「東洋医学×分子栄養学」から見た、本当に大切な胃腸についての基本のキ その2

前回は、胃酸の出が悪いことでさまざまな問題が起こるというお話でした。
具体的には、タンパク不足、ミネラル不足、腸内環境の悪化、アレルギー、エネルギー不足、メンタルの不安定などです。
 
今回は「ではどうしたらいいのか?」ということについて書いてみます。
胃にイイ食べ方についても書きますので、是非参考にしてみてください。

■ 病の本質を改善する

「胃酸の出が悪い」、そこでどうするか?
ふつうに考えると「胃酸を補助する薬を服用する」などとなりそうですね。
結構、日本人は薬好きですから。
 
ところで、胃酸を補助する薬といわれて一般的な胃薬を想像していませんか?
では果たして胃薬は胃酸を補助してくれるのか?
答えは、基本的にNoです。
 
ここでちょっと胃薬について簡単に解説しますね。
胃薬には基本的に2種類あります。
ひとつは攻撃因子を抑制する薬で、もうひとつは防御因子を増強する薬。
 
初めの方は、攻撃因子(つまり胃酸のことね)を減らしましょうという薬です。
ですから胃酸を抑えるか中和する働きで胃を保護しようということです(ですから制酸剤とかいわれます)。
もうひとつは防御因子(つまり胃の粘膜のこと)を強くして胃を保護しましょうという薬です。
 
で、ふつう胃薬として処方されるのは胃酸を抑制する系統の制酸剤の方です。
ということは、さっきの胃酸の出が悪い場合に飲むと、逆効果ということになりますね。
 
話を戻します(笑)
どちらにしても、胃薬は原因にアプローチしていませんよね。
つまり対症療法でしかないんです。
しかも薬には基本的に副作用があるので、できるだけ飲まないほうがいいですね。
皆さん、ちょっと気軽に飲みすぎる気がします。
 
「足りないビタミンやミネラルをサプリメントでとる」というのは、血圧が高いから降圧剤を飲むとか、糖尿病だからインスリンを打つとか、熱があるから解熱剤を飲むとか、もっというと疲れているからドリンク剤を飲むのと同じで、まったく原因に対処していないです。
それじゃダメなんです!!
 
確かに足りない栄養素を取ると、元気になります。
それは当たり前ですよね。
足りていないものをその場限りで補うんだから。
でもそれだと、一生そのサプリを飲み続けることになりはしませんか?
一生ドリンク剤を飲み続けることになりませんか?
それではあまり意味がないですよね。
 
薬よりはマシかもしれないですけど、原因が改善されていないからダメです。
前回書いた「本治」になってない。
 

■ 胃酸を助ける食べ方

 だから私の場合は、患者さんにアドバイスして胃酸の出を助けるような食事の工夫をしてもらっているわけです。
これも原因を解決してはいないんですけど(笑)、食習慣として身につけることには意味があると思っています。
例えば次のようなことです。
 
・食前にレモン水や酢の物、梅干しなどを取る
・食前にパセリやミントの葉を食べる
・肉や魚にレモンやスダチなどをかけてから食べる
食事中に水分をあまりとらない
・ひたすらよく噛む
・肉を生甘酒などで発酵させてから食べる
パイナップルやキウイなど消化を助ける酵素を多く含むフルーツを食べる
・肉は塊ではなくミンチなどの消化しやすい状態で食べる
 
そういえば最近よく耳にする病名で「逆流性食道炎」というのがあります。
胃酸が食道の方まで逆流して胸焼けなどを起こす病気です。
これって感覚的に胃酸が多いのが原因だと思っている方が多いかもしれませんが、じつは胃酸不足のことが結構あるようです。
 
つまり次のような機序で起こると考えられます。
胃酸が不足する→食道括約筋(胃から食道への逆流を防ぐ門)が閉じなくなる→胃酸が食道へ逆流する→胸焼け
 
この場合、良く処方される先ほどの胃酸を抑える胃薬(制酸剤)を服用しても治らないという患者さんが多いです。
とりあえず、一度レモン水などで胃酸の補助をしてみるといいかもしれません。

 ■ 胃の気!?

胃は東洋医学では六腑のひとつ
脾とあわせて消化・吸収を担うとても大切な器官です。
その重要さは、元の時代の名医、李杲(号は東垣)の『脾胃論』という書でも有名です。
彼のつくった補中益気湯という処方は、脾胃のチカラを強めるとても良い漢方薬です。
 
東洋医学において胃に関わる言葉で「胃の気」というのがあります。
主に脈で確かめますが、「胃の働きは生命力の基本である」という意味合いです。
胃の気がキチンとあると病気になっても治りやすいと考えます。
簡単にいうと食い気(食欲)があれば回復も早いというような意味ですね。
そういう意味でも、胃は大事にしてくださいね。
 
いろいろと書いてきましたが、ここで書いていることはあくまでも一般論です。
それぞれの胃腸の状態、体力、年齢、性別、ストレスの強さなどによって、足りない栄養素やミネラルは異なってきます。
つまり、個別性がとても大切だということです。
東洋医学も分子栄養学も、患者さんの個別性を重視する点では共通していますね。
「東洋医学×分子栄養学」でその人なりのバランスの崩れをチェックし、根本原因に対処することがとても大事なんです。
 
前回と今回は、話の流れで胃腸ではなく胃だけの話になってしまいました(笑)
腸の方はまた別の機会に。
 
 
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