熱中症対策に何をすべきか?

東洋医学×分子栄養学

いつも読んでいただいてありがとうございます。

最近は「暑い」という言葉しか出てこない感じですが、いかがお過ごしでしょうか?
ということで、今回は熱中症対策です。
特にお年寄りの方に、わかりやすく教えてあげてください。

まずは知っておこう!熱中症のサイン

まずは、熱中症の症状やサインを知っておきましょう。

めまいや立ちくらみ、顔がほてるなどの症状が出たら、熱中症のサインです。
一時的に意識がボーッとしたり、場合によっては腹痛などの症状が出る場合もあります。

「こむら返り」と呼ばれる、手足の筋肉がつるなどの症状が出たりします。
筋肉がピクピクとけいれんしたり、硬くなったりすることもあります。

体がぐったりし力が入らない吐き気や嘔吐、頭痛などの症状が出ることもあります。

ふいてもふいても汗がでる、もしくはまったく汗をかかないなど、汗のかきかたに異常がある場合にも注意が必要です。

体温が高くて、皮ふを触るととても熱い、皮ふが赤く乾いているなども熱中症のサインのひとつです。

体がひきつけを起こしたり、まっすぐ歩けないなどの異常があるときは、かなり重度の熱中症にかかっている可能性があるので、緊急で医療機関を受診するべきです。

水を飲むだけではダメ

熱中症対策としては、脱水を防ぐことが大事です。
これには水分補給が必要なのは、誰でもわかっていると思います。

ですけど対策としては、ただ水を飲めばいいというわけではありません
真水を飲んでも、それによって一時的に体温が多少下がるだけで、熱中症対策としてはほとんど無意味なんです。

問題は、汗と一緒に出ていくミネラルです。
熱中症は電解質の代謝異常です。

寝汗をたくさんかくと汗と一緒にミネラルが失われるので、特にマグネシウム不足になって足が攣ったりします。
熱中症もこれと同じです。

ですからミネラルが失われたら、水分と一緒にミネラルを摂らないとミネラルが不足した状態になって、回復できません。

必要なのは水分とミネラルで、糖分は必要ない

それと脱水は水分やミネラルが失われた状態なので、それを補う飲み物に糖分は必要ありません

逆に糖分の多い飲み物を熱中症予防のためにこまめに摂ると、急性の糖尿病になります
つまり、熱中症予防で摂るべき水分には、糖が入っていない方がいいということ。

スポーツドリンクには実際には糖分がたくさん入っています。
ちなみにポカリスエットには100ml当り6.2g入っているので、500mlペットボトル1本には31gも入っていることになります。

こんなに糖分の入っている飲み物を水分補給と称して熱中症対策でガンガン飲むと、これはもう血糖コントロール的にはかなりマズイことになります。

ペットボトル症候群っていいます。
一言でいえば、急性糖尿病です。

ですから、スポドリはスポーツのとき以外は摂らないようにしましょう

発汗で失われるミネラルを補給する

塩水を飲みなさいというと、「高血圧が気になるので塩分はちょっと…」という人がいるだろうことは想像がつきます。

高血圧の原因が塩分だと思っている人が多すぎるので、そのことについては回を改めて書こうと思うんですけど、ここでも少しだけ。

塩は、良い塩ならしっかり摂っても血圧はほとんど上がらないはずです。
逆に足りないと問題。

江戸時代には「塩抜きの刑」というのがあって、塩を一切摂らせないんですけど、そうするとだるくて身体を動かせなくなったり、やる気が出なくなったりして、かなりツライらしいです。

以前、米国だったかで減塩の実験をやったら、途中で被験者が根を上げてしまったので中止せざるをえなかったという話を本で読んだことがあります。

そりゃそうでしょう、塩抜きの刑ですから(笑)

塩分が原因で高血圧になっている人も少しはいるみたいだけど、基本的に歳とともに血圧が上がっていくのは動脈硬化が原因

塩を控えるより動脈硬化対策をする方が大事です。
具体的には抗酸化対策

つまり抗酸化物質をしっかり摂ること。
まずはビタミンCとEを摂りましょう!

塩分がどうしても気になるけどミネラルを取りたいなら、ニガリを使うといいです。
1日20滴程度を目安に、飲み物などに入れて摂りましょう。

2種類の塩水の使い分け方

熱中症予防で摂るべき塩水の濃さには2通りあります。

ひとつは人間の体液とほぼ同じ浸透圧の飲料で、これをアイソトニック飲料といいます。
もうひとつは人間の体液より低い浸透圧の飲料で、これはハイポトニック飲料といいます。

運動前は、エネルギーを作り出すための糖質や汗などにより失われてしまうミネラルの補給が事前に必要になるため、体液とほぼ同じ浸透圧で糖質やミネラル分を手軽に吸収できるアイソトニック飲料がおすすめです。

運動中や運動後は、汗などにより大量の水分とミネラルが失われてしまうため、浸透圧が低くて水分を素早く補給できるハイポトニック飲料がおすすめです。

つまり場面に応じて、使い分ける必要があるということ。

変なものが入っていない方がいいので、自分でつくった方が安心です。
それぞれの作り方を簡単に書いておきましょう。

  • アイソトニック(通常の水分補給用):水500mlに塩4.5g(濃度0.9%)
  • ハイポトニック(外出や運動後の水分補給用):水500mlに1.5g(濃度0.3%)

ただし、入れるべき塩はミネラルの豊富な海の塩です。
海水を天日で濃縮してつくったものがいいです。
くれぐれも食塩はナトリウム以外のミネラルが入っていないので、使わないようにしましょう。

熱中症にならないカラダつくりのために

最後は脱水を起こしにくい身体のつくり方です。
どうすればいいかというと、タンパク質をしっかり取ること

血液中のアルブミンというタンパク質には、水分を保持する働きがあるんです。
これが不足すると脱水になりやすいし、浮腫みます。

ですから肉、魚、卵、大豆製品など、動物性タンパク質も植物性タンパク質もしっかり摂りましょう

このアルブミンは、肝臓で合成されます。
ということは肝臓は熱中症対策には重要な臓器ということになりますね。
ですから肝臓を酷使する飲酒はできるだけ控えた方がいいですね(笑)

そうそう、最後にひとつだけ。
マスクは熱中症を起こしやすくするので、少なくともエアコンが効いているところ以外では外しましょう

これで正しい熱中症対策ができるはずです。
今回はこの辺で。

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