ビタミンCを摂るとお肌は白くなるのか?

東洋医学×分子栄養学

いつも読んでいただいてありがとうございます。

突然ですが、「色の白いは七難隠す」といいます。
「私に七つも難があるわけないでしょ!」というあなたも、お肌を白くするためにビタミンCのサプリメントを飲んでいるかもしれません。

そんなあなたのために、分子栄養学的にビタミンCで美白になるのかを考えてみます。
最終的には美白のための条件がわかるようになっていますので、最後までお付き合いください。

そもそもビタミンCとは?

ビタミンCは、あの酸っぱいアスコルビン酸のことです。

そしてビタミンとは、難しくいうと「生存や生育に必要となる微量栄養素のことで、体内で合成できないもの」です。

つまり、カラダでつくれないけど大事なもののこと。

イヌはビタミンCを体内でつくれますので、イヌにとってはアスコルビン酸はビタミンではないことになります。
ちなみに、ビタミンCをつくれないのはヒト、類人猿、モルモットなど動物のなかでは少数派です。

AとかBとかCとかというのは発見された順番でつけられたので、取り立てて意味はありません。

ビタミンCが不足すると?

カラダでつくれないけど大事なものがビタミンなので、不足するといろいろと厄介なことが起こります。

ビタミンCの場合、不足すると壊血病になります。

このビタミンの欠乏症って結構いろんなところで習いますけど、基本的にいままでの栄養学はこの「欠乏症にならないように栄養を摂りましょう」というのが基本です。

だから、最先端の栄養学である分子栄養学のように、どうしてその栄養素が足りないのかを考えた上で、栄養を摂ることで病気を治そうとか、予防しようという考え方とは根本的に違うんですね。

医師もほとんどの方は、この考え方に基づいているといっていいでしょう。
そのあたりのことを、まずはキチンと理解しておいてください。

なぜビタミンCが不足すると壊血病になるのかというと、コラーゲンが満足につくれなくなって、血管が脆くなるからです。

結果的に血管から出血して、最後は死に至ります

大航海時代の船乗りさんたちが、船の上で新鮮な野菜や果物を摂れなしために、この壊血病でかなりの数の人が亡くなったようです。

参考までに壊血病の症状は、疲労倦怠、いらいらする、顔色が悪い、皮下や歯茎からの出血、貧血、 筋肉減少、心臓障害、呼吸困難などといろいろあります。

まあ、基本的に普通の食生活で野菜や果物をそこそこ摂っていれば、この欠乏症になることはまずありませんが、年齢とともにビタミンCの血中濃度は下がる傾向にあり、お年寄りには不足気味の方がそれなりにいるように感じます。

それから以前にも書いた「プチ壊血病」のような人は、結構見かけます。

ビタミンCはカラダのどこに多いか?

ところで、ビタミンというのは体内の組織によって濃度が違うんです。

ビタミンCの場合、濃度がいちばん高い臓器は副腎だとされ、血液中の約150倍の濃度で存在します。
次に多いのは白血球で、濃度は約80倍です。

例えば慢性疲労(最近では副腎疲労というのが有名です)があったりすると、副腎でのビタミンCの需要が高まります。

また風邪を引いていれば、白血球でのビタミンCの需要が高まるわけです。
よく「風邪の予防と治療にビタミンC」といわれますが、こういう理由からです。

個人的には葛根湯よりよく効く気がします(笑)

一般に、栄養素が高濃度に存在するところほどその栄養素の需要量が多くなり、栄養素を摂取したときに優先的に使われるとされています。

ということは、慢性疲労状態や風邪のときには、ビタミンCはそちらで優先的に使われてしまうわけです。

ビタミンCは副腎、脳、水晶体、白血球などに高濃度で存在していて、皮膚にも存在するけどそれほど高濃度ではないので、皮膚の美白に効果を発揮するのはいちばん最後の方といいうことになります。

つまり、カラダの他のすべてが健康ではじめて、ビタミンCは美白に使われるということになりますね。 その最適量が人によって違うのは、当然のことです。

ビタミンCの必要量を簡単に知る方法

ビタミンCの必要量を簡単に調べる方法があります。

サプリメントのビタミンC(1000mgのもの、つまりレモン5個分)を1錠ずつ1時間ごとに飲んでいきます。

もちろん人によって違いますが、必要量に達すると余ったビタミンCによってお腹が少し緩くなります。 つまり下痢気味になるということです。
まさにその量がざっくりとビタミンCの必要量ということになります。

ということは余りは美白へと使われるかも? って感じですね。
下痢をするので、くれぐれも自宅で、時間の余裕のあるときに試してみてください。

ビタミンCは抗ストレスビタミンでもあるので、ストレスがかかっているときは必要量が増えたりしますし、病気で白血球が活躍しているときにも必要量が増えて、下痢をするまでの量が増えてしまいます。

下痢するほどビタミンCを大量に取って、大丈夫なのかと不安になっている方もいるかもしれません。

ビタミンCは広い摂取範囲で安全と考えられているので、厚労省も耐容上限量は設定していません(日本人の食事摂取基準)。

ついでに厚労省の必要推奨量は100mg/日で、これは壊血病を防ぐためです。
ただし、喫煙者や授乳期・妊娠時などは必要量が増えるということも知っておいてくださいね。

ビタミンCの多い食べ物

ビタミンCは、野菜や果物全般に多く含まれています

ただしちょっと注意してもらいたいのは、保存方法次第でビタミンCは活性を失うということ。
活性を失うというのは、簡単にいうと効きが悪くなるという意味ですね。

グリーンピースは冷蔵庫で1日に約4%のビタミンCを失うといわれていますが、室温ではそれが約12%に上昇します。

また、酸性度が高いほど、寒いほど、湿度が高いほど損失量は少なくなるといわれているので、野菜や果物はなるべくジプロックなどの密閉できる袋や容器に入れて乾燥を防ぎ、冷蔵保存するのがいいでしょう。

それと、ビタミンCは熱に弱いので、煮炊きによって約50%も損失し、さらに水溶性ビタミンのため湯の中に流出してしまう傾向があるので、調理方法にも注意が必要です。

まとめ

ビタミンCは、ほとんどの人がサプリメントで取っていい唯一のビタミンだと思います。
そして必要となる量は、人によって、そのときの健康状態やストレスによって変わってきます。

ちょっと取っただけでも美白に効く人もいれば、いくら取ってもお肌になんの変化も現れない人もいるということです。

ということは、お肌のためには大前提としてカラダの健康が不可欠ということになります。

ちなみにヤギは、健康なときは体内で11gのビタミンCをつくっていますが、病気になるとなんと78gもつくるようになるそうです。
これを知ると、具合が悪くなったときにビタミンCを摂りたくなりませんか?

東洋医学はカラダ全体のバランスを重視しますが、バランスのいいカラダは、ビタミンCが美白に使われやすくなると考えることができます。

だからこそ「東洋医学×分子栄養学」を推奨しています(かなりこじつけっぽく東洋医学を追加してみました)。

自分の栄養状態などに興味のある方は、私の栄養アドバイスが受けられる東洋医学ドック(下に申し込みボタンがあります)を受けてみましょう(笑)

今回はこの辺で。

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