毒をカラダに溜めない方法(2)実践編

東洋医学×分子栄養学

いつも読んでいただいてありがとうございます。

今回は前回に引き続き毒についての解毒の第2弾、実践編です。
まだ読んでいない人は下のリンクから前回の記事を読んでくださいね。

毒をカラダに溜めない方法
いつも読んでいただいてありがとうございます。今回は毒について。 数ある毒のなかでも日本人にもっとも関係の深い毒は水銀です。毒があると、カラダのなかの様々な代謝が止まってしまい、健康を損ないうのはこれまでも書いているとおり。栄養療法を行なって...

前回書ききれなかった解毒の機序や実践方法について書いていきます。
是非、実際にやってみてください。

解毒という方法

ところで、日本人には消化に問題がある人が多いんですけど、こういう人は胃酸が不足していることが多く、その結果として胆汁の分泌も低下していることがあります。

すると当然、腹痛、胃もたれ、便秘などの消化器系の症状が出てくるのと同時に、有害金属の排泄経路のうちもっとも重要でメインの

血液 → 肝臓 → 胆汁 → 便

という流れが滞ってしまいます。

それじゃあその経路ではどうやって解毒するかというと、分子栄養学でいわれる解毒の機序には3つのフェーズがあるんです。

まずはそれを簡単に説明しますね。

フェーズ1は活性化
脂肪のなかに蓄積している毒を活性化して水に溶けやすい状態にします。
ここは割と簡単に起こるといわれています。

フェーズ2は抱合
次にその毒を水に溶けやすい物質と結合させます。

フェーズ3は排泄
そして最後に肝臓から胆汁として大便中に排泄します。

毒である重金属は、カラダのいろいろなところに蓄積するんですけど、厄介なのは脂肪のなかに溜まって安定化したもの。

脂肪が多いと慢性炎症を引き起こすことは何度も書いていますが、この慢性炎症によって酸化(ほぼ老化といっていいです)が促進されて、これによっても解毒がより障害されるんです。

さらに、うまく有害金属を排泄できないと、蓄積した様々な有害金属(特に水銀)が身体の代謝(特にミトコンドリア内のATP産生)に異常を引き起こし、疲労・精神障害・不眠・貧血などの慢性的で難治性の症状を生み出します。

だから解毒って意外に大事で、そのためにすべきことがいろいろあるんです。

解毒システムを低下させる要因

上で挙げた解毒の経路を見れば、解毒のために何が必要で何が邪魔をするかがわかります。
もう一度挙げておきます。

血液 → 肝臓 → 胆汁 → 便

年末のブログ「肝臓、大切にしてますか?」でも書いたように、解毒の中心は肝臓ですから、大前提として肝臓に負担をかける薬やお酒は控えめにする必要があることがわかります。

次に胆汁(胆汁酸)です。
胆汁の排出がスムーズであるためには、新しい胆汁の産生を促すことが大事です。

その理由は、胆汁は腸肝循環といってほとんどが再利用されるシステムになっているので、新しい胆汁が作られないと、古い胆汁がずっと循環しているからです。

新しい胆汁をつくるためには苦い食材を摂ること。
漢方薬の原料としても使われる熊胆(熊の胆)は以蔵補蔵の典型ですね。
排出を促すためにいいとされるのは杜仲茶(これは食事中に摂ると良いようです)です。

そしてもうひとつ大事なのが便通。 便秘は解毒の敵です。

便が出ないと、毒が腸から再吸収されて肝臓に戻り、全身に再配布されてしまうんです。
これってただ毒が溜まっている状態よりもっと酷いことになるわけ。

解毒に腸活は必須です。

解毒できるカラダにするために

まず大事なのは水分をたくさん摂ること。

水溶性の毒は、水分とともに排泄されるからです。
水をしっかり摂るだけで便秘が解消する人も結構いるので、解毒の大敵である便秘対策にもなりますね。

それから次に大事なのは細胞膜の柔軟性です。
細胞膜は脂肪がメインでできているので、ここの状態(膜の柔軟性)次第で、脂肪細胞の中の毒が出てきやすいかどうかも左右されます。

対策としては、サラダ油(揚げ物やお菓子類)など(オメガ6)を控えて、魚の油やアマニ油など(オメガ3系)を積極的に摂ることです。

加熱された油は酸化してアルデヒドなどの毒性物質になります。
そういう意味でも、またこれ自体が慢性炎症対策にもなっているので、是非実践すべきですね。

あとはカラダの酸化の抑制、つまり抗酸化対策です。
これも解毒には必須です。

そのためには抗酸化物質であるビタミンCやビタミンEを摂ることですね。
カラダの準備ができていないのに解毒をするのはとても危険です。

でも何よりも毒を入れないことが大事ですよね。

まな板に乗らない大型魚は食べすぎないようにしたいですし、輸入の果物・ナッツなどは収穫後に使われるポストハーベストといわれる農薬が気になるので、あまり摂りすぎないようにしましょう。

解毒に効く食べ方や食物

最後に、解毒のために良い食材などを紹介しておきましょう。

大きく2つに分けて書きます。
ひとつは解毒に良い食材で、もうひとつは解毒の中心である肝臓を労わる食材

まず解毒に良いといわれる食材。

ひとつは硫化アリルという成分を含む食材です。

これって五葷(ごくん)と呼ばれていて、私の住んでいる鎌倉にも多い禅宗の寺の山門に「葷酒山門に入るを許さず」と書かれているやつです。

具体的には、にんにく、ネギ、ニラ、タマネギ、ラッキョウなどの匂いが強いもの。
修行の妨げになるというのが禅寺で禁じられている理由のようです。

それからアブラナ科の野菜類
これはイソチオシアネートという成分が含まれているもので、キャベツ、大根、小松菜、菜の花、ブロッコリーなどです。

次に解毒で大活躍する肝臓を労わるための食材です。

まずは有名なタウリン
多く含まれているのはイカやタコ、貝類、甲殻類及び魚類(心臓・脾臓・血合肉)など。

水溶性なので、汁ごととれる鍋物やスープなどで摂るのが適しています。
肝臓の働きを活発にするだけでなく、血圧を調整したり、肝臓の解毒能力を強化したりする効果もあるとされていて、さらにインスリン分泌を促進して糖尿病の予防・治療に有効だともいわれています。

カレーのスパイスのひとつであるクルクミンは、肝臓でのグルタチオンの合成を助ける成分が含まれています。

それと最後に、解毒の王様ともいわれるグルタチオン

これって様々な毒の分解を促進してくれる物質なんですけど、グルタチオンを点滴すると美白効果が高いというので「白玉点滴」なんて呼ばれていて、そっちの方が有名かもしれません。

レバーなどの肉類、キウイフルーツ、アスパラ、アボカド、ブロッコリースプラウトなどのフルーツや野菜にも含まれていて、肝臓の解毒を手助けします。

そのほかには二日酔い対策としてよく知られるシジミ汁に含まれているオルニチンやトマトに含まれているリコピンなども解毒効果を補う物質です。

2回に分けて書いてきた解毒ですが、結構長くなってしまいました(笑)
普段あまり意識することが少ないかもしれませんが、実はしつこくてなかなか治りにくい症状の原因になっていることも多いので、この機会に是非、試してみてくださいね!

今回はこの辺りで。

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