとあっという間に70℃くらいに達してしまい、こんどは逆に冷や汗をかきました。

そのあとは必死に寒暖計を振りまくって、30℃ギリギリになったところで母親を呼んで、まんまとアイスをゲットしたのは言うまでもありません。

つまらない無駄話を書いてしまいましたが、当時はそれぐらい30℃を超える日が少なかったということを言いたかったのです。

 

ということで、暑邪の特徴について見ていきましょう。

 

・暑邪は陽の性格​

暑邪の性質はもちろん炎熱性です。

これはわかりやすいですね。

強い温熱の性質と炎上するという特徴を備えているんです。​

ですから症状としては、高熱、多汗、強い口渇などとして現れます。

 

・上昇・発散​

暑邪には上昇、発散させるという特徴もあります。

これを昇散性といいますが、この性格によって汗腺が開いて汗をたくさんかき、カラダの水分が消耗してしまいます。

それから、汗と一緒に気も外に泄れてしまうので、暑邪は気と水を消耗しやすいといえます。

気の消耗が激しくなると、息切れや倦怠感などの症状がでてきます。

汗を大量にかくと、結構疲れるでしょう? あれは気が消耗するからです。

 

・湿邪を伴う

日本の夏は温度、湿度ともに高いために、暑邪は湿邪(あとで学びます)を伴うことが多くなります。

以前も書いたとおり、邪気はひとつだけで攻めてくるとは限りません。

くっつきやすい邪気というのがあるんです。 

 

この暑湿(暑邪+湿邪のこと)は脾、つまり消化器系に影響を及ぼします。

すると、食欲不振、悪心嘔吐、下痢、小便の量の減少などの症状が起こるんです。

これっていわゆる夏バテってことですね。

 

養生の基本に「季節に適った生活」というのがあるというのも前回書きましたが、これは風雨寒暑を避けてその影響を最小限にして暮らすという意味でしたね。

まだ先の話ですが暑邪と湿邪には十分に気をつけましょう!

 

​今回はここまで。

次回以降も他の邪気について説明していきます。

 

まとめ

本日の内容のまとめです。


・暑邪はカラダを熱し、汗をたくさんかかせて気と水を消耗させる

・暑邪は湿邪と結びついて消化器系に影響する


 

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東洋医学では病気の原因をどう考えるのか?(3)

知っておくと役に立つ東洋医学的な”病気の見かた” その6

東洋医学では病気の原因をどのようにとらえているのかについての3回目です。

 

発酵シリーズが続いていたので、ちょっとご無沙汰しました。

今回は外からの病気の原因の続きです。

 

ちょっと復習しますと、東洋医学では病気の原因を大きく3つに分けました。

外因、内因、不内外因でしたね。

前回はその中の外因の概略と、6つの邪気のひとつ目の「風邪」について学びました。

6つの邪気とは、風、寒、暑、湿、燥、火。

今回は2つめの「寒邪」についてです。

 

 

目次

1.病気の3つの原因

  1-1.三因について

  1-2.古典に書かれた病気の原因分類

  1-3.現在の中医学での考え方

2.外感病因とは?

  2-1.六淫(ろくいん)とは?

  2-2.六淫それぞれの特徴

   a.風邪

—————————————— 以上前回まで

   b.寒邪

——————————————- 以上今回

 

 

2-2.六淫それぞれの特徴

b.寒邪

寒邪というのは簡単にいうと「冷え」のことです。

東洋医学でいう病の原因としていちばん注意しなければならないのは、この冷えです。

諸悪の根源といってもいいのかもしれません。

ということで、寒邪の特徴について見てみましょう。

 

・寒邪は陰の性格​

寒邪の性質はもちろん寒冷性です。

症状としては、悪寒、寒がり、手足の冷えなどとして現れます。

また、寒邪は陰の性格をもった邪なので、この邪が盛んになると陽気を損ないます

陽気というのはカラダを温めている気ですから、結局のところカラダを冷やすということになります。

 

・凝る・滞る​

寒邪が陽気に悪影響をおよぼすと、カラダを温める作用が低下し、それと同時にいろいろなカラダのなかを流れている物質を推し進める力が低下します。

そうすると、気や血の流れが悪くなる、つまり滞るわけですね。

そして気・血の流れが悪くなると痛みが生じます

 


不通即痛(通ぜざれば即ち痛む)


 

​東洋医学で痛みの原因としてもっとも重視するのは、この気血の流れが悪い状態のことです。

そして流れを停滞させる原因としては、冷えがもっとも重大であると考えます。

養生の基本に「季節に適った生活」というのがありますが、これは風雨寒暑を避けてその影響を最小限にして暮らすという意味です。

「暑さ、寒さ、風、湿気などはカラダに良い影響を与えないので、なるべく避けるようにしましょう」ということですね。

特に冬はカラダが冷えないように気をつけましょう!

