臨床エピソード

「カラダの診かたについて、私が最近考えていること」臨床エピソード22

私は鍼灸師です。
そして東洋医学をいろいろなひとに伝える仕事をしています。
今回は、そんな私がカラダの診かたについて最近考えていることを、少し書いてみます。
未だに結論までは出ていないのですが、とても大切なことだなのでずっと考え続けています。

 

1.バランスの医学


 
よく、「東洋医学はバランスの医学」だと言われます。
 
カラダのバランスの崩れを調えることで、健康を手に入れることができるというわけです。
病気という形になっていなくても、少しバランスの崩れている状態で調えてしまおう
という考え方(治未病)もここにつながります。
 
前回、「老後についていま考えておくべきこと」のなかでも書いたように、
大きさよりも〇(マル)であることが大切だという考え方です。
 
では、その「崩れるているバランス」って何のことでしょうか?
ふつう東洋医学的には、
寒熱のバランス(カラダが冷えているのか熱があるのか)とか、
虚実のバランス(カラダに不足しているものがあるか、余っているまたは停滞しているものがあるか)
ととらえます。
 
もちろんそれを陰陽や臓腑の問題に落とし込んでいって、
さらにその把握した内容を経絡やツボ、漢方薬などに結び付けて調えるわけですね。
 
診断という意味では、顔色、舌、脈、お腹、痛い場所などでそのバランスの崩れの状態を判断したりします。
だから、痛いところに触らなくても痛みが取れたりするんです。
 
私の場合は、それ以外にもカラダの上下、左右、前後のバランスを診るようにしています。
カラダを立体的にとらえたときに、どこが問題になっているかをチェックすることで、治療の参考にするためです。
 
 
先日、「やりなおし鍼灸治療学」という鍼灸師向けのセミナーの実技スクーリングをやりました。
そこでこの考え方を使った治療点(つまりツボ)の探し方をレクチャーしたのですが、
そのとき、たまたま被検者になったひとのしつこい右肩の痛みが、左の足に小さな粒を1つ貼るだけで意図せずに取れました。
 
参加者からも後日、「この考え方で患者さんの痛みが簡単に取れました!」という声が届きました。
でも、こういうことは鍼灸の臨床では当たり前のようにあることなんです。
どちらかというと、痛いところに触らない方が良くなることが多いかもしれないくらいです。
 
そういう意味で正しく使うことさえできれば、鍼灸というか東洋医学はすばらしい医学です。
 
 

2.最近、気になっていること


 
けれど最近、上に書いた以外のバランスのことがとても気になり始めてしまいました。
それは「心のバランス」です。
 
東洋医学は心身一元論にもとづいています。
心とカラダは一体であるという考え方です。
カラダが病めば心を病むし、心を病めばカラダが病むということです。
 
よくあるアプローチとしては、
カラダが楽になることで心のバランスの崩れが解消していくというパターン。
うつの患者さんなどは、こんなパターンで治っていく場合が多いように感じます。
 
ところが逆に心のバランスが崩れて病になっている場合、
これをどう治療していくのかということが問題になります。
 
 
心の中に怒りだとか悲しみだとかを根深く抱え込んでいることが原因で病んでいる方は多いです。
ものごとに対する考え方の方向性が間違っていて、それが病を生み出していると思われる方もたくさんいます。
 
ガンや糖尿病などのいわゆる生活習慣病といわれている病気のなかにも、
というよりそういう病にこそ、こういった心のバランスの崩れが多いことが患者さんを治療していてわかります。
 
もちろん、改善すべき生活習慣には食事、起居、仕事などさまざまなものがありますが、
もっとも重要なのはものの考え方や心の使い方ではないのか?
それを変えてもらうようにすることで病から解放されるのではないか?
そんな疑問が膨らんできました。
 
そこで自分自身の臨床を振り返ってみることにしました。
難病とか生活習慣病などが治った場合には、そういう心のアンバランスに自然に対応できていたのではないか、
ということに気づきました。
 
「これはキチンとシステム化・言語化しなければならない」という思いが沸々と湧いてきました。
心のバランスの崩れをどう見つけ出して、それに対してどのようにアプローチしていくのか?
それを東洋医学という枠にとらわれずにシステム化しながら、同時に治療の中で検証していく。
 
いまそんな作業に没頭しているので、ブログのペースが少し落ちています(笑)
どうか温かく見守ってください。
 
 

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臨床エピソードシリーズ21 目に効くツボが足に?!

今回は最近経験した目の治療のお話です。
 
鍼灸の治療で悪い血を取る治療法を使ったところ、驚くような効果があったという症例です。
患者さん本人も、治療した私もその速効性には驚いてしまいました。
鍼灸は速効性もあるというお話です。
 
 

1.中心性網膜症


 
患者さんは30代の女性。
ときどき体調が悪くなると来院していましたが、
今回ははじめて目の調子が悪いという理由での受診でした。
 
眼科を受診し、中心性網膜症という病名がついたということでした。
症状としては、視野の中央よりやや上内方が暗く見えずらいことと、物がゆがんで見えるということです。
 
調べてみるとこの病気は網膜の中心の黄斑の水ぶくれが原因で、部分的に網膜剥離が起きた状態のようです。
過労や睡眠不足のとき、ストレスが溜まったときに発病しやすいという傾向があるようです。
彼女の場合、その数か月前にわかった父親のガン発症に伴うストレスが主な原因と考えられました。
 
 
医師いわく「とりあえずこの薬を飲んで、様子をみましょう」と。
水ぶくれが改善しなければ大きな病院で手術することになるということです。
ちなみに、2回目の受診のときに薬を飲み忘れたことを話すと、「まああの薬は飲み忘れてもあまり気にしなくていいから」と言われたそうです。
 
 

2.血の流れを良くするために…


 
この患者さん、ときどき受診していた時は、明らかにいつも気の流れが悪い(気滞)という状態でしたが、今回は脈や舌、お腹などを診てみると、それに加えて血の流れも悪く(血瘀)なっていました。
 
血の流れが悪いときに鍼灸で使う治療法として、刺絡(しらく)というのがあります。
簡単に言うと、悪い血をちょっと取って血の流れを良くするという方法です。
 
さてどこから血を取ろうかと考えました。
目と関係のある経脈にはいろいろあるんです。
が、見えずらいのが視野の内側の上の方だということから、目の内側からカラダの後側を通って足に向かって流れている足太陽膀胱経という経脈がいいという結論を出しました。
 
