患者さんのフォローのために勝手に書き始めた「栄養素の基本」シリーズ。
第2回目は、前回に引き続きタンパク質です。
なんと言っても、いちばん大切な栄養素ですからシッカリ学びましょう!
■良いタンパク質
20種類のタンパク質が入っているバランスがいいものを「質の良いタンパク質」といいます。
その指標になるのがプロテインスコアとアミノ酸スコア。
その食品が百点満点で何点かが分かります。
どっちを使ってもいいですけど、どちらかというとプロテインスコアを推したいですかね。
アミノ酸スコアは、評価がゆるい傾向があるようです。
ちょっと比較表を載せておきますね。
精白米 | 大豆 | 卵 | 牛乳 | プロセスチーズ | ジャガイモ | 牛肉 | 豚肉 | 鶏肉 | 魚類 | |
プロテインスコア | 73 | 56 | 100 | 74 | 83 | 48 | 80 | 90 | 87 | 96〜89 |
アミノ酸スコア | 65 | 100 | 100 | 100 | 91 | 68 | 100 | 100 | 100 | 100 |
プロテインスコアの場合、100点満点の食品は卵とシジミだけです。
具体的な例をあげると、大豆にはメチオニンが足りないために56で、米はリジンが少ないので73なんです。
ですが米にはメチオニンが多く、大豆にはリジンが多く含まれているので、「米と味噌汁」を合わせて食べるとでプロテインスコアが高くなります。
これぞ食の知恵ですね。
■1日に必要なタンパク質の量
体重1kgあたりで必要なタンパク質の量は1.0〜1.2g。
例えば体重60kgのひとなら60〜72gということ。
タンパク質10gとるのに必要な量は具体的な食材でいうと、牛肉は65g、チーズが50g、卵79g(1個半)、豆腐330g、牛乳470gといった具合になっていています。
1日の必要量って意外に多いことがわかりますね。
妊娠中や成長期の子供、病気やケガの治療中などには必要な量が増えて、体重1kgあたり2.0g以上になります。
ちなみに、普通の健康なひとは体重1kgあたり2.0g以上は過剰摂取になるという説もありますので、気をつけましょう。

■タンパク質の合成と分解
ところで、タンパク質って1日にどのくらい体内で合成されているかご存知ですか?
体重65kgの成人でなんと200gなんです。
これって、さっきの必要な量と比べるとなんだか変ですよね。
そうなんです。
必要量と合成量の差が140gもあるんです。
この140gはどこからくるのか?
これは、再合成される量なんです。
つまり、タンパク質は食事でとる量よりも多く体内でリサイクルされているんです。
これをオートファジーっていいます。
そうすると、タンパク質はたくさんとればいいってことではなく、代謝が重要だということがわかります。
そしてこのオートファジーを活性化するのがファスティング(断食)なんですね。
■タンパク質の消化
タンパク質の消化でもっとも大切なのは何度も言っているように「胃」です。
そして、胃酸の分泌にかかわるのは自律神経。
自律神経のアンバランス(特にストレスなどによる交感神経の緊張)によって、胃酸の分泌の低下、胃の粘液の減少、胃の蠕動運動の低下などが起こります。
簡単にいうと、胃酸の出や胃の動きが悪くなるってこと。
タンパク質の消化能力が落ちると、結果的にタンパク質でつくられる消化酵素が不十分になるという悪循環に陥ります。
タンパク質、ますます大切です!
■タンパク質の代謝
タンパク質の代謝にかかわる要素はいろいろあります。
まず、食事でとる量。
入ってくる量が少なければ、話になりませんね。
次に消化吸収の能力。
これは言い換えると胃腸の働きですね。
入れても消化や吸収ができなければ、それこそ身になりません。
そして先ほどのオートファジー。
リサイクルシステムがしっかり回らないと、困ります。
このシステム、どうやら睡眠中によく働いているらしいので、睡眠の質がとても重要になります。
ひとことで「タンパク質」といっても、様々な要素が関係していることがわかりますね。
「良いタンパク質」を「必要十分な量」、「しっかりと消化吸収できる」カラダを目指しましょう!
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・すべての基本は免疫力をアップすること
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・東洋医学的に考える免疫力の上げ方
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