サプリのあぶない摂りかた

東洋医学×分子栄養学

いつも読んでいただいてありがとうございます。

皆さんは何かサプリを定期的に飲んでいますか?

今回は、私の患者さんでたまに見かける、サプリの危険な摂り方を紹介して、サプリを摂るときの基本的な考え方について書いてみたいと思います。

サプリは上手に使えば「効率化の道具」として病気や症状の改善のための時間を短縮することができますけど、間違った使い方をするとかえって症状を悪化させるので注意が必要です。

足していかない

「健康に良い」と聞くと、ドンドンそれらを取り込んでいく人がいます。

TVで納豆がカラダに良いと言えば、すぐにスーパーの納豆が売り切れるという具合です。
サプリも同じで、膝にコンドロイチン、目にブルーベリー、頭にDHA、お肌にコラーゲンという感じで、飲みたいサプリがじゃんじゃん増えていきます(笑)

これって本当に笑えない話で、増えていっても減ることはありません。
サプリ代が月に数万円なんていうお年寄りはざらにいます。

これは基本的な方向性が間違っています。

まずやるべきは、カラダに悪いものをやめる、つまり「引く」こと

甘いものを食べすぎないとか、揚げ物を控えるとか、飲酒習慣を改めるとか、そういうことの方が全然大事なんです。

ネットで病名や症状を検索すると、どんなサプリを飲んだらいいかすぐに出てきます。
だけど、そんなことをしてサプリを増やしながら、片方で3食の食事はコンビニ弁当をチンして済ませているとしたら、そんなアホなことをしていても病気も症状も良くなりません!

私の患者さんでも、症状に応じてサプリを加えていった結果、サプリが増えすぎて肝障害状態になっている方がいました。

その人に日々の食事の内容を書き出してもらったところ、タンパク質は基本的にプロテインで摂って、野菜はほとんど食べていないけど、サプリでビタミンやミネラルを摂っているから大丈夫でしょう?、といった感じでした。

症状に対応したサプリをネット検索などで選んでいくと、サプリの種類や数がドンドン増えていくというのがよくあるパターンです。

これでは本末転倒ですね。

食事がいちばん大事

サプリは万能薬ではありません。

確かに副作用は薬に比べて少ないのは確かですけど、基本的には薬などよりは効果が低いものなので、基本となる食事がちゃんとしてないとダメなんです。

そして、食事でいちばん大事なのは三大栄養素のタンパク質、脂質、糖質で、これらはビタミン、ミネラルより重要です。

もちろん、食事の何をどう気をつけるべきかは、その人の栄養状態胃腸の消化吸収能力などによって全然違ってくるのはいうまでもありません。

つまり、自分にとって必要な不足している栄養は、他人とは違う可能性が大きいわけです。

だから、あの人が食べて花粉症が治ったヨーグルトが、自分にも効果がある可能性はかなり低いことになります。

何といっても、腸まで届く乳酸菌入りのヨーグルトに入っている菌の種類は基本的に1種類だけなので、千差万物の自分の腸内で他の菌と共生して生き延びて、腸内環境を良くした上で、アレルギー症状を改善してくれる可能性は、限りなく低いとしか言いようがありません。

「〇〇に効く△△」という言葉を信じて、特定の食材やサプリを増やしていくのは止めましょう!

病気になる前のサインを見逃さない

人間の身体って、なかなかよくできていると思います。

何か体内に不調があるとそのサインを出してくれますし、その不調を何とかして治そうとしてくれるんです。

サインとして出てくるのは、例えばアレルギー症状があるとか、なんとなくお腹が張るとか、筋肉の量が最近減ってきたとか、同じ食事をしてるのにドンドン太ってきたとか、そういったことです。

これらはすべてカラダからのサインです。

それは何となく認識しているけど、具体的に何をどうしたらいいか分からないとか、大した症状じゃないからそのままにしているとか、もう少し悪くなってから病院へ行けばいいやとか、そんな人が多いんじゃないでしょうか。

私の少ない臨床で見かける患者さんには、結構そういう人が多くいます。
なので、それに対応して何かを変える必要があるんです。

食事だけですべて治るとは言いませんが、食事を変えることでこれらのサインが消えていくことは結構あるんです。

初めは引いていく

ではどうするといいのか?

病気になるサインがいろいろ出ているのがわかったら、それの原因と思われるものを引いていく(摂らないようにする)ことが必要です。

先日も私のやっているスキルアップセミナーを受けてくれている鍼灸師さんが、患者さんの話をしてくれました。

その方は腱鞘炎の痛みが強く、手をしっかりと握ることもできなかったそうです。
鍼灸の治療をしたところ痛みが改善し、手を握ることもできるようになって、夜の7時頃に治療を終了して帰宅されました。

ところが翌日、その患者さんからのメールで、その日の夜中の2時頃に痛みで目が覚めたというんです。

いままでなら「また治療しないとダメだなぁ」と考えたと思うところですが、今回はそんなにすぐに痛みがひどくなったのは何かおかしいと思ったんだそうです。

そこで治療の日の夜に食べたものなどを細かく尋ねてみたところ、夜に小腹が空いて、みたらし団子など甘いものをいろいろ食べたとのこと。

これが炎症を増長させたのだと考えて、そのことを患者さんに説明し、しばらく甘いものを控えるようにアドバイスしてみたところ、痛みは収まってその後はぶり返していないのだとか。

分子栄養学を学んでいなかったら、鍼灸の治療を繰り返すだけで根本的な原因に思い当たることがなかっただろうと思うので、この分子栄養学を学んで本当によかったということです。

そうなんです、大事なのはこういうことです。
患者さんの症状を悪化させている原因を探り当てて、それに影響している食べ物などを取り除くことが、初めのうちは特に必要なんです。

まとめ

今日の内容のポイントをまとめておきます。

  • 他人が効いたからという理由でサプリなどを足していかない
  • ビタミンやミネラルよりもまずは食事で3大栄養を摂ることが大事
  • 自分のカラダの声をよく聞いて、どんなサインなのかを考える
  • 食事や栄養でまずすべきことは、プラスよりマイナス

今回は以上です。
サプリの摂り方が分からないときは、できるだけ専門家に相談しましょう。

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分子栄養学を始めるつもりなら、このセミナーがおススメです。

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