そこで、このカラダのなかでいちばん長い経脈の反応をジックリ診てみることにしたんです。
すると最終的にはいちばん端のツボ(足の小指にある至陰という名前)で症状のある目と同じ側を触ってみるとすごく痛いという反応があることを見つけました。
 
この経脈の末端のツボというのは、血の流れを良くするにも最適だし、取る血の量も少なくてすむので「これだ!」と思いました。
そこでさっそくこのツボに鍼でちょっと刺して血を絞ってみると、出てきた血の色はとても黒っぽくて、粘々している感じで、出かたも良くないです。
これは明らかに血の流れが悪いときのサインなんです。
 
 
 
 
頑張って一所懸命に血を絞っていると突然、「先生、これって凄いです」という声が聞こえてきます。
「えっ?」と聞き返すと、「見え方が全然違うんです」と彼女。
「どんなふうに?」と聞くと、「歪まないし、見えにくさがなくなっちゃったんです」と。
「えっ、いま? そんなに違うの?」と重ねて聞くと、「そうです。いま見え方が全然違っちゃってるんです」と興奮しながら言います。
思わず二人で顔を見合わせて笑ってしまいました。
 
後日、眼科を再受診したところ、医師から「水がかなり減っているのでとりあえず手術はなしにして、しばらく様子をみよう」と言われたそうです。
見え方も多少は見えづらくなる日があるけど、明らかに良くなっているということ。
 
鍼灸にはこんな力があるんです。
「凄いぞ鍼灸!」と思った瞬間でした。
 
 

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臨床エピソードシリーズ20 昭和の名人の技 その5 患者さんとの関係

鍼灸師である父のことを書いてきたシリーズ(第1回はこちら)も今回の第5回目が最終回です。

今回は父の患者さんとの関係について書いてみました。

 

8)患者さんとの関係

私は教員時代、鍼灸治療にも「医療面接」の要素を組み込むべきだと考え、そのための研究やテキストの執筆、教育に携わってきました。

医療面接というのは最近の医学教育でも導入されているのですが、簡単に説明すると、治療者は必要な医学情報を得るためだけでなく、患者さんとのコミュニケーションを大切にし、信頼関係を構築することが重要だという考え方です。

そういう視点で父の患者さんに対する態度を思い起こすと、マニュアル通りというわけではないのですが、言葉以外のコミュニケーション力(非言語的コミュニケーションといいます)はなかなかだったということがわかります。

ある時、治療中に患者さんがドアを開けて入ってきた気配を感じて、父が言いました。

「あっ、○○さん、良くなったみたいだなぁ」

「えっ」と私が聞き返すと、

「あのドアの開け方は元気になった証拠だよ」と言います。

事実、その患者さんは症状がとても改善していました。

患者さんと直接会って顔を見れば私にもわかったのですが、そのことについて後で聞いて見ると、「ドアの開け方や歩く音など、そういう細かいことを観察することでいろいろなことがわかるんだよな」と言います。

学校教育的な視点で見ると、父の再診のカルテはほとんど「特になし」と記されていましたし、神経学的な検査なんてまったくやりませんから「問題あり」かもしれません。

それに加えて、その日の最後の患者さんの治療が終わると、その方がまだ更衣室から着替えて出てくる前に冷蔵庫からビールを取り出して旨そうに飲み始める始末です。

しかし不思議に患者さんとの信頼関係は強固なものができあがっていました。

その理由は、父の治療に対する真剣さと、細かい観察、患者さんに対する優しい思いやりなのだと、いまになって思い至ります。

必要とあればどんなに時間が超過して後の患者さんが待っていてもとことん治療していましたし、悩みのある患者さんとは飲みに行って話を聞いてあげたりもしていました。

ですから亡くなったときに、何人もの患者さんが追悼文を書いてくれたりしたわけです。

私が言うのもどうかと思いますが、やはり臨床家としてもとても魅力的な人だったのだと思います。  

 

9)おわりに  

この原稿書くことで、父の臨床を通して自分自身の臨床を振り返る良い機会になりました。

父と同じようにはできませんが、尊敬する臨床家のひとりとして手本にしたいと改めて感じました。

最後に父の言葉を引用して、自分自身の鍼灸に対する想いを問い直してみます。

これは恩師である丸山先生のことについて書いた文章の最後に綴られた部分ですが、まさに父は一途に鍼灸を愛していたんだと思います。  

「鍼灸の世界は、理論でも実践でもない、と思う。ただ一途に鍼灸を愛する人が、次々と出てくればいいのだと思う。」

(「恩師・丸山昌朗先生のこと」昭和56年5月30日)

 

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臨床エピソードシリーズ19 昭和の名人の技 その4 足底のツボ

鍼灸についての臨床エピソード、父のことを書いた原稿(今回は多少改訂しています)をシリーズでお送りしています。

第1回第2回第3回はこちらから。今回は4回目です。

 

内容としては主に父の考えた「足底のツボ」についてです。

 

7)足底穴


 

父が恩師の丸山先生のヒントをもとに考えた「足底穴」というのがあります。

以前、足底には正式なツボは1つしかないと書きましたが、じつは特定の症状に効くツボはいろいろあります。

日本経絡学会(現日本伝統鍼灸学会)誌に載った論文からこのツボについて一部を引用してみましょう。

 


発表する足底穴は図示するように中足指節関節後緑にあり、とくに第一中足指節関節部には太陰点・厭陰点・少陰点と称する三穴がある。

第二中足指節関節部を陽明点、第四中足指節関節部を少陽点、第五中足指節関節部を太陽点と仮称する。

つまり足の三陰三陽経に関連性を持つ六穴である。

(「足底の穴について-厥との関連を考えながら-」、日本経絡学会誌第5巻6号、1978年)


 

父は治療でこの足底穴をよく使っていました。

足の三陰三陽経の経脈の病証と考えられる病態に対して、六部定位脈診を基準に使っていたようです。

一般の方もお読みになっているので、少し説明を加えましょう。

 

