東洋医学の使い方~アロマセラピスト篇 - 香りと健康の関係について、東洋医学的に考えてみた -

 

東洋医学の使い方の3回目の今回は、「香りと健康の関係について、東洋医学的に考えてみた」です。

アロマセラピーは香りを使った自然療法で、東洋医学と同じく“代替療法”に分類される治療法です。

東洋医学にも香りに関する考え方が古典の記述にあって、そのあたりを参考にするのも面白いかもしれません。

また香りということで言えば、日本には古来、香道という日本独自の香りの楽しみ方があります。そんなことについて、少し書いてみます。

 

 

1.アロマセラピーって?


アロマセラピーは芳香療法ともいわれ、精油(エッセンシャルオイル:揮発性の植物由来の油)を使って病気の予防・治療、リラクゼーションなどを目的とする療法です。

 

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日本アロマ環境協会のホームページには、以下のように定義されています。

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アロマテラピーは精油を用いてホリスティックな観点から行う自然療法である。

アロマテラピーの目的は以下の通りである。

  1. リラクセーションやリフレッシュに役立てる。
  2. 美と健康を増進する。
  3. 身体や精神の恒常性の維持と促進を図る。
  4. 身体や精神の不調を改善し、正常な健康を取り戻す。

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現在では、美容を目的としエスティックサロンなどで行われる「エステティック・アロマセラピー」と、病気の治療や予防、症状の緩和を目的とし、医療、看護、介護で行われる「メディカル・アロマセラピー」の2つの領域に大別されているようです。

 

嗅覚は感情に密接に結び付いた基本的な感覚です。

精油の芳香成分は鼻で感知されて、嗅覚刺激として脳の中でも原始的な部分である大脳辺縁系に到達するわけです。だから、臭いと過去の記憶などが結びついているという経験は誰しも持っているだろうし、自分にとって心地よい香りを知っていて、リラックスするために使っている方も多いかもしれません。

そんなアロマセラピーの使う香りと東洋医学ということについて、少し考えてみました。

 

 

2.東洋医学のなかの「香り」


五臭について

二千年以上前に書かれたとされる東洋医学の古典『素問』の第四番目の篇である金匱真言論、に五行に対応する“臭”として「臊、焦、香、腥、腐」というのがあります。

臊(ソウ)はふつう「あぶらくさし」、焦(ショウ)は「こげくさし」、香(コウ)は「かんばし」、腥(セイ)は「なまぐさし」、腐(フ)は「くされくさし」と読まれます。

五行と内容を表にすると下のようになります。

東洋医学的な診断では、これらの体臭が現れるのはそれに対応する五臓の調子が悪くなった時だとされています。

 

五行

五臓

五臭

読み

あぶらくさし

こげくさし

かんばし

なまぐさし

くされくさし

意味

獣の肉の臭い

肉の焦げる臭い

キビの甘い香り

生魚の臭い

腐敗臭

 

『養生訓』では?

日本においては、江戸時代に『養生訓』(←現代語訳がいろいろ出版されています)を記したことでも知られる本草学者であり儒学者でもある貝原益軒(1630-1714)が、『大和本草』という著書の中で五臭について記載しています。

ちなみに『養生訓』のなかの香りに関する記述には、こんなものがあります。

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【香りを付け、悪臭を消し、毒を去って、食欲を増すものがある】

生薑、胡椒、山椒、蓼、紫蘇、生蘿蔔(だいこん)、生葱など、食の香気を助け、悪臭を去り、魚毒を去り、食気をめぐらすために、その食品に相宜しからき物を、少づゝ加へて毒を殺すべし。多く食すべからず。辛き物多ければ気をへらし、上升し、血液をかはかす。

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「悪臭のするものは食べてはならない」ということが繰り返し書かれていて、臭い消し、毒消しとして生姜、胡椒、山椒、蓼(「蓼食う虫も好き好き」のあのタデ。特有の香りと辛味を持ち、香辛料として薬味や刺身のつまなどに用いられる)、紫蘇、ダイコン、葱などを挙げている。

 

 

3.香道って興味深い!


%e9%a6%99%e9%81%932日本には古来から、香りを楽しむ独特の文化として「香道」というものがあります。

以前から興味があったので、いろいろと調べてみたことがあります。

香道の世界では香木を炷(タ)いて(香道では「焚く」ではなく「炷く」と書きます。東洋医学で、お灸のもぐさをひねった円錐形のものも同じ字を使って「艾炷(ガイシュ)」と書きますね)香りを楽しむものです。

香木は全て“六国五味”という基準で分類します。

六国とは香木の種類のことで、伽羅(キャラ)、羅国(ラコク)、真南蛮(マナバン)、真奈伽(マナカ)、佐曽羅(サソラ)、寸門多羅(スモンタラ)の六つ。

五味とは、香りの特色を味覚に例えて表現したもので、いわゆる東洋医学で使う“五味”の甘、苦、辛、酸、鹹(シオカライ)です。

香道では、香木の香りを聞いて鑑賞する聞香(モンコウ)と、香りを聞き分ける遊びである組香(クミコウ)の二つが主な要素だそうです。

東洋医学でも患者さんの体臭などを嗅いで診断する診察法を聞診といいますね。

この五つの臭いは“五臭”といわれますが、香道においては香を「聞く」と表現するのが正式であり、「嗅ぐ」という表現は不粋とされているらしいです。

 

なんだか香道の世界を見てみたく、いや聞いてみたくなりました(笑)

 

 

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第1回「東洋医学を正しく理解するために必ず押さえておくべきポイント その1

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次回は11/28ころ公開予定

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