東洋医学では病気の原因をどう考えるのか?(8)

東洋医学では病気の原因を次の3つに分類していることは、以前にご紹介しました。
・外因:六淫つまり季節特徴が病を引き起こすもとになる
・内因:飲食の不摂生、過労や怠惰、性生活の不摂生、七情(感情の異常な昂ぶりや長期間の継続など)
・不内外因:水の停滞、血の流れの悪さ、外傷(ケガ、火傷、虫刺されなど)
 
このうち外因については終了(東洋医学では病気の原因をどう考えるか?(1)(7))しましたので、今回からは内因に入ります。
 
    目次
内因:生活要因や精神的要因などが病気の原因となる場合
 A. 飲食不節:不適切な食事や飲水
—————————————- 以下次回以降
 B. 労逸:労倦と安逸のこと
 C. 房事過多:性生活に節制がない
 D. 七情の失調:突然・強い・長期の精神的な刺激
 
 

A. 飲食不節


不節とは不摂生のことで、つまり食事の不摂生が病の原因になるということ。
不摂生にはいろいろなタイプがあって、不足、過剰、不衛生、偏食などです。
病気の原因としては、自己管理で十分に防げる部分ですね。
これらをひとつずつみていきましょう。
 

(1)食事量の不足

食べたものがそのひとのカラダをつくる」とはよく言われることですが、
実際、患者さんや周囲のひとたちをみていて、その通りだとという思いが強くなります。
 
西洋医学でも生活習慣が原因だといわれる病名をつけておいて、
対処としては投薬のみで生活指導(その中心となるのは当然食事指導のはず)はせずに、
言わばほったらかしにしている医師もたくさんいますが、それで良くなるはずがないですよね。
医師の本来の仕事とは、薬を出すことだけではないはずですが…。
 
東洋医学的には、食べ物つまり「水穀」はカラダに必要な気血水をつくる元なのです。
現代人では極端なダイエッター以外には全体量が不足しているひとはあまりいませんが、
食事量が少なすぎると気・血・水が不足して様々な病が生じます。
 
例えば、気が不足すればエネルギー不足になったり、精神に影響が出たりしますし、
血が不足すればカラダの各所に栄養が運べなくなって不調が出ますし、
水が不足すれば潤いがなくなったり、冷やす力が落ちてカラダが火照ったりといった具合です。
 
ですから極端に食べる量を減らして痩せようとすると、いろいろなカラダの不調に見舞われることになります。
逆に言えば、その不調がどんな内容かによって、不足しているものが何かがわかります。
 
 

(2)過食

現代では過食が病気の最大の原因と言っても過言ではないでしょう。
しかも個人的な意見を言えば、糖質がもっともカラダにとって危険な食べ物です。
そのことはちょっと勉強すればわかります。
しかも、とても論理的に納得できるはずです。
東洋医学的にみても、血や水の停滞を生むので良くないことがわかります。
 
それでもヤメられないひとが多いのは、習慣性、常習性があるからでしょう。
ある意味、脳にダマされているというわけですが、やめるには意志力も必要になります。
これだけ大量に糖質を摂り、これだけ動かなければ、当然のように病気になります。
東洋医学の話から逸れていってしまいそうなので、糖質についてはこの辺りでやめておきます。
 
食べ物を食べ過ぎると、飲食物が体内に停滞し、キチンと消化することができなくなり、
食滞」という状態を引き起こすことになると、東洋医学では考えます。
その結果として、いろいろな症状が出たり、胃腸(正確には「脾胃」といいますが)の機能低下が起こったりします。
 
例えば脾という臓は、消化吸収以外にも血が漏れないようにしたり、
清らかな気をカラダの上部に運んだり、様々な下垂を防いだりする働きがあります。
機能低下ということは、これらの働きが悪くなるということを意味しています。
 
さらには、臓と精神は強い結びつきがあります。
つまりカラダとココロはひとつなのです。
このことは当然のようにご自分のこととして実感できると思います。
カラダが病めば当然、ココロも病みます
 
そういったいろいろな理由で、食べ過ぎは良くないわけです。
ではどうしたらいいかというと、
ゆっくりよく噛んで食べて、腹一杯になる手前でやめる」。
これが健康になるための食事の基本です。
もちろん体調に合わせて、食べるべきもの、控えた方がいいものはありますが、
それは個々の体調によって様々なので、ここでは触れません。
 
「日本人の食事摂取基準」で国(厚生労働省)もかなり前から言っています。
現在の日本人の食事は、もう何かが足りないのではなく、過剰に摂り過ぎている、と。
 

 

(3)不衛生な飲食物の摂取

昔の中国(つまり二千年くらい前)では、不衛生なものを食べるということが、病気の原因になっていたんですね。
現代の日本ではこれはほぼないでしょう。
衛生環境が整ったせいで、人類の寿命は格段に伸びたわけですから。
 
今回はここまで。
 
 

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