足には陰の経脈が3本と陽の経脈が3本とおっています。

それぞれ特定の臓腑とつながっていて、カラダの不調があるとそれに関連した経脈に反応が現れ、逆にその経脈を治療することで効果が期待できるのです。

どの経脈の病かを手首の脈で判断し、それに応じた足裏のツボで治療するというシステムです。

指先でコリコリとした反応を探して灸点を下ろし(お灸をする場所を体表上に印をつけること)、そこに私が熱くなるまで何壮でも灸(米粒の半分くらいの円錐形の熱いお灸です)をすえるわけです。

一箇所で百壮を超えることなどしょっちゅうでしたので、お蔭でかなり施灸の手際は良くなりました(笑)。

 

この足底穴は私も最近はよく使用しています。

実は以前はあまり興味がなく、まったく使用していない時期もあったのですが、あるとき教え子から「先生、お父さんの足底穴は治療でかなり使える優れものですね。」と言われ、改めて使ってみるとこれがなかなか効果が高かったんです。

例えば坐骨神経痛の症状がなかなか取れないときなどにこれらの足底のツボの反応を丹念に診ていくと、太陽点か少陽点にかなりの圧痛があり、そこに透熱するまで施灸することで症状が劇的に変化したりします。

興味のある鍼灸師の方は、是非とも使ってみてください。

私にとっても臨床には欠かせないツボになりました。

 

ちなみにこの論文に掲載された足底の図は、父の手描きです。

父の臨床のお話、次回が最終回になります。

 

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臨床エピソードシリーズ18 昭和の名人の技 その3 刺絡と施灸

鍼灸についての臨床エピソード、父のことを書いた原稿(今回は多少改訂しています)を前々回からシリーズでお送りしています。

今回は3回目です。

内容としては主に父の臨床のなかから刺絡施灸についてです。

 

5)刺絡  


 

治療方法では、師匠である丸山昌朗先生のテーマのひとつであった刺絡にはかなりこだわりがあったようです。

刺絡というのは、簡単に言うと流れの滞った悪い血を取り除くことによって血の流れをスムーズにするための鍼灸の治療法のひとつです。つまり悪い血を取るということですね。

その刺絡をキチンと位置付けるための学会である日本刺絡学会の、さらに前身である刺絡問題懇話会の立ち上げから関わり、刺絡の普及に努めてきた父ですが、自分自身の臨床でもかなりこの治療方法を頻繁に使っていました。

例えば、風邪で喉が痛い患者さんには少商の刺絡をすることが多かったように思います。

この親指の爪の付け根から少量の血を取るという治療法は、効果がすぐに現れるだけでなく、効果自体もとても優れています。

この治療をする際に、父は患者さんの両手の井穴を同時に左右の母指と示指で挟んで転がすように揉み、痛みの強い方のみに刺絡をしていました。

これは少しでも無駄な出血を抑えたいための方法です。  

その他、刺絡という治療法に関して言えば、井穴刺絡での血の絞り方、細絡の見つけ方、刺絡すべき細絡の決定方法、皮膚を切るときの三稜鍼の動かし方、さらには刺絡を止める時期の血液の性状・色の変化からの見極め方など、治療の助手についているときの具体的な父からの指示がその後の私の臨床の役に立ちました。

それらの内容は『刺絡鍼法マニュアル』(⬅︎現在は新版に改訂)という書籍にまとめて日本刺絡学会から出版されました。

 

刺絡治療の適応については、「まず刺絡」ではなく「最後の手段として刺絡」ということ、刺絡で取る血の量については「必要最小限にする」ということをよく言っていました。

刺絡というのは実によく効く治療手段で、肩こりなどを簡単に改善してしまうのですが、この辺りは私自身の臨床にも強く反映されていて、現在はどうしても刺絡でないと治らない場合にのみ使うようにしています。  

何せ、血を取るという難しい治療法なのですから。

 

 

6)施灸  


 

ところで、最近はお灸のできない鍼灸師が多くなっていると聞きますが、父は臨床の中で非常によく施灸を使っていました。

 

透熱灸の捻り方はちょっと変わっていて、ふつうは左手で捻って右手でそれを適当なところでちぎって底面をととのえて皮膚にすえますが、父は左手ではほとんど捻ら ないで、右手でちぎってから母指と示指で捻っていました。

どこで習ったのか、それとも自分で工夫したのか聞く機会を逃してしまいましたが、面白い捻り方でした。  

施灸の使い方としてはツボの反応を重視していましたが、例えば百会などは、触診してブヨブヨして軟らかい感じがあれば補法の灸、押しても凹まなくて硬くピンと張った感じがあれば刺絡をするという使い分けをしていました。

足三里や関元はよく灸点を下ろされたツボです。場合によっては何壮でも熱くなるまで(知熱)すえることもよくありました。  

知熱灸は少し小ぶりの高さの低い円錐形のものを作ってすえていました。

この知熱灸については、関節リウマチの患部へ1壮すえるだけでかなり痛みが軽減し、その効果に驚かされたのを覚えています。  

灸頭鍼はほとんどの患者さんの腎兪や志室などに使用していたと記憶しています。

私自身も好きですが、腰が温まるととても気持ちがよく、患者さんから「またあれをやってほしい」とよくせがまれていました。

お灸は自宅でのセルフメンテナンスの方法としてもとても良いものですので、その効果がキチンと認識されて、もっと広まるようにしたいものです。  

 

まだまだ続きますので、今回はこのあたりまで。

 

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第1回「東洋医学を正しく理解するために必ず押さえておくべきポイント その1

第2回「東洋医学を正しく理解するために必ず押さえておくべきポイント その2

第3回「東洋医学を正しく理解するために必ず押さえておくべきポイント その3

第4回「東洋医学のベースにある2つの考え方 その1

第5回「東洋医学のベースにある2つの考え方 その2

第6回「ほんとうの自分の干支を知っているひとは意外に少ない?!

