毒をカラダに溜めない方法

東洋医学×分子栄養学

いつも読んでいただいてありがとうございます。

今回は毒について。
数ある毒のなかでも日本人にもっとも関係の深い毒は水銀です。

毒があると、カラダのなかの様々な代謝が止まってしまい、健康を損ないうのはこれまでも書いているとおり。

栄養療法を行なっても改善しない場合、まず考えられるのは消化吸収の問題ですけど、次に考えるべきは重金属の蓄積で、その代表が水銀なんです。

あなたは週に1回以上マグロを食べますか?

僕はマグロ大好きです!
寿司を食べに行って、マグロを食べないなんて考えられません。

サラダにツナが載っているのも、刺身をわざと余らせてヅケにするのも、マグロ以外では考えられないことです。

ただ、日本人のカラダに蓄積する金属のなかで、特に多いといわれるのが「水銀」です!
欧米人に比べて数倍から数十倍ともいわれています。

アメリカの栄養療法をやっているドクターが、日本人のデータを見て驚いた話を聞いたことがあります。

その原因のひとつとして挙げられるのがマグロなんです。
マグロだけじゃないですね、クジラとか金目鯛とか、とにかく大型魚です。

日本人の水銀摂取の80%以上が魚介類由来だと厚生労働省も発表しています。

大きさについては、栄養療法の世界では「まな板に乗るかどうか」を目安として注意しています。
「まな板に乗らないくらいの大型魚は、頻繁に食べない方がいいです」ということ。
食べる頻度は、週に1回くらいまでにしておいた方がいいようです。

アジアの海には、世界の水銀の約50%が存在しているというデータがあります。
つまりアジアの海で長い時間生きている大型の魚には、食物連鎖の関係で水銀が蓄積していると考えるのが当然なんです。

もちろんそれ以外の海にいる大型魚、例えばサーモンなどは水銀に関しては安全です。

アマルガムを知ってますか?

カラダに水銀がたまるもうひとつの代表的な原因はアマルガムです。

アマルガムというのは無機水銀を使った歯の詰め物で、1970年代から非常によく使われていて、つい最近(2016年3月)まで日本でも保険が適用になっていたんです。

「とても便利な詰め物だったんですよ」と知り合いの歯科医も言っていました。
ちょっと鈍い銀色の詰め物で、ちなみに僕にも2本入っていました(笑)

このアマルガム、水銀が揮発して体内に吸収されてしまうということで、アメリカなどでは大変問題になっています。
書籍として有名なのは、ハル・ハギンズ先生の『本当に怖い歯の詰め物』(絶版なので中古しかないみたい)です。

それなら歯医者さんに行って早速アマルガムをとってもらわなきゃと思ったあなた、ちょっと待ってください。

アマルガムを外すときにこそ、水銀はすごい量が揮発するといわれています。
安易に外してもらって、急性の水銀中毒になった方もいるようです。

アマルガムを取るときは、歯科医も患者さんも水銀を浴びないように徹底的な防護が必要なようです。 どうしても取りたい方は、「アマルガム 歯科」とかで、キチンと除去できる歯科医を検索してみてください。

日本では、アマルガムのことはまだあまり知られていないみたいですね。

水銀の毒性

水銀には、無機水銀、エチル水銀、メチル水銀などがあります。

無機水銀の代表は、上で挙げたアマルガムなどです。

エチル水銀は、身近なところではインフルエンザワクチンなどの予防接種液の添加剤として含まれているといわれています。

そしてメチル水銀は魚などの海産物などに含まれているものです。

最近では、体内においてこれらの水銀が無機水銀からメチル水銀へ、またメチル水銀から無機水銀へと変化することがわかってきました。

そして、ある程度以上の年齢の方にとって水銀による健康被害で思い出されるのは水俣病でしょう。

あれは化学工場が垂れ流していたメチル水銀が、魚を通して人体に入った結果、中毒性の中枢神経疾患を発症したものです。

水銀については厚生労働省のホームページをチェックすると、「魚介類に含まれる水銀について」というページがあります。

そこでダウンロードできる妊婦さん向けのパンフレット「これからママになるあなたへ」のなかでは、マグロなどの大型魚を食べ過ぎないように注意喚起しています。

水銀蓄積の症状は?

水銀中毒の主な症状としては、四肢末梢神経の感覚障害、運動失調、求心性視野狭窄、聴力障害、平衡機能障害、言語障害、振戦などがあります。

もちろん、重症度は患者さんの栄養状態などによっても違いがあるのは当然のことです。
水銀が溜まっていても症状がない方もいれば、蓄積量が少しでも重症の方もいるんですね。

比較的軽症の場合には、頭痛、疲労感、味覚・嗅覚の異常、耳鳴りなどの症状がみられます。

特に重金属による中毒のもっとも一般的な症状はとしては、ミトコンドリア機能不全つまりエネルギー産生の低下、その結果としての疲労(感)などがあります。

エネルギーをつくるミトコンドリア内のTCA回路や電子伝達系の代謝を停滞させ、エネルギー産生を低下させるからです。

ですから、栄養療法で対応してもなかなか改善しないようなしつこい頭痛妙に疲れが抜けないといった症状があったら、それは水銀のせいかもしれません。

その解決策は「解毒」です。
それをこのまま書くと、大変な分量になってしますので、続きは次回にまわします。

ということで今回はこの辺りで。
次回は「毒をカラダに溜めないための方法(2)実践編」で解毒について書きます。

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