子どもの栄養状態と親の関係

東洋医学×分子栄養学

先日、公立高校の先生とお話をする機会がありました。
そこである事実を聞いて衝撃を受けたんです。

公立高校だから転勤があるそうです。
その結果、偏差値が高い高校にも低い高校にも行くことがあるんですね。

そこで彼女が感じたのは、偏差値の低い高校の生徒には身長が低い子が明らかに多くて、しかもグレーゾーン(発達障害の疑いがあるという意味)の割合が高いというんです。

これってビックリしませんか?

そのとき僕が感じたのは、その大きな原因は「栄養」だということ。
今回は、そんなことについて考えてみます。

体格に影響すること

子どもの身長や体格に影響する栄養素といえば、まずタンパク質
骨や筋肉をつくる材料だから当たり前ですね。

それ以外にも、細胞分裂に必要な亜鉛やマグネシウム、鉄、骨に必要なビタミンDやカルシウム、DNAの合成に必要な葉酸をはじめとするビタミンB群など、挙げればキリがありません。

しかもそれらの栄養素は、たくさん摂ればいいというものでもないんです。
でもやっぱり、良質なタンパク質が必要十分な量摂れて、それをキチンと吸収できることがなにより大事ですね。

必要な栄養素が含まれている食事をして、しかもそれがしっかり吸収できてはじめて、それをもとにして体力も十分に備わった立派な体格がつくられるんです。

必要な栄養素をサプリで摂ればいいという、簡単な話ではありません。

また、栄養を摂っていないから不足するとは限りません。
栄養素を排泄してしまうものもあるんです。

それが加工食品です。
そこに含まれている添加物や質の悪い油が、栄養素の不足を生み出したりします。

この部分は親の影響がとても大きいですよね。
収入の問題や親が子どものためにどれだけ時間を割けるかどうか、というようなことです。

メンタルや発達障害と栄養の関係

メンタルの状態もまた、勉強に集中できるかという部分で、子どもの学力への影響が大きいと思います。

メンタルを左右するのは、脳内の神経伝達物質の代謝です。
代表的なものを挙げると、セロトニン、ドーパミン、GABAなどですね。

これらがしっかり作れていると、メンタルが安定し、やる気がみなぎり、集中することができるようになります。 これらの材料はアミノ酸、つまりタンパク質なんですね。

もちろんそれぞれの物質ごとに違うアミノ酸が原料になっているので、偏った摂り方はよくないです。

さらに言うと、これらの物質が代謝されるのに、補酵素も必要になります。
例えば、幸せホルモンともいわれるセロトニン

これの材料はトリプトファンというアミノ酸です。

これがあって、ビタミンB6が補酵素としてはたらいてはじめて、セロトニンがちゃんとつくられるんです。
このセロトニンが少なくなると、うつ病になったりします。

さらにこのセロトニンからメラトニンという催眠物質がつくられる過程でマグネシウムが必要になります。
このメラトニンがしっかりつくれないと、不眠になっちゃいます。
という具合に、必要な栄養は結構いろいるあるんですよね。

メンタルや発達障害に影響するものとしてもうひとつ挙げておきたいのはです。
脂質は、脳や神経細胞の大切な材料です。

油の質が悪い(加工食品などで使う油は良いわけがありません)と、頭が悪い子になるのは栄養学的にみても当然なんです。
ここ大事なポイントです。

母親の健康状態

他にも子どもの身体に影響するものがあります。
それが母親の健康状態。

特に出産時の栄養状態がとても大事です。
その理由は、子どもは産まれるときに母親から栄養を受け継ぐからです。

つまり、出産時に母親が質的栄養失調状態にあれば、子どもは質的栄養失調で生まれてくるということ。
だから妊活をするときには、女性の栄養状態を良いレベルにまで引き上げておくことがとても重要なんです。

もちろんその方が、妊娠の確率が上がるのはご想像どうりです。
ただし、闇雲にサプリを飲むのはおススメできません。

子どもにしても出産時の母親にしても、きちんと血液検査や診察をすることで現在の状態をチェックし、不足している栄養素やその根本的な原因を把握した上で食事や栄養を変えれば、栄養状態は確実に改善できます。

だから諦める必要はまったくありません。
ですけど子どもの栄養状態については、食事の習慣付けや成長のことを考えると、なるべく早い方が良いのは言うまでもありません。

今回はこの辺りで。

東洋医学ドックについては、こちらから。

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