第7回「東洋医学を正しく理解するために絶対に知っておくべき気血水のはなし その1

第8回「東洋医学を正しく理解するために絶対に知っておくべき気血水のはなし その2

第9回「東洋医学を正しく理解するために絶対に知っておくべき気血水のはなし その3

第10回「東洋医学を理解するためのキモ、五臓六腑 その1

第11回「東洋医学を理解するためのキモ、五臓六腑 その2

第12回「東洋医学を理解するためのキモ、五臓六腑 その3

第13回「東洋医学エピソードシリーズ1「鍼灸がこんなことに効くって知ってました?」

第14回「東洋医学を理解するためのキモ、五臓六腑 その4

第15回「東洋医学エピソードシリーズ2「肺癌末期の女性患者について」

第16回「東洋医学を理解するためのキモ、五臓六腑 その5

第17回「東洋医学エピソードシリーズ3「サンフランのエイズ患者」

第18回「東洋医学を理解するためのキモ、五臓六腑 その6

第19回「東洋医学エピソードシリーズ4「家内の胃の痛み」

第20回「東洋医学を理解するためのキモ、五臓六腑 その7

第21回「東洋医学エピソードシリーズ5「拒食症」

第22回「東洋医学のツボをはずさないために その1経絡

第23回「東洋医学エピソードシリーズ6「ねん挫」

第24回「東洋医学のツボをはずさないために その2 ツボ

第25回「東洋医学エピソードシリーズ7「梅の種」

第26回「東洋医学のツボをはずさないために その3 経脈各論1

第27回「東洋医学エピソードシリーズ8「裏内庭」

第28回「東洋医学のツボをはずさないために その4 経脈各論2

第29回「東洋医学エピソードシリーズ9「小指で三陰交」

第30回「東洋医学のツボをはずさないために その5 経脈各論3

第31回「東洋医学エピソードシリーズ10「自然気胸」

第32回「東洋医学のツボをはずさないために その6 経脈各論4

第33回「東洋医学エピソードシリーズ11「ばね指」

第34回「特別編「日本鍼灸の実情と今後」

第35回「東洋医学のツボをはずさないために その7 経脈各論5

第36回「東洋医学エピソードシリーズ12「鍼灸のプラス効果」

第37回「東洋医学のツボをはずさないために その8 経脈各論6

第38回「特別編「五行のオモシロさについて」

第39回「東洋医学エピソードシリーズ13「インコ」

第40回「東洋医学のツボをはずさないために その9 経脈各論7

第41回「臨床エピソードシリーズ14 「大腿骨頭壊死」

第42回「東洋医学的日々雑感シリーズ1「暑さ寒さも彼岸まで?」

第43回「東洋医学の活かし方シリーズ1「どうすれば美肌になれるか、東洋医学で考えてみた(1)」

第44回「知っておくと役に立つ東洋医学的な”病気の見かた” その1

第45回「臨床エピソードシリーズ15「ガンに対するお灸の効果」

第46回「東洋医学的日々雑感シリーズ2「「スポーツの秋」を東洋医学で考えると?」

第47回「東洋医学の活かし方シリーズ2「どうすれば美肌になれるか、東洋医学で考えてみた(2)」

第48回「知っておくと役に立つ東洋医学的な”病気の見かた” その2

第49回「臨床エピソードシリーズ16「昭和の名人の技 其の1」

第50回「東洋医学的日々雑感シリーズ3「七五三」について東洋医学的に思いつくままに考えてみた」

第51回「東洋医学の活かし方シリーズ3  アロマセラピスト篇「香りと健康の関係について、東洋医学的に考えてみた」

第52回「知っておくと役に立つ東洋医学的な”病気の見かた” その3

第53回「臨床エピソードシリーズ17「昭和の名人の技 其の2」

第54回「東洋医学的日々雑感シリーズ4「七五三」について東洋医学的に思いつくままに考えてみた」

第55回「東洋医学の使い方~リフレクソロジスト篇  - 足を揉むとどう体にいいのか、東洋医学的に考えてみた -

第56回「知っておくと役に立つ東洋医学的な”病気の見かた” その4

 次回は1/16ころ公開予定

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臨床エピソードシリーズ17 昭和の名人の技 その2

 

鍼灸についての臨床エピソード、父のことを書いた原稿を前回からシリーズでお送りしています。今回は2回目です。

内容は主に父の臨床についてです。

 

3)気合


 

鍼灸の技の話ではないのですが、父の治療を「気合いの治療」と評した人がいたそうです。

やはり金古英毅先生の追悼文に次のようにあります。

「先生の治療を、「気合いの治療」と評した人がいる。あの穏やかな目の奥に潜む、『内経』に裏付けられた学識をしのぐ烈々たる気迫と集中力が、多くの患者さんの邪気を駆遂していたのだと思う。」

 

確かに父は治療に入ると非常に集中し、他のことが見えなくなるようなことはありました。

池袋の治療室はベッドが2台あり、患者さんはすべて予約制で、一人30分枠で一枠に2名予約を取っていたのでが、治療に夢中になるあまり治療時間が30分を大幅に超えるようなことがよくありました。

完全予約制の待合室に患者さんがどんどん溜まっていくわけです。私は気が気ではありませんでしたが、父は気にする様子がありません。目の前の患者さんに対する治療しか見えていないようでした。

たぶん父の中の基準は、「いま目の前にいる患者さんに、自分がいまできることはすべてする」ということだったのかもしれません。治療における集中力の大切さを学びました。

 

これははじめに断っておかなければいけなかったことですが、この原稿の中で父の臨床について私が書くことは、ほとんどが推測です。父からは臨床に関することを尋ねることを禁止されていましたのでご理解ください。

写真は丹澤章八先生(当時、神奈川県総合リハビリテーション研究研修所副所長)、凌耀星先生(当時、上海中医学院教授)、父(当時、日本内経医学会会長)の3名による「日中鍼灸の異と同」と題した日本経絡学会(現、日本伝統鍼灸学会)の鼎談の小冊子です。

本を整理していたら出てきました。

 

 

4)臨床


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私が助手に付くようになって以降、父が一人の患者さんの治療に使っていた鍼の数は6本です。

鍼皿には神戸製の金鍼(寸3の2番)4本と灸頭鍼用のステンレス鍼(寸6~2寸5分の3~5番を適宜選択)2本が入っていて、どんな患者さんでも大体これで治療していました。

ここに至るまでにはいろいろと鍼の本数を変えていたようですけれど、最終的にこの本数に落ち着いたようです。

他には透熱灸、知熱灸、刺絡などが主な治療手段でした。

 

