「カラダの診かたについて、私が最近考えていること」臨床エピソード22

私は鍼灸師です。
そして東洋医学をいろいろなひとに伝える仕事をしています。
今回は、そんな私がカラダの診かたについて最近考えていることを、少し書いてみます。
未だに結論までは出ていないのですが、とても大切なことだなのでずっと考え続けています。

 

1.バランスの医学


 
よく、「東洋医学はバランスの医学」だと言われます。
 
カラダのバランスの崩れを調えることで、健康を手に入れることができるというわけです。
病気という形になっていなくても、少しバランスの崩れている状態で調えてしまおう
という考え方(治未病)もここにつながります。
 
前回、「老後についていま考えておくべきこと」のなかでも書いたように、
大きさよりも〇(マル)であることが大切だという考え方です。
 
では、その「崩れるているバランス」って何のことでしょうか?
ふつう東洋医学的には、
寒熱のバランス(カラダが冷えているのか熱があるのか)とか、
虚実のバランス(カラダに不足しているものがあるか、余っているまたは停滞しているものがあるか)
ととらえます。
 
もちろんそれを陰陽や臓腑の問題に落とし込んでいって、
さらにその把握した内容を経絡やツボ、漢方薬などに結び付けて調えるわけですね。
 
診断という意味では、顔色、舌、脈、お腹、痛い場所などでそのバランスの崩れの状態を判断したりします。
だから、痛いところに触らなくても痛みが取れたりするんです。
 
私の場合は、それ以外にもカラダの上下、左右、前後のバランスを診るようにしています。
カラダを立体的にとらえたときに、どこが問題になっているかをチェックすることで、治療の参考にするためです。
 
 
先日、「やりなおし鍼灸治療学」という鍼灸師向けのセミナーの実技スクーリングをやりました。
そこでこの考え方を使った治療点(つまりツボ)の探し方をレクチャーしたのですが、
そのとき、たまたま被検者になったひとのしつこい右肩の痛みが、左の足に小さな粒を1つ貼るだけで意図せずに取れました。
 
参加者からも後日、「この考え方で患者さんの痛みが簡単に取れました!」という声が届きました。
でも、こういうことは鍼灸の臨床では当たり前のようにあることなんです。
どちらかというと、痛いところに触らない方が良くなることが多いかもしれないくらいです。
 
そういう意味で正しく使うことさえできれば、鍼灸というか東洋医学はすばらしい医学です。
 
 

2.最近、気になっていること


 
けれど最近、上に書いた以外のバランスのことがとても気になり始めてしまいました。
それは「心のバランス」です。
 
東洋医学は心身一元論にもとづいています。
心とカラダは一体であるという考え方です。
カラダが病めば心を病むし、心を病めばカラダが病むということです。
 
よくあるアプローチとしては、
カラダが楽になることで心のバランスの崩れが解消していくというパターン。
うつの患者さんなどは、こんなパターンで治っていく場合が多いように感じます。
 
ところが逆に心のバランスが崩れて病になっている場合、
これをどう治療していくのかということが問題になります。
 
 
心の中に怒りだとか悲しみだとかを根深く抱え込んでいることが原因で病んでいる方は多いです。
ものごとに対する考え方の方向性が間違っていて、それが病を生み出していると思われる方もたくさんいます。
 
ガンや糖尿病などのいわゆる生活習慣病といわれている病気のなかにも、
というよりそういう病にこそ、こういった心のバランスの崩れが多いことが患者さんを治療していてわかります。
 
もちろん、改善すべき生活習慣には食事、起居、仕事などさまざまなものがありますが、
もっとも重要なのはものの考え方や心の使い方ではないのか?
それを変えてもらうようにすることで病から解放されるのではないか?
そんな疑問が膨らんできました。
 
そこで自分自身の臨床を振り返ってみることにしました。
難病とか生活習慣病などが治った場合には、そういう心のアンバランスに自然に対応できていたのではないか、
ということに気づきました。
 
「これはキチンとシステム化・言語化しなければならない」という思いが沸々と湧いてきました。
心のバランスの崩れをどう見つけ出して、それに対してどのようにアプローチしていくのか?
それを東洋医学という枠にとらわれずにシステム化しながら、同時に治療の中で検証していく。
 
いまそんな作業に没頭しているので、ブログのペースが少し落ちています(笑)
どうか温かく見守ってください。
 
 

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