
読書案内的「東洋医学×分子栄養学」その2『医者が教える「あなたのサプリが効かない理由」』(宮澤賢史)
皆さん、あけましておめでとうございます。
本年も当ブログをよろしくお願いします。
さて2020年の第1回目は、読書案内的「東洋医学×分子栄養学」の2回目です。
今回は私が分子栄養学を勉強している臨床分子栄養医学研究会の代表である宮澤賢史先生の著書を紹介します。
最初に断っておきますが、あくまでも食事が基本で、サプリを飲まなくてもよくなることが最終目標だと著者は言っています。
*サプリメントが効かない理由
結論からいうと、サプリが効かない理由は次の5つです。
❶効果が得られる量のサプリメントを使っていない
❷自分に必要なサプリメントがわかっていない
❸サプリメントの消化、吸収について考えていない
❹サプリメントを邪魔する要因を考えていない
❺食事をないがしろにしている
以下に簡単に説明していきます。
*サプリの量が効果を左右する
栄養素には欠乏症があります。
基本的に国が推奨している量は、この欠乏症にならない最低限の量です。
例えばビタミンCだと100mg。
これだけ取れば壊血病にはならないということ。
ただ、風邪の予防やがんの治療ということになると、この量の10倍あるいは100倍もの量が必要になります。
それだけの量を飲まないと効果がみられないので、その適量を知らないといくら飲んでも効かないことになりかねません。
*必要な栄養素も量も人によってまったく異なる
これは栄養療法に限らず治療的な行為にとって当然のことです。
つまり、性差、年齢、体格、不調のある部位などによってサプリの使い方はまったく異なるんです。
それを無視してとにかくたくさん取れば良いとか、他人が効いたからという理由で飲んでみても、効果が現れないだけならいいのですが、かえって体調を崩す場合もあります。
最適なものを最適な順で取らなければなりません。
*サプリメは吸収されて初めて効果を発揮する
つまり胃腸の問題がとても大きいということです。
これは東洋医学でも同じことを言います。
消化・吸収能力が落ちているひとがいくらたくさんサプリを取っても、ムダに排泄されるだけです。
かえって胃腸の状態を悪化させる可能性さえあります。
自分の胃腸の調子を知ることや、悪ければそれをまず改善することが大切なんです。
*サプリの効果を邪魔するものがいろいろある
効果を邪魔するものの代表は炎症と毒です。
炎症というのは、カラダのなかでくすぶっている慢性炎症のこと。
代表的なものは上咽頭炎や脂肪肝、腸内環境の悪化など。
毒の代表は水銀。
それ以外にも鉛やカビなどもこれに該当します。
こういうものがあるとサプリが効きません。
*とにかく食事が基本
宮澤先生がいつも強調するのは、とにかく食事が基本だということ。
どんなに良いサプリを飲んでいても、食事がメチャクチャではどうにもなりません。
そして食事をコントロールできるのは、自分だけ。
だからこそ「自分の健康は自分で守る」という意識がとても大切になります。
*まとめ
本書には分子栄養学の基本原則がキチンと書かれています。
考え方の中心に、病の根本原因に対処すべきだということが据えられています。
これはまさに東洋医学の考え方を同じだと思います。
そのためには局所だけにとらわれず俯瞰的にカラダを診る必要があるわけです。
ある意味、栄養療法の基本が凝縮されている本なので、私はいまでも繰り返し読むようにしています。
分子栄養学やサプリメントに興味のある方は、ぜひ読んでみてください。