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分子栄養学的な冷え対策

1月20日が二十四節気の大寒だったので、今回は分子栄養学的な「冷え対策」について書きます。
もちろん、冷えの原因はいろいろありますが、 今回はエネルギー産生が落ちている場合の話をしましょう!

細胞内でエネルギー(ATP)を作っているのはミトコンドリアでしたね。
確か生理学で習ったはずです(笑)
ここで上手くエネルギーを作れないと、元気のもとが不足して冷えちゃいます。

東洋医学的にはいわゆる気虚あるいは陽虚ですね。
ミトコンドリアでは、とても効率良くエネルギーを作り出していました。
例のTCA回路と電子伝達系ってやつです!

じつは、ここが上手く回るにはビタミンやミネラルなど多くの栄養素が必要なんです。
どんな栄養素が必要かをみてください。


オレンジ色の点線内がミトコンドリアで行われていることです。

ビタミンB群はさまざまな代謝の補酵素として使われているので、結構多いですね。
代謝が落ちて痩せられないなどの場合は、栄養素ではビタミンB群は必須です。
上の図では、特に解糖系でよく使われています。

TCA回路ではビタミンB群や鉄、マグネシウムなど。
電子伝達系ではビタミンB2、鉄、CoQ10など。

そのなかでも特に重要なのが「」なんです。
栄養素としては、鉄は錆びますから、それを防ぐために抗酸化物質であるビタミンC、Eなどが必要になります。

鉄が不足すると、エネルギーをつくる能力が下がります。
さらに貧血にもなります。
こちらは血虚ということになりますね。

そしてミトコンドリアでエネルギーをつくるには酸素が必須でした。
貧血だと酸素が足りなくなります。
ということは気血両虚

エネルギーをつくり出すために、いかに鉄が大事かが分かります。
でもそこでちょっと問題が…。

日本では、閉経前の女性のほとんどが鉄不足だと言われています。
出産などでも鉄は大量に消費されるといわれています。

鉄の不足は、利き手の親指を見てみるとサインが出ていることが多いです。
そうです、スプーンネイルです。

教科書的な意味でのスプーン状になったものはなかなか見かけないですけど、その少し手前の爪がフラットになっているものはよく見かけますよ。
臨床家としては、これを見たら鉄欠乏や貧血を疑う必要がありますね。

ところで、鉄不足の人は、甘いものを好む傾向にあります

鉄不足貧血酸素不足エネルギー産生低下

となって、 結果的に酸素が不要な解糖系を利用するために、エネルギー産生量は少ないけど手っ取り早い甘いものでエネルギーをつくろうとするんですね(笑)

鉄不足でうつにもなります
産後うつなど鉄不足の典型ですから、見逃さないようにしたいです。

そして、鉄不足は鉄を補充しない限り改善しません。
そこで食事が大事になります。

鉄が多い食品は、レバーや牛もも肉などの赤身の肉、かつおやまぐろなど赤身の魚などで、ポイントは「赤色」の食材ですね。
特に閉経前の女性は、週に1回はレバーを食べたいところです!

ところで海外の人たちにはあまり鉄不足がいないんですけど、それって不思議じゃないですか?
理由は、食べ物に鉄を添加しているから。

欧米では小麦に、中国では醤油、ベトナムではナンプラー、フィリピンではお米に鉄を添加しています。
ですから日本人女性には鉄不足が多いんですね。

ただし気をつけてもらいたいのは、鉄は胃がキチンと働いていないと吸収されにくいですし、サプリなどでむやみに摂ると、慢性炎症を助長したり、腸内環境を乱したりするので、くれぐれも慎重に。

ここをもう少し深掘りしていきましょう!

鉄をはじめとするミネラルの吸収には、胃酸が重要です。
胃酸によって吸収しやすい形にイオン化することが必要なんですね。

だから胃薬(胃酸抑制剤)を常用していると、ミネラルの吸収が落ちて、不足傾向になります。
問診で服薬状況を聞いたら、それが栄養学的にどういう意味があるかを知っておくと、臨床の役に立ちます。

炎症にも影響します。
最近ではさまざまな疾患の原因として注目されている「慢性炎症」。
これにも鉄は悪影響を及ぼします。
炎症があると、鉄の吸収や利用が低下するんです。

さらに、腸内細菌のうち悪玉菌が特に鉄を好みます。
ですから無闇に鉄を摂ると、腸内環境が悪化しやすくなるので、注意が必要なんです。

そして鉄は錆びます。
「サビ」というのは酸化ですから、老化と深い関係があります
錆びないようにするには、抗酸化物質を摂る必要があります。

代表的な酸化物質はビタミンC
植物性食品に含まれているポリフェノールも錆止めになります。
要は、野菜や果物を適宜摂ればいいということです。

ここまで、たかが冷え対策なのに栄養学的に見てみるとなかなかボリュームがありましたね。
とりあえず、今日はこの辺りで終わりにしましょう。


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t.shimada

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