他の鍼灸治療院といちばん違っていたのは、整形外科疾患の患者さんが少なく、内科疾患や難病の方が多かったことかもしれません。

一般的な肩こりや腰痛の患者さんももちろんいましたが、癌の末期の方や、リウマチの変形の酷い方、脊髄小脳変性症など、卒業直後の私には「学校で習った鍼灸院の対象患者とはかなり違う」という戸惑いばかりでした。

ふつう風邪を引くと治療の予約をキャンセルする患者さんが多いようですが、父の患者さんは電話を掛けてきて「風邪気味なので予約をしていないけど今日これから行きたいんです。」などと言ってきます。

鍼灸が様々な疾患に有効であり、また慢性疾患だけでなく急性の症状にも十分効果があることを思い知りました。

 

次回以降、まだまだ続きます。

 

 

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第1回「東洋医学を正しく理解するために必ず押さえておくべきポイント その1

第2回「東洋医学を正しく理解するために必ず押さえておくべきポイント その2

第3回「東洋医学を正しく理解するために必ず押さえておくべきポイント その3

第4回「東洋医学のベースにある2つの考え方 その1

第5回「東洋医学のベースにある2つの考え方 その2

第6回「ほんとうの自分の干支を知っているひとは意外に少ない?!

第7回「東洋医学を正しく理解するために絶対に知っておくべき気血水のはなし その1

第8回「東洋医学を正しく理解するために絶対に知っておくべき気血水のはなし その2

第9回「東洋医学を正しく理解するために絶対に知っておくべき気血水のはなし その3

第10回「東洋医学を理解するためのキモ、五臓六腑 その1

第11回「東洋医学を理解するためのキモ、五臓六腑 その2

第12回「東洋医学を理解するためのキモ、五臓六腑 その3

第13回「東洋医学エピソードシリーズ1「鍼灸がこんなことに効くって知ってました?」

第14回「東洋医学を理解するためのキモ、五臓六腑 その4

第15回「東洋医学エピソードシリーズ2「肺癌末期の女性患者について」

第16回「東洋医学を理解するためのキモ、五臓六腑 その5

第17回「東洋医学エピソードシリーズ3「サンフランのエイズ患者」

第18回「東洋医学を理解するためのキモ、五臓六腑 その6

第19回「東洋医学エピソードシリーズ4「家内の胃の痛み」

第20回「東洋医学を理解するためのキモ、五臓六腑 その7

第21回「東洋医学エピソードシリーズ5「拒食症」

第22回「東洋医学のツボをはずさないために その1経絡

第23回「東洋医学エピソードシリーズ6「ねん挫」

第24回「東洋医学のツボをはずさないために その2 ツボ

第25回「東洋医学エピソードシリーズ7「梅の種」

第26回「東洋医学のツボをはずさないために その3 経脈各論1

第27回「東洋医学エピソードシリーズ8「裏内庭」

第28回「東洋医学のツボをはずさないために その4 経脈各論2

第29回「東洋医学エピソードシリーズ9「小指で三陰交」

第30回「東洋医学のツボをはずさないために その5 経脈各論3

第31回「東洋医学エピソードシリーズ10「自然気胸」

第32回「東洋医学のツボをはずさないために その6 経脈各論4

第33回「東洋医学エピソードシリーズ11「ばね指」

第34回「特別編「日本鍼灸の実情と今後」

第35回「東洋医学のツボをはずさないために その7 経脈各論5

第36回「東洋医学エピソードシリーズ12「鍼灸のプラス効果」

第37回「東洋医学のツボをはずさないために その8 経脈各論6

第38回「特別編「五行のオモシロさについて」

第39回「東洋医学エピソードシリーズ13「インコ」

第40回「東洋医学のツボをはずさないために その9 経脈各論7

第41回「臨床エピソードシリーズ14 「大腿骨頭壊死」

第42回「東洋医学的日々雑感シリーズ1「暑さ寒さも彼岸まで?」

第43回「東洋医学の活かし方シリーズ1「どうすれば美肌になれるか、東洋医学で考えてみた(1)」

第44回「知っておくと役に立つ東洋医学的な”病気の見かた” その1

第45回「臨床エピソードシリーズ15「ガンに対するお灸の効果」

第46回「東洋医学的日々雑感シリーズ2「「スポーツの秋」を東洋医学で考えると?」

第47回「東洋医学の活かし方シリーズ2「どうすれば美肌になれるか、東洋医学で考えてみた(2)」

第48回「知っておくと役に立つ東洋医学的な”病気の見かた” その2

第49回「臨床エピソードシリーズ16「昭和の名人の技 其の1」

第50回「東洋医学的日々雑感シリーズ3「七五三」について東洋医学的に思いつくままに考えてみた」

第51回「東洋医学の活かし方シリーズ3  アロマセラピスト篇「香りと健康の関係について、東洋医学的に考えてみた」

第52回「知っておくと役に立つ東洋医学的な”病気の見かた” その3

 次回は12/12ころ公開予定

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臨床エピソードシリーズ16 昭和の名人の技 その1

 

鍼灸についてのお話は、今回から数回はシリーズでお送りします。

以前、医道の日本社さんから「昭和の名人の技」というタイトルで父のことを書いてくれという依頼を頂いたのですが、ある理由で掲載できないことになってしまいました。その原稿を数回に分けてお送りします。

 

 1)はじめに


 

医道の日本社から「父の臨床内容と、それをどのように自分の臨床に取り入れているか」について書くようにとの依頼が来ました。

私は鍼灸学校の教員になってから数年間(正確には教員養成時代を含めると約5年間ほど)父の臨床を目の当たりにする時間があったのですが、ハッキリ言って父の臨床スタイルをそのまま受け継いでいるわけではありません。

どちらかというと、(勝手に師と仰いでいる)故井上雅文先生の影響が大きいのです。

ですからこの依頼を受けるべきか少し躊躇しました。

そして少しばかり悩んだ末に、自分なりに書くべき目的をみつけたので引き受けることにしたわけです。c2b3b81b9853a195e0711470ead672d0_s

その理由のひとつは、私自身のいまの状況にあるといってもいいでしょう。

 

私は鍼灸師の資格を取ってすぐに教員養成科に入り、卒業直後から昨年まで鍼灸学校の専任教員をしていました。

いろいろあって辞めることにしましたが、正直なところその間の臨床は片手間だったわけです。(そんな言い方をすると、その当時に治療をさせていただいていた患者さん達に大変申し訳ないのですが・・・。)

