東洋医学ではどうやってカラダを診察するのか?(1)

わかりやすい東洋医学シリーズは、今回から「東洋医学ではどうやってカラダを診察するのか?」、つまり診察学にはいります。
初回の今回は、話の前提として診察や診断などについて書いてみました。
東洋医学と西洋医学では、この診察から診断にいたる過程が少し違っていますので、そのあたりをまずご理解ください。
 
そもそも病気を治療する場合には、まず診察し、それにもとづいて診断し、その診断に合った治療をします。
 
診察というのは、カラダの状態を詳細に診ることです。
また診断というのは、診察した結果にもとづいてどんな病気なのか、カラダがどういう状態になっているのか、などを判断することです。
 
もちろん、そういうことがわからないと治療することができないからですね。
このことはどんな医学でも共通(のはず)です。
 

1)診察と診断について(主に西洋医学の場合)

 ところで(現代の)西洋医学では、医師が患者に病気について尋ねたり、直接カラダを見たり触れたりする以外に、血液検査や尿検査、エコー、レントゲン、CT、MRIなど、いろいろな検査をします。
(これらの検査と医師が直接行う診察とをわけて考えることもあるようです。)
 
 
これらの検査は機械を使ったものが多く、そのことを理由に科学的であると感じている方も多いかもしれません。
しかし、診察や検査の結果から診断がつかない場合も、じつは少なくありません。
また診断がついたけれど、病気の原因がわからない場合などもよくあることです。
 
患者さんは普通、病名がつくと原因がわかったものだと思い込む傾向にありますが、
例えば「●●症候群(シンドローム)」という病名の場合、「こんな症状やあんな症状がある病気」といった程度の意味です。
つまり原因についてはよくわからないということですね。
 
そんな時でも薬(湿布なども含みます)が処方されること(つまり治療)が多々あります。
痛みを鎮める鎮痛薬、咳をとめる咳止め、血圧を下げる降圧剤などです。
これは、「原因はよくわからないんだけど、とりあえず症状を抑える薬を飲んで様子をみましょうね」というような意味なんです。
 
もちろん、「原因なんてかわからなくても楽になればいいんだよ」という意見もあるでしょう。
痛みに耐えたり、咳が止まらなくて眠れないのはつらいことです。
でも薬には基本的に副作用があるのですから、「楽になればいい」を続けることはとても危険な気もします。
 
そういう速効性や症状の緩和には効果があるけれど副作用もあるかもしれない治療より、ゆっくりでもカラダのバランスを整えて害の少ない治療をする方が、個人的にはおススメだと思っています。
だから私は東洋医学に従事しているんです。
 
東洋医学がすべての病気を治せるだなんて思ってはいませんし、もちろん私にもできません。
ただ、東洋医学の診察・診断・治療にいたる考え方は、以前も書いたように西洋医学とはかなり違うということを知っておいてください。
 
違うことが即、治療法や効果の優劣に関係したりはしませんけれど、そこを理解しておいていただかないと、診察と診断についての誤解が生じるので、念のため。
 

2)診察と診断について(主に東洋医学の場合)

 西洋医学の場合とは違って、東洋医学では診察した結果は必ず診断に結びつくことになっています。
ちょっと不思議な言い方に聞こえるかもしれませんが、そこのところを少し説明していきましょう。
 
 
なぜそうなっているかというと、東洋医学の診断は「」というものだからです。
この証、簡単にいうと病のタイプのようなもので、病を分類する目的もあるのでいろいろな種類があります。
 
例えば、熱があるかないかでも分類(タイプ分け)されます。
この寒熱に関していえば、証は「寒証」か「熱証」。
つまりカラダが冷えているか、熱を持っているかに分類するわけ。
まあ寒(冷え)も熱もないけど具合が悪いひともいるので、どちらでもない「平証」というのもありです。
 
虚と実という分類方法もありますし、気血水がどうなっているかとか、臓腑のうちどれが問題かなんていうタイプ分け(証)もあります。
 
つまり東洋医学では、こういった事前に決められている病のタイプのどれに入るか(つまり診断)を診察して決めているわけなんです。
ですからどんな患者さんでも、必ず診断が決まることになっています。
というより、どれかのタイプに入れてしまうわけです(笑)
簡単なタイプ分けの例でいえば、熱があるか、寒(冷え)があるか、どちらでもないかに分けるわけです。
 
西洋医学の場合には、病気の原因を究明していく過程で原因がわからない段階などでは、前述の症候群などという病名になったり病名がつかない場合もあって、そんなときは症状を緩和する薬を飲んで様子をみるということになります。
 
東洋医学の話に戻りますが、さらに診断(証を決める)ができれば、治療方針が自動的に決まります。
先ほどの例でいえば、冷えていたら治療方針は「カラダを温める」ということに自動的になるんです。
もちろん誤解を生まないために説明を加えておくと、鍼灸の場合、「温める」とは必ずしもお灸をするという意味ではありません。
 
どうです? なんだかすごく簡単でしょう?
これが東洋医学の診察と診断の関係です。
 
ただし、温めるのにどんな漢方薬を処方するか、あるいはどんなツボとどんなツボを使ってどのくらい刺すかなどは、その先生の腕次第(あるいはさじ加減)ということになりますので、誰でも同じような結果を出せるというわけにはいきませんが……。
 
続きは次回。
 
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