日本の暦シリーズ2「上巳の節句」

今日は三月三日、雛祭です。
もともと「上巳(ジョウシ)の節句」といい、河で禊(ミソギ)をして穢(ケガ)れを落とす日だったんです。
なぜハマグリのお吸い物なのか、男雛と女雛の左右はどっちにするべきなのか、などについて書いてみました。
 

上巳の節句とは?

いまでは「節句」という文字を使うことが多いですが、もともとは節日に供する供御(クゴ、貴人の御膳など)を表す言葉で「節供」と書くのが正しいんですね。
 
節句は江戸時代には五節句(1/7が人日(ジンジツ)、3/3が上巳(ジョウシ)、5/5が端午(タンゴ)、7/7が七夕(シチセキ)、9/9が重陽(チョウヨウ))として、制度化された式日(当時の祝日のようなもの)のひとつです。
 
もとは「上巳の節供」「元巳」などといわれましたが、「上巳(ジョウシ)」とは旧暦三月の上旬の「巳(ミ)の日」という意味で(2018年だとこれに当たる日は新暦の3/31)、三月三日に固定されるようになったのは三国時代の魏でのこと。
 
中国古代においては、上巳の節供には河で禊ぎを行い、穢れを落とし、その後に宴を張るのが習慣だったようです。
 

雛人形にはどういう意味がある?

ところが河での禊ぎはあまり一般化しなかったようで、この日に形代(カタシロ)で体をなで、これに穢れを移して川や海へ流すと言う日本独特の行事が生まれました。いまでもこの「流し雛」の行事が残る地域がありますよね。
 
この形代が、いつの頃から公家や上流武家の間で上司への贈答の品となり、その結果「質素な形代」から「豪華な人形」へと変化していったわけです。
やがて河に流すものでなく、家に飾るようなものも作られるようになりました。
雛人形を河に流すことなく家に飾ることが主となったのは室町時代頃といわれています。
さらに一般庶民にも桃の節供の習慣が浸透し始めたのは、江戸時代
 
農民にとっては、桃の節供を過ぎると秋の収穫期まで続く農作業の季節となるので、その前にちょっと宴会気分をということでしょうか?
 

雛祭に食べるモノの意味は?

まず思いつくのが「ちらしずし」ですが、これにはいくら調べても由来がないようです(笑)
むかしから、お祝い事に「すし」を食べていたようですが、「すし」といえば普通は「なれずし」のこと。そうです、発酵させた少し酸っぱいおすしのことですね。
すしは「酸し」からきているともいわれているように、これが元祖。
でもちょっと見た目の華やかさが足りない感じですね。そこで雛祭が女の子のお節句になったころから、女子らしい食べ物を模索して、いまのような「ちらしずし」になったのかもしれませんね。
 
次にハマグリのお吸い物。平安時代などに貝合わせの遊びで使われたように、蛤は対になっている貝殻意外とはぴったり一致することがないということから貞操を、水の汚れを嫌うことから純潔を意味すると考えて、女児の節供を象徴するものとなったようです。
薬膳的にいうと蛤はカラダを冷やす「寒性」で、熱を冷まして潤すことからのどの渇きや咳を改善し、毒素を排泄することからむくみやのぼせを緩和します。
 
それから菱餅
緑、白、紅の3色の餅を菱形に切って重ねたものを飾りますが、色の意味にはいくつかの説があるようです。
緑は「健康や長寿」白は「清浄」紅は「魔除け」を意味する説と、緑は「大地」、白は「雪」、紅は「桃」で「雪がとけて大地に草が芽生え、桃の花が咲く」という意味が込められているという説があります。
緑餅は増血効果があるといわれる「よもぎ」を混ぜてつくりますし、白餅には血圧を下げるといわれる「ひしの実」を入れ、紅餅には解毒作用があるといわれる「クチナシ」で色をつけています。
 

男雛と女雛どっちがどっち?

雛祭のお内裏様とお雛様の位置関係について悩んだことはありませんか?
 
東洋医学の基本的なものの見かたである陰陽でこの左右を配分すると、左が陽で右が陰となります。
たいていのことは、陰なのか陽なのか何となくわかるものなのですが、この左右については学生時代に想像ができなくて困ったものです。
 
理由については、南を向いたときに太陽が昇る左が陽で、太陽が沈む右が陰だという説があります。
また訓読みにしたときの「ひだり」の「ひ」は火で陽「みぎ」の「み」は水で陰を意味しているという説もあります。
 
雛人形の並べ方も、本来は男=陽=左(向かって右)、女=陰=右(向かって左)が正しいはずだけれど、いまは明治以降の西洋式の並び方で男雛が右、女雛が左に並べることが多いようです。
つまりどちらでもイイってこと(笑)
 
 
上巳の節句についてみてきましたが、3日後の3/6は二十四節季の「啓蟄」です。
啓はひらく、蟄は虫などが土中に隠れ閉じこもるという意味。
例の『暦便覧』には、
 陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出ればなり
 とあります。
虫たちも土から顔を出してくる時期なんですね。
 
 

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