主に教育の仕事をしている割には臨床の時間は取ってはいたのですが、それでも所詮、学校の教員です。

臨床だけで食っていっていないというのは、ある意味で街場の鍼灸師に対する引け目でもあり、私の場合「教育の現場で臨床的なことを喋るために治療をする場を持っていた」といってもいいのかもしれないなどと、いまになって思います。

まあ患者の治療をまったくしないで「こうやれば治りますよ」などと授業で話しているよりは、少しはましかもしれませんが・・・。

ですから街場の鍼灸師になったいま、父の臨床を通して自分自身の臨床を見つめ直すきっかけにこの原稿がなればなどという、自分勝手な理由で執筆を受けたわけです。

 

この原稿に興味を持ってページを開いた読者の皆さんは、私などの話は早いところ切り上げて「早く島田隆司先生の臨床の話をせよ」と思っているでしょうから、このへんで本題に入ります。

(写真は父の師匠である丸山昌朗先生のお墓がある鎌倉、浄智寺)

 

2)目標


 

まず、父がどんな臨床家だったのか、どんなことを考え、また目指していたのかから書いていきましょう。

 

父は元々銀行員でした。

肝臓を悪くして入退院を繰り返していたある時、偶然に図書館で手にした本がきっかけで伊豆の断食道場に入り、2週間の断食と灸治療を受けました。

その結果、思ってもみなかったほど体調が回復し、その経験からこの世界に入る決心をしたようです。

その後、母を説得し、銀行で仕事をしながら夜は鍼灸学校に通うようになったのが30歳のときです。

すでに学生時代に恩師となる丸山昌朗先生にお会いして、父曰く「押掛け弟子」になったそうです。

当時この世界に入るなどとは夢にも思っていなかった私にもはっきりと分かるくらい、父は丸山先生を深く敬愛していました。

 

2016-11-06-08-38-21父のこの世界での目標は、丸山先生の生涯におけるメインテーマであったと思います。

私が聞いていたのは「経絡」、「刺絡」、「内経」の3つです。あえてもうひとつ加えるとすると「教育」かもしれません。

ある意味、父はこの目標をずっと追い続け、志し半ばで逝ったのだと思います。

 

丸山先生には3人の弟子がいました。

その3人について、金古英毅先生の父に対する「内経」誌の追悼文に次のような文があります。

父のことをよく表す文章だと思います。

———- 以下引用

ある時も呑みながら、私が「丸山門下生の三人(豊田・島田・藤木)の特長を一言でいえば、島田先生は育(はぐくむ)、藤木さんは学、豊田先生はなんだろう」。

しばらくして先生が「豊田さんは智、藤木は理、僕は摂(やしなう)だと思う。この三人の能力以上を合わせ持ち、神気を抱いた丸山先生に僕達は見出されたからこそ一つにまとまってお互いの能力を発揮できた。丸山先生にお会いして真の教育とは何かに触れることが出来た。それを少しでもいいから伝えて行きたい。な、ネコさん(金古先生の愛称のこと、筆者注)」。


 

タイトル写真は父の若い頃の写真です。私は似ていませんが、弟はそっくりです(笑)

続きは次回以降に。

 

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第1回「東洋医学を正しく理解するために必ず押さえておくべきポイント その1

第2回「東洋医学を正しく理解するために必ず押さえておくべきポイント その2

第3回「東洋医学を正しく理解するために必ず押さえておくべきポイント その3

第4回「東洋医学のベースにある2つの考え方 その1

第5回「東洋医学のベースにある2つの考え方 その2

第6回「ほんとうの自分の干支を知っているひとは意外に少ない?!

第7回「東洋医学を正しく理解するために絶対に知っておくべき気血水のはなし その1

第8回「東洋医学を正しく理解するために絶対に知っておくべき気血水のはなし その2

第9回「東洋医学を正しく理解するために絶対に知っておくべき気血水のはなし その3

第10回「東洋医学を理解するためのキモ、五臓六腑 その1

第11回「東洋医学を理解するためのキモ、五臓六腑 その2

第12回「東洋医学を理解するためのキモ、五臓六腑 その3

第13回「東洋医学エピソードシリーズ1「鍼灸がこんなことに効くって知ってました?」

第14回「東洋医学を理解するためのキモ、五臓六腑 その4

第15回「東洋医学エピソードシリーズ2「肺癌末期の女性患者について」

第16回「東洋医学を理解するためのキモ、五臓六腑 その5

第17回「東洋医学エピソードシリーズ3「サンフランのエイズ患者」

第18回「東洋医学を理解するためのキモ、五臓六腑 その6

第19回「東洋医学エピソードシリーズ4「家内の胃の痛み」

第20回「東洋医学を理解するためのキモ、五臓六腑 その7

第21回「東洋医学エピソードシリーズ5「拒食症」

第22回「東洋医学のツボをはずさないために その1経絡

第23回「東洋医学エピソードシリーズ6「ねん挫」

第24回「東洋医学のツボをはずさないために その2 ツボ

第25回「東洋医学エピソードシリーズ7「梅の種」

第26回「東洋医学のツボをはずさないために その3 経脈各論1

第27回「東洋医学エピソードシリーズ8「裏内庭」

第28回「東洋医学のツボをはずさないために その4 経脈各論2

第29回「東洋医学エピソードシリーズ9「小指で三陰交」

第30回「東洋医学のツボをはずさないために その5 経脈各論3

第31回「東洋医学エピソードシリーズ10「自然気胸」

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第41回「臨床エピソードシリーズ14 「大腿骨頭壊死」

第42回「東洋医学的日々雑感シリーズ1「暑さ寒さも彼岸まで?」

第43回「東洋医学の活かし方シリーズ1「どうすれば美肌になれるか、東洋医学で考えてみた(1)」

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第46回「東洋医学的日々雑感シリーズ2「「スポーツの秋」を東洋医学で考えると?」

第47回「東洋医学の活かし方シリーズ2「どうすれば美肌になれるか、東洋医学で考えてみた(2)」

第48回「知っておくと役に立つ東洋医学的な”病気の見かた” その2

次回は11/14ころ公開予定

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臨床エピソードシリーズ15 ガンに対するお灸の効果

 

鍼灸についてのお話、今回はガンに対するお灸の効果についてです。 

 

1.余命半年


私の父は日本伝統鍼灸学会の会長在任中にガンで他界しました。68 歳でした。

死因は胆管ガンです。胆管は肝臓でつくられた胆汁を十二指腸まで運ぶ管です。9d0071840fdf5e14d2ac4248b0c3cc4c_s

弟の結婚式の数日前に黄疸が出て、受診したときには余命半年と言われ、手術も困難な状態でした。

 

検査結果を聞きに行った母と私に、主治医はこう言いました。

「ご主人はもうご自分がガンで余命が半年だということをご存じで、奥様やご家族にそのことをどう伝えたらいいか悩んでいらっしゃいますよ」と。 

父は鍼灸にはガンになるのを防ぐ効果があると学会などでも発表していたのですが、父自身が定期的に鍼灸治療を受けることがなかったのが残念でなりません。

 

 

2.ガンが縮小?


