東洋医学のツボをはずさないために その8

 

今回は、足の少陽胆経と足の厥陰肝経の2本について見てみる。

この2本の経脈と関連が深い臓(肝)と腑(胆)は表裏の関係にあって、結びつきが強いと考えられている。

西洋医学的にみても肝臓と胆嚢はつながっているし、場所も隣り合っているので、関係が深いのは納得できるかもしれない。

 

      目次
1.胆と肝にかかわる経脈
 1-1.足の少陽胆経
 1-2.胆について
 1-3.足の厥陰肝経
 1-4.肝について
 1-5.古典にある経脈図

 

 

1.胆と肝にかかわる経脈


 

 今回は足の少陽胆経と足の厥陰肝経の2本を紹介する。

 このふたつの経脈にかかわる臓腑である胆と肝は、五行では同じ「木」の行に属していて、陰陽の関係になっている。

 

足少陽胆経

1-1.足の少陽胆経

 

足の少陽胆経の流れているルートは、右図のとおり。この経脈のツボの数はなかなか多くて44穴。

緑色のラインがツボを結んだルートだ。おもにからだの側面を頭から足まで通っている。

細かく見ていくとちょっと複雑なので、下に図をつくってみたので見てほしい。

胆経は三焦経から脈気を受けて目尻に起こり、耳の後ろをめぐって、首を下り、鎖骨の上にでる。

支脈のひとつは耳の後ろから耳のなかへ入る。

鎖骨の上から体内に入る流れは胸、肝、胆とめぐり鼡径部から陰部に出て、股関節で本流に合流する。

本流は脇の下から股関節をへて、下肢の外側を下がり、足の甲で第1指へいくラインと第4・5指間にいくラインとに分かれる。

 

 

1-2.胆について

スライド1

胆は六腑に属しているが、臓腑以外の特殊な器官をまとめた“奇恒の腑”(キコウノフ)というものにも属している。

その理由は、形は腑に似ているが、役割としては臓と似ているところからきているらしい。

またオモシロイことに、東洋医学では胆は“決断力”と関係が深いと考えられている。胆が弱ると「決められない」ということになる。

お店でお昼のメニュー選びに悩んでいるあなた、胆が弱っているのかもしれない。

 

 

 

足厥陰肝経

1-3.足の厥陰肝経

 

足の厥陰肝経の流れているラインは右図のとおり。黒色のラインが体表のツボをむすんだラインだ。

上述した足の少陽胆経の流れを受けて、足の第1指外端から起こり、下肢の内側を上り、陰毛の中に入り、生殖器をめぐって、側腹部、胃、肝、胆とめぐる。

さらに食道、気管、喉から目をめぐり、額から頭のてっぺんの百会というツボにいたる。

目から分かれた支脈は、頬と唇の内側につながる。

肝から分かれた支脈は、肺から初めの手の太陰肺経へとつながる。

経脈の流れる方向は足の指先から体幹・頭部の方向にむかっている。

 

 

1-4.肝について

 

肝という字は、左側は肉づき、つまりからだのなかの部位を指し、右側は干、つまり幹のこと。だから肝腎要(カンジンカナメ)と言うように、肝と腎はからだの幹であり要なのだ。

肝については第11回に詳しく書いたように、気の流れに関係が深い臓だ。肝の状態が悪くなると、気の流れも悪くなるわけ。

さらに言うと、気の流れが悪い状態を放置しておくと、血も水も流れが悪くなることが多いので、注意が必要だ。

また、目、筋とも関係が深いということも覚えておこう。

 

 

1-5.古典にある経脈図

 

最後に古典にある経脈図を載せておく。

経脈ごとの図で、いずれも『類經図翼』にある図だ。

足少陽胆経_類経図翼

足厥陰肝経_類経図翼

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

治療が楽しくなる鍼灸師を育てたい!

本ブログの執筆者島田 力が講師をする「やりなおし鍼灸治療学」が7/10からスタートしました。

受講料は月々15,000円
オンライン動画でスマホ・タブレット・パソコンで視聴できるのでいつでもどこでも学べます。
テキストは講師も執筆している『新版 東洋医学概論』

1期生は1年間のオンライン講座終了後に受講できる実技スクーリング(3日間)

9万円 → 7万円で受講できる特典つき(1期生のお申し込みは8月31日まで
お申し込みはお早めに

やりなおし鍼灸治療学

 

 

 

 

第1回「東洋医学を正しく理解するために必ず押さえておくべきポイント その1

第2回「東洋医学を正しく理解するために必ず押さえておくべきポイント その2

第3回「東洋医学を正しく理解するために必ず押さえておくべきポイント その3

第4回「東洋医学のベースにある2つの考え方 その1

第5回「東洋医学のベースにある2つの考え方 その2

第6回「ほんとうの自分の干支を知っているひとは意外に少ない?!

第7回「東洋医学を正しく理解するために絶対に知っておくべき気血水のはなし その1

第8回「東洋医学を正しく理解するために絶対に知っておくべき気血水のはなし その2

第9回「東洋医学を正しく理解するために絶対に知っておくべき気血水のはなし その3

第10回「東洋医学を理解するためのキモ、五臓六腑 その1

第11回「東洋医学を理解するためのキモ、五臓六腑 その2

第12回「東洋医学を理解するためのキモ、五臓六腑 その3

第13回「東洋医学エピソードシリーズ1「鍼灸がこんなことに効くって知ってました?」

第14回「東洋医学を理解するためのキモ、五臓六腑 その4

第15回「東洋医学エピソードシリーズ2「肺癌末期の女性患者について」

第16回「東洋医学を理解するためのキモ、五臓六腑 その5

第17回「東洋医学エピソードシリーズ3「サンフランのエイズ患者」

第18回「東洋医学を理解するためのキモ、五臓六腑 その6

第19回「東洋医学エピソードシリーズ4「家内の胃の痛み」

第20回「東洋医学を理解するためのキモ、五臓六腑 その7

第21回「東洋医学エピソードシリーズ5「拒食症」

第22回「東洋医学のツボをはずさないために その1経絡

第23回「東洋医学エピソードシリーズ6「ねん挫」

第24回「東洋医学のツボをはずさないために その2 ツボ

第25回「東洋医学エピソードシリーズ7「梅の種」

第26回「東洋医学のツボをはずさないために その3 経脈各論1

第27回「東洋医学エピソードシリーズ8「裏内庭」

第28回「東洋医学のツボをはずさないために その4 経脈各論2

第29回「東洋医学エピソードシリーズ9「小指で三陰交」

第30回「東洋医学のツボをはずさないために その5 経脈各論3

第31回「東洋医学エピソードシリーズ10「自然気胸」

第32回「東洋医学のツボをはずさないために その6 経脈各論4

第33回「東洋医学エピソードシリーズ11「ばね指」

第34回「特別編「日本鍼灸の実情と今後」

第35回「東洋医学のツボをはずさないために その7 経脈各論5

第36回「東洋医学エピソードシリーズ12「鍼灸のプラス効果」

 

次回は8/15ころに公開予定。

TOPに移動

Back to Top ↑