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東洋医学では病気の原因をどう考えるのか?(9)

前回の飲食不節つまり食事による病気の原因に続く今回は、労逸です。
労逸という言葉を聞きなれない方がほとんどだと思いますが、これは過労と安逸を合わせた言葉です。
安逸という言葉も耳慣れないかもしれませんが、それぞれについて説明していきましょう。
    目次
内因:生活要因や精神的要因などが病気の原因となる場合
 A. 飲食不節:不適切な食事や飲水
 B. 労逸:労倦と安逸のこと
—————————————- 以下次回以降
 C. 房事過多:性生活に節制がない
 D. 七情の失調:突然・強い・長期の精神的な刺激

B. 労逸


(1)過労

東洋医学では、ヒトが生命活動を行うときには様々な生理物質が必要だと考えます。
その生理物質については以前にも学びましたが、精、気、血、津液(水)のことですね。
起居動作、つまり基本的に生きていればこれらの物質を消費しているわけです。
ざっと振り返ってみると、
精は精神をコントロールし、気や血のもとにもなっていました。
気は活力をつくったり、カラダを温めたりする働きがありました。
血はカラダのいろいろな部分に栄養を与え、
津液はカラダを潤していました。
消費されたこれらの生理物質は、食事や休息・睡眠などによって生産されたり回復したりして、
さらなる生命活動が可能となるわけです。
ところが消費が過剰になると、当然のように生産が間に合わなくなります。
この状態が過労です。
カラダには質の良い食事や休息・睡眠が必要だということです。
ちなみに、過労になると痩せてきたり倦怠感がでてきたりするだけでなく、
気力もなくなります
そのやる気のなさ、もしかすると気が不足しているのかもしれません。
東洋医学ではそんな状態をキチンと病気として扱ってくれます。

(2)安逸

次に、安逸の方を説明しましょう。
簡単に言うと、過労が働き過ぎなのに対して、安逸は働かな過ぎのことです。
適当な期間、休息を取ったりするのはいいのですが、
長期にわたって運動不足や怠惰な生活を送っていると、
カラダに悪いことがいろいろと起こってくるんです。
以前、気血津液はめぐっていないと良くないということを書きました。
動かな過ぎると、つまりは気血水の停滞が起こるということです。
 
すると、
気の停滞によって気滞
血の停滞によって血瘀
津液の停滞によって痰湿ができます。
これって、以前に学んだ病理物質ですね。
気滞では、怒りっぽくなったり、逆に鬱っぽくなったり、お腹が張ったり、頭痛も起こります。
血瘀では、皮膚のくすみや肩こり、頭痛、ひどいと脳梗塞みたいなことにもなりかねません。
痰湿では、カラダが重だるかったり、浮腫んだり、めまいや下痢なども起こります。
これ以外にも、食欲不振や無力感、やる気のなさなども現れます。
働きすぎも怠惰な生活も良くないって、当然すぎる内容でした(笑)

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