東洋医学的日々雑感21 「老後」についていまから考えておくべきこと(3)

前々回前回に引き続き今回はいよいよ核心に入ります。
東洋医学的に考えるスローエイジングについてです。
これから老後について向き合う必要がある方には読んでいただきたいです。
 

3.老化を遅らせる方法=スローエイジング


(2)東洋医学的な考え方

 ・老化にかかわる臓

東洋医学でもっとも老化に関わる臓といえばそれは””です。
現代医学でいうところの、血液から余分な老廃物や水分をろ過して
尿をつくっている腎臓とは、少しとらえ方が違います。
 
腎は以前学んだように、成長、生殖、老化などに大きくかかわり、
耳、髪、骨、歯などとの関連が強い臓です。
もちろん全身の水の流れをコントロールするという働きもありますし、
気血をつくりだす元になる生命力の根源である”精”をしまっています。
 
東洋医学では、この「精が減ること=老化」と考えられています。
精が減ると、耳の機能低下(耳が遠くなる)や白髪・抜け毛、
骨や歯がもろくなる、足腰が弱るなどの症状が起こります。
  

健康に歳を取るということ

いくら長生きしても、カラダ中にチューブをつながれていて、
身動きもできない状態だったら嫌だなぁと考える方は多いでしょう。
 
そういう意味では、東洋医学的な健康観はとても参考になります。
健康を一言でいうと◯ということです。
 
えっ◯? そう丸です。
いびつでないし、欠けてもいないということです。
つまり、バランスがいいという意味。
 
東洋医学はバランスを重視します。
陰陽のバランス、五臓のバランス、精神や感情のバランス、気血水のバランス……。
バランスの取れたいい形が◯なんですね。
丸の大きさが大きくなくても、丸であればいいんです。
若くて元気な人は大きいけれど、大きくてもいびつだったり欠けていたら意味がないわけです。
  

死をどうとらえるか?

そして年齢とともに徐々に◯が小さくなっていって、最後には消えてしまいます。
それが「死」ですね。
これが人の一生ということです。
 
人間は致死率100%の生き物です。
少しずつ死に向かっていくのが当たり前なんです。
 
若い人とお年寄りでは、体力も違いますし、食べる量も体温も血圧も違います。
それを同じ基準で見るというのは間違っています。
 
例えば、歳をとれば血圧は高くなってくるのが普通なんです。
だって、だんだん血管がもろくなって弾力がなくなるし、
内側に少しずつゴミが溜まって細くなるんですから。
 
だから、若い人と同じようにできることがイイことではなくて、
歳なりにできなくなることはあるけれど、バランスがいいのが健康です。
 
そのために必要なのが養生法です。
食べ過ぎない、いい空気を正しく吸う、動ける範囲でよく動く、早寝早起きをする、なんてことが重要。
これらは腎にたくわえられている精を浪費しないということにもつながります。
 
そう考えると、ピンピンコロリというのとは少し違いますね。
だって、いままでピンピンでいてコロリと死ぬって、普通はあり得ませんから。
少しずつできないことが増えていって、だんだん動けなくなって、最後は眠るように死ぬ
これが自然な生き方であり死に方でしょう。
  

恬憺虚無という考え方

ところで、このブログのタイトルにもなっている「恬憺虚無」という言葉があります。
東洋医学の基本となる古典『黄帝内経』の『素問』第一篇上古天真論にある言葉です。
 
「恬」は静、「憺」は安という意味で、「恬憺」とは閑(しず)かで清静なこと。
「虚無」は邪(よこしま)な考えがないということ。
つまり心が安静で欲をかくことがなければ病気にならないということで、
病気にならないためのこころの持ちようの基本的な考え方です。
 
スローエイジングのキモは、
こころを閑かで安らかにし、万人が老いて死ぬことを受け入れ、そのなかで楽しみながらでできることをする
ということなのかもしれません。
 
高齢者の将来に対する不安の上位は健康問題です。
貯えをたくさんするよりも、健康で自分のことが自分でできる時間を延ばすことの方が大切だと思います。
 
東京大学高齢社会総合研究機構の秋山弘子特任教授の研究では、
約8割のひとが70代半ばから徐々に衰え始めるというパターンに当てはまるそうです。
また男性の2割、女性の1割は70歳前に死亡または自立機能を喪失します。
 
そこで、健康で長生きするため対策は以下の2つだといいます。
生活習慣を改善して(70歳までの) 若死にを避ける
大半のひとは緩やかに老いていくという現実を受け止める
 
さあ、皆で東洋医学の知恵をつかって健康に長生きするための準備を始めましょう!
 
 

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