養生シリーズ「呼吸」についての第2回目です。
吐くのが先か吸うのが先か?
どこから吐いてどこから吸うか?
呼吸でイメージすることなどについて書いてみました。
3)呼が先か、吸が先か?
呼吸というのはもちろん、呼と吸に分けられます。
つまり吐くか吸うということ。
となると、どちらを先にするのが正しいのか、まずは気になりますね。
これについては、呼→吸の順でおこなうのが正しいようです。
つまり息を吐いてから吸うんですね。
吐きさえすれば、あとは意識しなくても生きている限り自然に吸い込むわけです。
それが証拠に、人が死ぬ場合に「息をひきとる」といいますが、これはつまり息を吸うことです。
死の直前に息は吸えても吐けないものなんですね。
最期が吸うんだから、最初は吐くっていうのは、ちょっと強引なとらえ方でしょうか?

4)どこから吸って、どこから吐くか?
基本的には、呼吸は肺で行われるものなので、口か鼻から吐いて、口か鼻から吸うわけです。
吐くときにどちらから吐くのか、吸うときはどうか、というのはじつは呼吸法によってさまざまなんです。
まず吐くことについていうと、口から派と鼻から派の両方があります。
吸うことについては、基本的には鼻から吸うことが推奨されていますが、発声のための呼吸法などでは口と鼻の両方から吸うというものもあるようです。
医学的にいうと、鼻は呼吸器系で口は消化器系ですから、呼吸で使うのは鼻ということになりそうですが、そんなに単純なことでもなさそうです。

5)丹田を意識する
どこから呼吸するかということ以外にも、呼吸のときに意識すべきことがあります。
例えば丹田。
念のために一応説明を加えておくと、丹田とは臍の少し下にあって、「腹をくくる」なんてときに意識すべきカラダの部位のことです。
東洋的なとらえ方では、構造としてのカラダの中心は臍ということになりますが、エネルギーの中心は丹田なんですね。
ですから呼吸についても、丹田から息を吐き、丹田にまで吸い込むという丹田呼吸というものがあります。
そんなバカなというひともいるかもしれません。
「臍の下まで息が吸えるか」という意見は確かに頷けます。
ですが、現代医学的にいうと呼吸には内呼吸(血液と細胞のガス交換としての細胞呼吸)と外呼吸(空気と血液のガス交換)があるわけで、口や鼻から肺に空気を取り込むことだけを呼吸というのは、ある意味片手落ちのような気もしてきます。
実際、丹田をイメージすることによって深い呼吸になるだけでなく、”気”もそのように動くのだろうと考えられます。
そしてさらに人間という存在は、呼吸をとおして丹田から無限に広がる空間を共有し、宇宙と一体となることができるのです。
座禅のように静かに座って呼吸しているときには自然にそうなれることが分かるはずです。
ところが、立っていたり歩いていたりするときは、カラダに関する意識が空っぽになりにくいので、さらに意識すべきことがでてきます。
例えば頭のテッペンにある百会と足の裏の土踏まずのやや前方にある湧泉。
そういうときには百会を緩め、湧泉を柔らかくして、気がめぐりやすいようにすることが大切になります。
こんなふうに考えてくると、呼吸は息だけではなく、カラダのいろいろなところをイメージしながら行う必要があることがわかります。
で、結局、どこから吸ってどこから吐くかって? それは次回以降に紹介するいろいろな呼吸法のところで詳しく書きましょう。
ではまた。
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