 

b24ad6f6e521b030d26cf6bc127c9096_sガンで余命宣告を受けてから、ほぼ毎日のように鍼灸治療をすることになりました。

週に1回は私の師でもある井上雅文先生に往診していただき、父が懇意にしていた小川卓良先生のお弟子さんが 2~3回、私が残りといった感じでした。

父は治療の内容についてはほとんど注文を付けませんでしたが、患部の体表上に多壮灸(お灸をたくさんすえること)をしてくれとだけ言っていました。

ですので、多いときは 1回の治療で 200~300 壮もの灸をすえました。 

 

自宅での治療は遠慮なくできますが、入院中は処置室などをお借りして鍼灸の治療を継続していました。

お灸の煙が他の患者さんの迷惑にならないようにするためです。

主治医は父を鍼灸師として尊重してくれて、自由に鍼灸治療を受けられる体制を確保してくれていたんです。

そんな日々を送っていたある時、主治医から「ガンが縮小してきているようなので、切除できるかもしれない」と言われたのです。

父も私たち家族も、希望の光が見えたことで仄かな期待を抱くようになりました。

 

 

 

3.灸治療の禁止


ところが、手術に向けてガンの位置や大きさなどを正確に再検査するため癌研病院に転院することになりました。

なんとそこでは煙の出る灸治療が禁止されてしまったのです。

父も、治療している私たちも、灸治療がガンの縮小に果たした役割は大きいと思っていましたので、少なからずショックでした。 
検査入院は2週間ほどでしたが、再検査の結果は手術は無理というものでした。

希望の光が潰えた瞬間です。%e5%ba%a7%e8%ab%87%e4%bc%9a_s470906

その時に私が感じたのは、やはりどんなことをしても灸治療を続けるべきだったという後悔の念です。

そのまま回復することなく、2000年の夏に父は逝ってしまいました。 

本当に灸がガンを縮小させ、灸ができなくなったことでまたガンが勢いを増したのかどうかは分かりません。

ただ、私にとってはどうしても忘れることができない貴重な臨床経験です。 

写真は父が鍼灸界に入って間もないころの写真です。後列左が父、前列右が父の師匠である丸山昌朗先生です。

 

 

第1回「東洋医学を正しく理解するために必ず押さえておくべきポイント その1

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第24回「東洋医学のツボをはずさないために その2 ツボ

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第26回「東洋医学のツボをはずさないために その3 経脈各論1

第27回「東洋医学エピソードシリーズ8「裏内庭」

第28回「東洋医学のツボをはずさないために その4 経脈各論2

第29回「東洋医学エピソードシリーズ9「小指で三陰交」

第30回「東洋医学のツボをはずさないために その5 経脈各論3

第31回「東洋医学エピソードシリーズ10「自然気胸」

第32回「東洋医学のツボをはずさないために その6 経脈各論4

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第36回「東洋医学エピソードシリーズ12「鍼灸のプラス効果」

第37回「東洋医学のツボをはずさないために その8 経脈各論6

第38回「特別編「五行のオモシロさについて」

第39回「東洋医学エピソードシリーズ13「インコ」

第40回「東洋医学のツボをはずさないために その9 経脈各論7

第41回「臨床エピソードシリーズ14 「大腿骨頭壊死」

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第43回「東洋医学の活かし方シリーズ1「どうすれば美肌になれるか、東洋医学で考えてみた(1)」

第44回「知っておくと役に立つ東洋医学的な”病気の見かた” その1

次回は10/17ころ公開予定

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臨床エピソードシリーズ14 大腿骨頭壊死

 鍼灸についてのお話、今回は股関節の病気です。

 この病気は、最近ではステロイド剤の服用やアルコールの多飲が原因であるといわれています。

 鍼灸の治療効果のすごさと同時に難しさを実感したエピソードです。

 

 

1.脚の痛み


 

 往診でほぼ毎週診ていた72歳女性のCさんですが、ある時、脚が痛くて歩けないといいま
す。

 実際、家の中を少し移動するのにも辛そうです。ベッドに上がるのに痛む方の脚を自力で持ち上げることができないので、自分の手で脚を76bb863a1ef4ef689366c636ec0b7214_s持って持ち上げる程です。

 痛みがある部位は腰から臀部で、坐骨神経痛様の症状でした。

 それまでは、肩こりや腰痛、花粉症などの症状はありましたが、急に脚が痛くなった理由がご本人には思い当たらないようです。

 現代医学的な病名や診断は分からないのですが、東洋医学的に診断して治療をしてみました。

 治療後に痛みの程度を訪ねてみると、「かなり楽になったのでスタスタ歩ける」と言います。

 実際、歩行を観察してみると、あれだけ痛がっていたのが嘘のように自然に歩けています。

 これなら大丈夫かと治療を終了しました。

 

 

2.徐々に悪化?


