東洋医学的日々雑感2 「スポーツの秋」を東洋医学で考えると?

 

やっと、秋ですね。

秋の長雨といっても長すぎるほどの雨と、夏が戻ったような暑さとが一段落して、ようやく秋らしくなってきました。

食べものは美味しいし、暑くも寒くもなくて過ごしやすいし、動くにはこれ以上ない季節なので「スポーツの秋」なんて言われていますけど、東洋医学的にみるとそれってどうなんでしょう?

ということで、スポーツを東洋医学してみました。

 

 

1.スポーツは、体を動かすことを楽しむためのキッカケ?


 

結論からいうと、東洋医学的にはからだを動かすと気血がめぐるので、健康のために良いということになります。気血は流れが滞るとよくないので、からだを動かしてめぐらせることが大事なんです。

ただ、やり過ぎは良くない。東洋の考え方では「過ぎたるは及ばざるが如し」です。

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普段の生活のなかでからだを動かせと言われても、なかなか面倒でできません。それを楽しく、自ら進んでからだを動かすためにスポーツは最適です。だって楽しいもの!

だから、楽しむくらいがちょうどイイわけで、ツラいのはダメです。

痩せるためだとか、健康になりたいからとか言って、イヤなランニングをツラいのに毎日続けるなんているのは、やめましょう!

 

東洋医学的に考えると、つらいとストレスがたまり、それが気の停滞につながり、イライラしたり怒りっぽくなるか、ウツっぽくなるという精神状態に発展すると考えます。

楽しいから続けられるという、自分に合ったスポーツを見つけましょう!

 

 

2.五労? 頑張り過ぎないこと!


 

東洋医学の大切な考え方である五行のなかに、「五労」というのがあります。

久行、久視、久坐、久臥、久立のことで、それぞれ肝、心、脾、肺、腎という各臓に悪く働くというのです。

表にするとこんな感じです。

 

五臓

五労

久行

久視

久坐

久臥

久立

 

久というのは「ずっと~している」という意味。

歩き過ぎると肝に悪い、テレビやパソコンをずっと見ていると心に悪い、ずっと座ったまま仕事をしていると脾に悪い、ずっと横になっていると肺に悪い、ずっと立っていると腎に悪い、となります。

 

「じゃあどうすればいいんだ」と思ってしまいますが、何ごともやり過ぎはよくないということです。

そういう意味では、ツラいのを我慢してやるスポーツも、ずっと頑張りすぎるのも良くないんですね。

適度に、適当に、楽しくやりましょう!

 

 

3.季節ごとに過ごし方は違う


 

ときどき書いていますように、東洋医学では健康のためには季節に合った生活をするように勧めています。

第42回「暑さ寒さも彼岸まで?」でも秋の過ごし方をご紹介しましたが、秋は万物が実をむすぶ季節です。

 

夏は暑いので、気は発散する外向きに働いていましfb5f7ac2fb3089df0ee95c6d682ffc7d_sたが、秋になると涼しくなるので、寒い冬に向けて内向きの方向性に気が流れるようになります。

夏の皮膚は汗をかいてからだを冷やそうと開いていますが、秋になると寒さに備えて閉じてきます。するとその分、鼻や喉にかかる負担が増えるんですね。だからこの時期には鼻や喉の不調が多くなるわけです。

秋にスポーツをするときは、鼻や喉を労わると同時に、汗をかいた後はすぐに拭いてからだを冷やさないように注意しましょう。

 

正直に言うと、東洋医学的にはこの時期は激しい運動を避けて、身も心を少しおとなしくして、ゆったりと過ごすのが自然と調和する方法なんです(笑)

 

さらに付け加えておくと、秋に対応する気分は「憂」と「悲」。

なんとなく憂いや悲しみといった気持ちを感じやすいということです。秋って感傷的になりがちですよね。

ただ、こういう感情が強くなると肺を傷つけてしまいますので、気をつけましょう。

 

 

4.『養生訓』を覗いてみよう


 

最後に江戸時代の養生の名著、貝原益軒の『養生訓』をすこし覗いてみましょう。

とにかく動くことを推奨していますね。関係のありそうな部分を引用しておきます。%e9%a4%8a%e7%94%9f%e8%a8%93

 

養生の術は、努力すべきことをよく努力して、からだを動かし、気を循環させるのをよしとする。

努力すべきことを努力しないで寝ることを好み、からだを休め、怠けて動かないのは、養生にたいへん悪い。

ながく楽な姿勢で坐り、からだを動かさないと、元気が循環しないで、食気がとどこおって病気になる。

とくに寝ることが好きで、眠りが多いのはいけない。

食後にはかならず、数百歩あるいて気を循環させ、食べたものを消化させることだ。

横になって眠ってはいけない。

(養生訓/貝原益軒)

 

食後の運動というのは、現代医学的には2つのメリットがあると言われています。

ひとつは、食事でとり過ぎたエネルギーを消費すること。

もうひとつは、消化をゆっくりさせて、血糖値の急激な上昇を抑えること。貝原先生の考えとは逆に、動くと消化が進みにくくなるんですね。

どちらもからだにいいことですので、食後にゆったりと散歩するなんていうのはおススメです。

 

ちなみに、肥満度や歩く能力は過去の運動経験には関係なく、いま運動をしているかどうかにかかっているという結果が、スポーツ庁がまとめた2015年度の体力・運動能力調査からうかがえます。

同調査では、学生時代に部活動などをしていなくても「運動を始めるのに遅いということはない」としています。

 

 

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第1回「東洋医学を正しく理解するために必ず押さえておくべきポイント その1

第2回「東洋医学を正しく理解するために必ず押さえておくべきポイント その2

第3回「東洋医学を正しく理解するために必ず押さえておくべきポイント その3

第4回「東洋医学のベースにある2つの考え方 その1

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第6回「ほんとうの自分の干支を知っているひとは意外に少ない?!

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第45回「臨床エピソードシリーズ15「ガンに対するお灸の効果」

次回は10/24ころ公開予定

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