 


寒邪 → 気血が停滞 → 痛む


 

 

・冬以外でも…​

冬以外の季節でも寒邪の影響を受けることがあります。

特に気をつけるべきは夏の冷房ですね。

よく夏なのにカラダが冷えきった方を診ることがあります。

男性はスーツを着込んでいますから、それに合わせてエアコンを設定するとオフィスの中で女性が寒邪にやられてしまうというわけです。

そのほかでは、雨に濡れたり、汗をかいた後などに注意が必要です。

 

​今回はここまで。

次回以降も他の邪気について説明していきます。

 

 

まとめ

本日の内容のまとめです。


・寒邪はカラダを冷やし、気血の流れを停滞させる

・冷えは痛みの最大の原因

・冬だけではなく、夏の冷房や汗をかいた後にも注意が必要


 

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東洋医学では病気の原因をどう考えるのか?(2)

知っておくと役に立つ東洋医学的な”病気の見かた” その4

東洋医学では病気の原因をどのようにとらえているのかについての2回目です。

今回は外感病因について。つまり外からの病気の原因ということです。

 

前回、東洋医学では病気の原因を大きく3つに分けるということを書きました。

その3つとは外因、内因、不内外因です。

今回はその外因について詳しくみてみます。

 

   目次

1.病気の3つの原因

 1-1.三因について
 1-2.古典に書かれた病気の原因分類
 1-3.現在の中医学での考え方

2.外感病因とは?

 2-1.六淫(ろくいん)とは?
 2-2.六淫それぞれの特徴
  a.風邪

 

 

2.外感病因とは?


外感病因とは外因(外からカラダに影響する病気の原因)のことで、外因とは六淫、つまり季節特徴が病気の原因になる場合のことです。

少し詳しく説明しましょう。

 

2-1.六淫とは?

外因とは、病気を引き起こすカラダの外から影響のことだ、と前回学びました。

これは気候変化などがメインになっています。つまり、とても暑かったり、湿気が多かったりすると具合が悪くなるというわけです。もちろん、それぞれがカラダに与える影響は違います。

 

具体的な季節特徴をとして挙げられているものは6つ。だから六淫というんですね。

 


六淫:風、寒、暑、湿、燥、火


 

 

これらは外邪とも呼ばれ、外からカラダに入り込んで病気を引き起こす原因になります。

これら六淫による病にはいくつかの特徴があるので、まずはそこから説明しましょう。

 

1)季節や環境と関係がある​

季節特性が病気の原因になっているので、季節との特徴的な結びつきは当然あります。

例えば寒邪は冬に入り込むことが多いし、暑邪は夏に襲ってくるということです。

東洋医学は中国で成立した医学ですが、日本の季節に当てはめてみると、春は風邪、夏は暑邪、梅雨や秋の長雨の時期は湿邪、冬は寒邪と燥邪ということになります。​

 

2)複数で襲ってくることもある​

この邪気たちは、合体することがあるんです。

例えば、風邪と寒邪はわりとくっつきやすい。そうすると風寒の邪となります。風邪だけよりさらに強敵になるというわけです。

 

3)体表から入り込む​

基本的には体表から入ってくることになっています。

体表には以前学んだ衛気(エキ)という気が流れていて、外邪からカラダを守っています。その防御を打ち破って入ってくるわけなんです。具体的には、皮膚と口・鼻がその入り口になります。

 

4)陰邪と陽邪に分けられる​

6つの邪気は陰と陽とに分けられます。

風、暑、燥、火が陽邪寒、湿が陰邪です。大きく分けて、陰と陽の性格の違いがあるわけですね。もう少し詳しく説明します。

陽邪は陰液(カラダの水分)を損傷しやすく、動きが活発です。

陰邪は陽気を損傷しやすく、生理物質(具体的には気血水のこと)の流れ(代謝という意味も含めて)を停滞させます​​。

 

 

2-2.六淫それぞれの特徴

6つの外邪について、ひとつひとつもう少し詳しく見てみることにします。

 

a.風邪

まずはおなじみ、風邪。

「風邪を引く」といように、風邪と書いて「かぜ」と読むのが一般的ですが、専門的には「ふうじゃ」と読みます。

風邪の特徴には、以下のようなものがあります。

 

・風邪は軽く、上の方に症状が出る

風邪は陽邪です。しかも軽くて上昇しやすいという性質があるんです。​

そこで、カラダの上の方や体表などに症状がでやすいことになり、​結果的に頭痛、鼻づまり、咽喉部の痛みなど首から上のものが多くなるわけです。

 

・風邪は衛気に影響する​

衛気は体表の腠理(ソウリ)という汗腺のようなものを開閉して、体温を保持したり、汗を出してカラダの熱を逃がしたり、邪気が入ってこないように防御したりしています。

風邪はその衛気に影響して、その結果、風邪がカラダに侵入し、汗が出たり、風に当たるのを嫌がったりといった症状があらわれます。​

 

・風邪は良く動き、変化する​

風邪にはめまぐるしく動き回る性格があります。だから“風”なんですね。​

その結果として、症状がでる部位や時間が一定しないという特徴があります。風邪の症状を見てみても、寒気、頭痛、発熱、食欲不振、関節痛、下痢など、さまざまに変化することがわかりますね。​

 

・風邪は「百病の長」といわれる​

邪気は複数で襲ってくることがあると上で書きましたが、特に風邪はその先導役となって他の邪気を体に誘い込むという習性から「百病の長」といわれています。​

 

​今回はここまでです。次回以降も他の邪気について説明していきます。

 

まとめ

本日の内容のまとめです。

 


・カラダの外からの病気の原因を外感病因といい、これは外邪、つまり季節特徴のこと

・外邪には、風、寒、暑、湿、燥、火の6種類がある

・外邪は体表や口・鼻から入り込む

・風邪は上の方に症状が出て、さまざまに変化し、他の邪気とくっつきやすいという特徴がある


 

次回は2/7ころ公開予定

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