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東洋医学的日々雑感27 『論語』について最近考えてみたこと(5)

この不評シリーズも、今回がついに最終回です(笑)

今回は東洋医学における臨床と古典との関係について、いろいろと考えてみました。
両方やるというより、臨床(治療)をやりながら古典を読むとメチャクチャ楽しいですよ、というお話です。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます!

2-2.古典の記述と臨床


・古典を学ばないとわからないこと

前回に書いたような意味で、
やはり原文を読まないとわからないことがいろいろとあります。
ちょっと専門的になりますが、例えば『難経』(約二千年前に書かれた鍼灸の古典)という書物にこんな文章があります。
肝脈を得れば、その外証 善く潔し、面青くして善く怒る
肝の脈があらわれると、その外側に表れてくる兆候としてはよく潔となり、顔面は青く、しばしば怒る
これを現代語訳で「潔(キヨ)きを善(コノ)み」と読み、「清潔好き」と訳している本があります。
肝の脈があらわれている人は清潔好きって、なんだか面白なぁって思いませんか?
肝という臓は気の流れと関係が深くて、ストレスの影響を受けやすい臓といわれるから、そういう人って几帳面で清潔好きなのかな、なんて納得してみたりして…。
ところが『玉篇』という古代の辞書には「潔、俗絜字」(潔は絜の俗字である)とあり、李今庸という古典に造詣の深い中国の湖北中医薬大学教授は、この「潔」は「瘈」という字のことで(似てるでしょ)、つまり瘈瘲(ケイショウ)という病のことだとしています。
瘈瘲とは、外感熱病、癲癇、破傷風などの病証にみられる、筋肉が引き攣るような症状を指します。
そう考えると、筋肉とか引きつれなどと関係の深い肝の病としては、かなり納得できます。
もちろん、どちらが正しいとするかはそのひとの解釈次第です。
なにが正解なのかは誰にもわからないんですから。
だって数千年前に書いた人に「どっちが正解ですか?」なんて聞けないわけですもんね。
そもそも書いた人が誰かも分かっていないわけで…。
けれど、それを頭の中だけでネチネチ考えるのではなく、
自分の治療経験のなかでジックリと検証して納得するのが、これまた楽しいんですよ。
基本的にこれらの古典は、ひとのカラダを治療するを前提に書かれているわけですから。
そんな古典の読み方もあるってことを知って欲しかったんです。
どうです?
読んでみたくなりませんか?
他人が訳した本をただ鵜吞みにするよりも、自分でなんとかして読んでみたくなりますよね!
そうそう、ついでに先ほどの続きの部分も解説しておきますね。
肝を病むと、顔が青みを帯びてきて、よく怒るようになるんです。
これは現代の鍼灸においても同じことをいいます。
よーく他人の顔を観てみると、なんとなく青っぽい顔のひとや何となく黄色っぽいひとがいるもんです(笑)

・これからすべきことを考える

ということで、突然ですが今回の内容をまとめてみます(笑)
『論語』の、例の最初(第1回はこちら)に挙げた学而篇の文章に即して、東洋医学のことを考えてみます。
 そうです、こちらの文章です。
子の曰く、学びて時にこれを習う、亦た説ばしからずや。
朋あり、遠方より来たる、亦た楽しからずや。
人知らずして慍まず、亦た君子ならずや。
前に書いた私なりの噛み砕いた解釈を再掲しておきます。
学んだことがある程度時間がたったときに、しっかり身についていたんだと気づいたときは嬉しい。
ちょうど、古い友人が久しぶりに訪ねて来てくれたときみたいな感じだ。
もちろん、こういった楽しみを知らない人たちもいるけれど、
そんな人に対してイライラしたりはしない。そうなれれば立派だよね。
 
東洋医学において、学ぶとは、『黄帝内経』をはじめとする古典をジックリと読んで、この医学を臨床的に正しく習得すること。
習うとは、その古典のほんとうの意味を考えながら患者さんを治療することで、学びを自分のものにし、身につけること。
このどちらを欠いてもいけないということですね。
そして学んで身についたことが、
「旧友が突然、遠くから訪ねてきてくれたようで、楽しくて、嬉しくてたまらない感じになる」
のを是非とも実感しましょう!
その楽しみを他の人が知らないからって、それをどうこう思ったり言ったりしないというのも当然のこと。
 と、こういうことになります。
「一所懸命にひとを治療をして、良くなってもらうことが楽しい」って、とってもいいことですよね。
そんな治療家に、わたしはなりたいと常々考えています!
・付録
蛇足ながら最後に、論語からでた有名な四字熟語を紹介しておきます。
意味、知ってますか?
・温故知新 ・怪力乱神 ・過猶不及 ・侃侃諤諤 ・巧言令色 ・剛毅朴訥 ・切磋琢磨 ・戦々恐々 ・暴虎馮河

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