子供のための栄養学(1)気分を落ち着かせるために

東洋医学×分子栄養学

こんにちは、島田です。
今回はいままでに書いてなかった「子供に関する栄養」のお話。

子供といってもいろいろな年代の子がいますし、それぞれの年代で必要になってくる栄養や不足しがちな栄養が違うので、連続ではないけれど何回かに分けて書かないといけないかもしれません。

お受験対策に良い栄養は?

最近ときどき相談されるのは、お受験対策。
「受験勉強をしている子供に、どんな栄養を摂らせたらいいでしょうか?」というやつです。

これはこれで確かにとても大事ですよね。
受験勉強には集中力も大事だし、メンタルの安定も、脳の働きを良くすることも重要ですけど、これって結構栄養で左右されるところです。

もちろんお受験といっても中学受験、高校受験、大学受験とありますけど、さっきも書いたけど年代別で必要な栄養素が多少違ってくるので、今回は中学受験にします。

ということは、対象は小学生(高学年)ですね。

この年代の子が、自分から進んで勉強するのはなかなか難しいことです。
そのためにいちばん大事だと思われるのは、「落ち着き」かなと思います。

気分を安定させて勉強に集中させるために必要な栄養はいろいろあるんですけど、まずはそれを邪魔するものを摂らないことの方が大事です。

どうも栄養に興味をもった一般の人が最初にやることは、足りなさそうな栄養をモリモリ摂ることのようです。
もっとも、そのように促す栄養療法のアドバイザーが多いのも原因のひとつだとは思いますが…。

でも、足りないものを取るよりダメなものを控えるのが、栄養の摂り方の基本だと思ってください。
特にはじめはこれを守ってほしいです。

子供が落ち着くために必要なこと

ということで、小学生くらいの子どもが落ち着いて勉強するためには、栄養学的には血糖値の安定がすごく重要なんです。

血糖値が急激に上がるようなものを食べると、まずはハイになって、場合によっては暴れて、その後に血糖値の急降下が起こりやすくなるので、そうなると集中力が落ちたり、イライラしたり、眠くなったり、グダグダしちゃいます。

この血糖値の安定、じつは勉強を見守るお母さんの側にとっても大事です。

お母さんの血糖値が安定しないと、そのイライラやメンタルの不安定さが子供に伝わるだけじゃなくて、「勉強しなさい!」というあまり意味のない言葉を投げてしまったり、できないことをなじってしまったりして、さらに子どものやる気を削いでしまうことになるからです。

そこで何を食べたらいいのか?
まずは、血糖値が上がりやすい甘い飲み物を止めましょう!

上でも書いたように、摂ることより控えることを考えてください。
特に血糖値を安定させることで、メンタルが安定しやすくなります。

どんなものを控えるべきか?

ではどんなものを控えるのか?
ジュースやコーラなどですね。

ポカリとかのスポーツドリンクは身体に良さそうに見えるんですけど、これも糖質がかなり含まれているのでダメです。

夏に熱中症や脱水対策にポカリとかをガブガブ飲むと急性の糖尿病になったりするので、子供に限らずお年寄りにも注意が必要です。

濃縮還元の野菜ジュースや果実ジュースも濃縮の段階で栄養素がかなり損なわれているのと、甘みが強いために血糖値を上げすぎるので、基本的に避けましょう。

飲み物は(特に白湯とかがいいです)か麦茶(こちらはミネラル分も多少摂れるしカフェインが含まれていないお茶だから)がいいです。
これだけで、かなり精神的に落ち着くはずです。

ここで改めて言ってきますが、「脳の栄養はブドウ糖だけだから、勉強するときは甘いものが良い」というのはまったく違います

脳は、ブドウ糖以外に脂質の代謝物であるケトン体もしっかりと栄養源として使えます。

認知症の人の脳はブドウ糖がうまく使えなくなっていることは知られていますが、そういう人にケトン体になりやすいMCT(中鎖脂肪酸)オイルを摂ってもらうと認知機能が改善する、という報告もあるくらいです。

血液中には常に一定量のブドウ糖が流れていますし、それは下がりすぎないように微妙に調節されてもいます。

逆に甘いものを摂ることで血糖値が爆上がりすると、膵臓からインスリンがドバドバ出て、血糖値が急降下するので、眠気や倦怠感、頭痛などといった勉強するのにまったく適していない状態になりやすいです。

だから甘いものはダメです。

イライラしていたら…

メンタル面に関してついでに書くと、成長期の子どもがイライラしていたらある栄養素が不足している可能性があります。

それは亜鉛です。
亜鉛は成長、特に骨が縦方向に伸びる時にすごく必要になります。

ALP(アルカリフォスファターゼ)という血液検査のデータがありますけど、これがすごく上がっていたらその可能性があると考えられます。

亜鉛が不足すると、拮抗するミネラルの銅が相対的に過剰な状態になるので、その影響もあってイライラしてしまうようです。

そういうときは亜鉛を取りましょう。
もっとも亜鉛を多く含む食材は、なんといっても牡蠣です。

吸収を良くするためにビタミンCがあるとより良いので、レモンを絞って食べましょう。
牡蠣以外で亜鉛を多く含む食材には、豚レバー牛赤身肉などがあります。

イライラ解消のために牡蠣を毎日食べるわけにもいかないので、一気に不足を解消してしまう方法として一時的にサプリなどを使うのも手ですね。

子どもが不足しがちな栄養素や、勉強ができるようにするために必要な油などいろいろ書きたいことが出てきちゃうので、続きはまた今度。

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