——鍼灸師、理学療法士、看護師が共に歩むべき「根本治療」への道
いつもブログを読んでいただき、ありがとうございます。
これまで私は、分子栄養学という「細胞レベルの視点」を軸に、多くの臨床家や鍼灸師の先生方に向けて、薬を使わずに患者さんの身体を変えるための知恵を発信してきました
最近ではそこに東洋医学の「全体観」を加え、より深く、より多角的に「なぜ人は治らないのか」を掘り下げています。
そんな発信を続ける中で、私の中である確信が生まれました。
「もっと良くしてあげたいのに、ここから先が進まない」
「施術した直後はいいが、次の来院時には元に戻っている」
「患者さんの生活習慣や栄養状態が課題なのは分かっているのに、的確な言語化や提案ができない」
このもどかしさは、決して鍼灸師の先生方だけの悩みではありません。
病院という組織の中で、医師の指示書に基づきリハビリを行う理学療法士。
最前線で患者の苦痛に寄り添いながらも、制度の枠内でしか動けない看護師。
いま、日本の医療現場を支える多くの「手を持つ専門家」たちが、職種の垣根を超えて、共通の壁にぶつかっています。
1. 「対症療法」という歯車から抜け出すために
かつて私は、東洋医学の古典こそが至高だと信じ、研鑽を積んでいました。
しかし、どれほど見事な鍼を打っても、身体の「材料(栄養)」が枯渇している患者さんの変化は驚くほど遅い。
そんな悩みのなかで出会ったのが分子栄養学でした。
これは理学療法士や看護師の皆さんも同じではないでしょうか。
どれほど正確な可動域改善を行っても、筋肉を動かすエネルギー(ATP)を作る力が弱ければ、本当の意味での回復は見込めません。
2. 西洋医学の知識を「活かす」ための東洋医学
医療資格を持つ私たちが学んできた西洋医学は、緊急時の対応や構造的な把握には無類の強さを発揮します。
しかし、「なんとなく不調」とか「繰り返す痛み」といったグラデーションのある病態(未病)に対しては、東洋医学的な「身体の見かた」が皆さんの持つ専門知識を繋ぎ合わせる強力な接着剤になります。
それは「ミクロの視点とマクロの視点」、あるいは「虫の視点と鳥の視点」という2つの視点でひとつのものを捉えることのメリットにも繋がるかもしれません。
虫の目では捉えられないものや、鳥の目からは見えないものがあるはずです。
その二つを同時にもつことで、新たに見えるものがあると思うんです。
3. なぜ「手」ではなく「かっさ」なのか —— 臨床的必然性
外側からのアプローチとして、鍼灸師以外の方たちには私は「かっさ(リリースかっさ)」とおすすめしたいと思います。
それには明確な理由があります。
一つは、「触診能力の拡張」です。
優れたツールは、素手では捉えきれない皮下組織の細かな癒着や経絡上の「滞り」を、振動として術者の手に増幅して伝えてくれます。
これは、臨床におけるアセスメントの精度を飛躍的に高めます。
二つ目は、「深層への低侵襲な介入」です。
指圧やマッサージでは到達しにくい深部の筋膜や経絡のポイントに対し、かっさの「面・線・点」を使い分けることで、術者の身体的負担を最小限に抑えつつ、最大限のリリース効果を引き出すことが可能になります。
自分の手を守りながら、手以上の感度で身体を読み解く。
このツールの存在が、分子栄養学で整えた「内側の環境」を、効率よく「外側の変化」へと繋げる架け橋になるのです。
4. 専門家としての誇りを、新しい形に
鍼灸師も、看護師も、理学療法士も…。
私たちが目指しているのは、単なる「作業の遂行」ではなく、目の前の人の人生を健康という側面から支えることのはずです。
これまで鍼灸師向けに綴ってきたこのブログですが、これからは「医療資格という武器を、もっと自由に、もっと本質的に活かしたい」と願う、すべての医療従事者の皆さんと共に、新しい時代の「養生」と「自立」について考えていきたいと思います。
臨床の現場で感じる「言葉にならない違和感」の中にこそ、私たちが次に進むべき答えが隠されています。
その答えを、これからひとつずつ、皆さんと紐解いていければ幸いです。
今回はこの辺で。

