臨床エピソードシリーズ19 昭和の名人の技 その4 足底のツボ

鍼灸についての臨床エピソード、父のことを書いた原稿(今回は多少改訂しています)をシリーズでお送りしています。

第1回第2回第3回はこちらから。今回は4回目です。

 

内容としては主に父の考えた「足底のツボ」についてです。

 

7)足底穴


 

父が恩師の丸山先生のヒントをもとに考えた「足底穴」というのがあります。

以前、足底には正式なツボは1つしかないと書きましたが、じつは特定の症状に効くツボはいろいろあります。

日本経絡学会(現日本伝統鍼灸学会)誌に載った論文からこのツボについて一部を引用してみましょう。

 


発表する足底穴は図示するように中足指節関節後緑にあり、とくに第一中足指節関節部には太陰点・厭陰点・少陰点と称する三穴がある。

第二中足指節関節部を陽明点、第四中足指節関節部を少陽点、第五中足指節関節部を太陽点と仮称する。

つまり足の三陰三陽経に関連性を持つ六穴である。

(「足底の穴について-厥との関連を考えながら-」、日本経絡学会誌第5巻6号、1978年)


 

父は治療でこの足底穴をよく使っていました。

足の三陰三陽経の経脈の病証と考えられる病態に対して、六部定位脈診を基準に使っていたようです。

一般の方もお読みになっているので、少し説明を加えましょう。

 

足には陰の経脈が3本と陽の経脈が3本とおっています。

それぞれ特定の臓腑とつながっていて、カラダの不調があるとそれに関連した経脈に反応が現れ、逆にその経脈を治療することで効果が期待できるのです。

どの経脈の病かを手首の脈で判断し、それに応じた足裏のツボで治療するというシステムです。

指先でコリコリとした反応を探して灸点を下ろし(お灸をする場所を体表上に印をつけること)、そこに私が熱くなるまで何壮でも灸(米粒の半分くらいの円錐形の熱いお灸です)をすえるわけです。

一箇所で百壮を超えることなどしょっちゅうでしたので、お蔭でかなり施灸の手際は良くなりました(笑)。

 

この足底穴は私も最近はよく使用しています。

実は以前はあまり興味がなく、まったく使用していない時期もあったのですが、あるとき教え子から「先生、お父さんの足底穴は治療でかなり使える優れものですね。」と言われ、改めて使ってみるとこれがなかなか効果が高かったんです。

例えば坐骨神経痛の症状がなかなか取れないときなどにこれらの足底のツボの反応を丹念に診ていくと、太陽点か少陽点にかなりの圧痛があり、そこに透熱するまで施灸することで症状が劇的に変化したりします。

興味のある鍼灸師の方は、是非とも使ってみてください。

私にとっても臨床には欠かせないツボになりました。

 

ちなみにこの論文に掲載された足底の図は、父の手描きです。

父の臨床のお話、次回が最終回になります。

 

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