 

 翌週また治療に伺うと、前日に突然悪化し、病院に自分で車を運転して行ったといいます。5dc6505f4dcb1a5a9453f7f7348a74c1_s

 その際にやはり自力で歩くのが難しいので、モップを杖代わりにしてやっとの思いで通院したようです。

 医師の診断は坐骨神経痛でした。

 

 その時の鍼灸治療でも、治療直後から痛みがかなり楽になりました。

 ですが、その翌週、そのまた翌週の治療でも同じことの繰り返しで、トータルで見ていくと徐々に悪化している感じです。

 どうもおかしいので、他の医院を受信するように勧めてみました。

 

 

3.診断結果は・・・


 

 すると、診断結果は急性の大腿骨頭壊死でした。しかも両側。

 結果的にすぐに入院して、1年がかりで両側を人工関節に置換する手術を受けることになったのです。

 現在はリハビリも進み、ほぼ正常に歩行できるまでに回復しています。

 

 それにしても、大腿骨頭壊死の患者さんの痛みが1回の鍼灸治療で取れてしまうこと自体が驚きです。

 ですが、鍼による疼痛の緩和が、結局のところ根本的な治療にはなっていなかったわけですから、この辺の診断の難しさを痛感した症例でした。

 鍼って効くだけに難しいですね。

 

 

治療が楽しくなる鍼灸師を育てたい!

本ブログの執筆者島田 力が講師をする「やりなおし鍼灸治療学」が7月からスタートしました。

8月末に1期生の募集を終了いたしました。たくさんのご応募ありがとうございます。

2期生の募集につきましては、12月1日からを予定しております

動画配信は1月10日が初回となります。

また募集が近くなりましたらご案内をさせていただきます。

やりなおし鍼灸治療学

 

 

 

 

第1回「東洋医学を正しく理解するために必ず押さえておくべきポイント その1

第2回「東洋医学を正しく理解するために必ず押さえておくべきポイント その2

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第10回「東洋医学を理解するためのキモ、五臓六腑 その1

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第22回「東洋医学のツボをはずさないために その1経絡

第23回「東洋医学エピソードシリーズ6「ねん挫」

第24回「東洋医学のツボをはずさないために その2 ツボ

第25回「東洋医学エピソードシリーズ7「梅の種」

第26回「東洋医学のツボをはずさないために その3 経脈各論1

第27回「東洋医学エピソードシリーズ8「裏内庭」

第28回「東洋医学のツボをはずさないために その4 経脈各論2

第29回「東洋医学エピソードシリーズ9「小指で三陰交」

第30回「東洋医学のツボをはずさないために その5 経脈各論3

第31回「東洋医学エピソードシリーズ10「自然気胸」

第32回「東洋医学のツボをはずさないために その6 経脈各論4

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次回は9/12ころに公開予定。

臨床エピソードシリーズ13 「インコ」

 

鍼灸についてのお話、今回は臨床エピソードと言っていいものかどうかわかりませんが、インコの不思議な話です。

鍼灸師で日本伝統鍼灸学会の会長でもあった父の著作集からそのまま引用します。

 

1.空から舞い降りたインコ


 

島田隆司著作集

 

———– 『島田隆司著作集』より

数年前、娘がセキセイ・インコを番(つがい)で飼っていた。

妻君が病死して一週間たつと、夫君、一日一日と食欲を失い、今や余命一・二日と宣告され、朝から餌も水もついばまず、止まり木にうずくまる元気もなく、籠の隅に既に気息エンエンたる風情であった。

 

突然、わが愚妻が奇声をあげて帰宅する。

見ると両手で一羽のインコを掌に収めているではないか。

買い物の帰りに空から舞い下りて来たのをつかまえたのだ、という。

純白の地に淡いブルーを胸元に掃いた、わが家のインコ氏と瓜二つの姿をしている。

 

 

 

2.インコの百会


 

f1c27ae932de77c0499717f725b890da_s家中が見守る中で、瀕死の彼氏と、大空を自宙に飛んでいた彼女とを小生の手のひらに並べてみる。

と、いきなり元気溌剌氏がくだんの患者の眉間の一点をつつき始めるではないか。

いかにも気分よさそうにつつかせること二~三分。

 

それからである。

気息エンエン氏が猛然と食欲を発したのは。

二~三日分を一ぺんに喰べたかと思われる程、ついばんだのである。

小生もいささか興奮して「これは百会だよ、インコの百会だよ、鍼したんだよ」と。

余命いくばく氏はすっかり元気を回復し、春夏秋を二羽で飛び廻って過ごし、冬の寒い朝に死んだ。

 

 

3.人が人を治療することの意味


 

なぜ、自由に飛び廻れる瓜二つの元気なインコが、いささか運動神経の弱い愚妻の手につかまったのか、なぜ逢うと同時に眉間の一点をつついたのか・・・、小生には判らない。

ただ、空から舞い降りて来た彼氏の行為は、たしかにインコ同士の医療行為であっただろうということが出来る。

鳥の生態研究家ならば、或いは何らかの説明をつけるのかもしれない。

人間が痛むところへ無意識に手をやるように、犬は舌でなめ、軽く噛むことで手当てと同じ内容なのだろうし、鳥はくちばしでつつくことが治療行為なのだろうと思う。b4a65973c1934138ac6322fa63733510_s

しかし、鳥が他の鳥をどこで診断しどうして治療点を知るのだろうかを考えさせられた、貴重な体験であった。

———– 引用終わり

 

なかなか興味深い話だと思いませんか?

私は鍼灸治療をするときに「人が人を治療することの意味と大切さ」をいつも考えます。

治療の原点は、その人に治ってほしいという心からの気持ちです。

その想いが触れた手を通して伝わることが「手当て」なんだと思います。

 

 

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第22回「東洋医学のツボをはずさないために その1経絡

第23回「東洋医学エピソードシリーズ6「ねん挫」

第24回「東洋医学のツボをはずさないために その2 ツボ

第25回「東洋医学エピソードシリーズ7「梅の種」

第26回「東洋医学のツボをはずさないために その3 経脈各論1

第27回「東洋医学エピソードシリーズ8「裏内庭」

第28回「東洋医学のツボをはずさないために その4 経脈各論2

第29回「東洋医学エピソードシリーズ9「小指で三陰交」

第30回「東洋医学のツボをはずさないために その5 経脈各論3

第31回「東洋医学エピソードシリーズ10「自然気胸」

第32回「東洋医学のツボをはずさないために その6 経脈各論4

第33回「東洋医学エピソードシリーズ11「ばね指」

第34回「特別編「日本鍼灸の実情と今後」

第35回「東洋医学のツボをはずさないために その7 経脈各論5

第36回「東洋医学エピソードシリーズ12「鍼灸のプラス効果」

第37回「東洋医学のツボをはずさないために その8 経脈各論6

第38回「特別編「五行のオモシロさについて」

次回は8/29ころに公開予定。

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