糖尿病治療薬GLP-1でダイエット!?

糖尿病治療薬GLP-1でダイエット!? 東洋医学×分子栄養学

いつも読んでいただいてありがとうございます。
今日はダイエットの話です。

ですけど、関連して糖尿病についてもかなりの部分で触れていきます。
糖尿病の治療を受けている患者さんも多いと思いますので、少しでも参考になれば嬉しいです。

糖尿病治療薬のGLP-1でダイエット

突然ですが、糖尿病の治療薬で「GLP-1」というのがあります。
糖尿病の治療薬はホントにいろいろな種類があるんですけど、これはインクレチン関連薬という分類に含まれるもの。

詳しいことは後述しますが、作用としては血糖依存性に(血糖値が上昇すると)インスリン分泌を増やして、グルカゴン(血糖値を上げるホルモン)の分泌を抑制して、血糖値を下げるという薬です。

血糖依存性なので、インスリンが効きすぎて低血糖症状(ひどいと命に関わる)を起こさないというメリットもあるんですね。

しかもこの薬、体重減少効果が期待できるんです。
そこそこ痩せるらしいです。

この体重減少効果に注目してダイエットに使われるようになったら、その効果とお手頃感(月1万円くらいらしい)で結構流行ってしまっている、というのが現状のようです。

本来、糖尿病の治療薬なんだけど、なかなかダイエットが上手くいかない人たちが自由診療でこの薬を使って痩せているんだとか。

合併症の原因はインスリン?!

ところで、新井圭輔先生という郡山で開業している医師がいます。

直接お話をお聞きしたことがあるんですけど、とても論理的に考える方で、現在の医療における標準治療をただ鵜呑みにして治療するのではなく、ご自分の頭でしっかり考えて治療方法を決めているという先生です。

新井先生の著書には『糖尿病に勝ちたければ、インスリンに頼るのをやめなさい』とか、『理論医学は人類を救う』(こちらが最新刊)というのがあります。
どちらも面白いので、是非読んでみてほしいです。

これらの本のなかに、「インスリンは猛毒だから使わない方が良い」と書かれています。
その理由は、合併症を引き起こすから。

医学界の常識としては、「高血糖が合併症を引き起こすから(糖毒性といいます)、血糖値が高い場合は下げる必要がある」といわれています。

だから糖尿病の標準治療では、血糖値を下げるためにいろいろな薬を処方するんですね。
ですけど、新井先生の臨床では高血糖で合併症を起こした患者さんはいないそうです。

先生は、合併症はインスリン(インスリン毒性)が引き起こすから、糖尿病になったらインスリンが分泌されないようにしっかり糖質制限をするべきだとも書いています。

はじめに書いたように、糖尿病の治療薬にはいろんな機序のものがあるんですけど、インスリンの出を促したり、効きを良くしたりする薬が多いです。

古くからあるSU剤も、インクレチンのDDP4阻害薬も、もちろん糖尿病が悪化すると打つインスリン自体もです。

先ほどのGLP-1も、結局はインスリンの出を促すようにする薬なんですね。
新井先生は、こういうタイプ(インスリンの出を促すような)の薬は合併症を引き起こすので使わない方がいい、と著書のなかで熱く語っています。

GLP-1とはどんな物質か?

GDP-1は小腸から分泌されるてインスリンの分泌を促すホルモンです。
ですがそれ以外にもいろいろと作用があります。

まずは、痩せる機序としては次のような感じです。

  • 脳に作用して食欲を低下させる
  • 血糖値を上げるグルカゴンの分泌を抑制する
  • 胃からの排出を遅らせることで、食後の高血糖を防ぐ
  • 脂肪の燃焼を促進する

それ以外にも、脂肪は燃焼(異化)するけど、タンパク質の異化は抑制するんです。
これってとても大事なことですね。

あとは心臓を守る作用もあるし、マウスだけでまだヒトでの効果は確認されていないようですけど、インスリンを分泌する膵臓のβ細胞の増成・保護作用もあるようです。

結論めいたこと

こうやって挙げてくると、なんだかとっても良い薬のような気がしますが、インスリン分泌を促すという意味では、使わない方が良いかもしれないです。

インスリンがなぜ悪いか(合併症を起こしやすいのか)というと、大量に分泌されると活性酸素が生じて、活性酸素は役にも立つけど結局は身体を酸化させます

酸化というのはほぼイコールで老化ですし、その結果として動脈硬化や癌などのリスクが上がるというのは、うなずける機序ですね。

最後に結論です。
一時的にせよ痩せるために薬を使うのはちょっといかがかと思いますね。
だって身体が老化してしまったら、痩せてもねぇ…。

GLP-1が痩せる効果があるなら、自分の身体でたくさん分泌されるような食事をすべきです。

一般的には、地中海式料理つまりオリーブオイル、魚介類、ナッツ、ワインなどを多く含み、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、食物繊維などが豊富な食事が、GLP-1の分泌を促すといわれていますので、薬に頼らずに是非試してみてください。

今回はこの辺で。

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