炎症があると台なし

東洋医学×分子栄養学

いつも読んでいただいてありがとうございます。
こんにちは、島田です。

今日は、分子栄養学の世界でよく問題になる「炎症」について書いていきます。

慢性炎症とは?

「炎症」といったら何を思い浮かべますか?
炎症の4兆候、発赤、熱感、腫脹、疼痛でしょうか?
機能障害を加えて5兆候ともいいますね。

そうです、基本的に僕たちは炎症といえば「急性炎症」のことを考えます。
もちろん本来、炎症は有害なものではありません。
私たちのカラダを守るための治療プロセスであり、免疫システムです。

ですが、今回問題にしたい「慢性炎症」は少し違います。

これってちょっとイメージしずらいかもしれません。
先ほどの急性炎症が火事だとすると、慢性炎症はくすぶっている状態のことです。

この慢性炎症は、老化を加速したり、いろいろな病気の原因になったりします。
栄養学的にはさまざまな代謝を止めてしまうので、足りない栄養を補っても効果が出なかったりします。

東洋医学で考えるてみると…

東洋医学には、古くからこの慢性炎症の概念があったと思われます。
「熱がある」というのは、基本的に炎症が存在すると考えていいでしょう。

東洋医学では、この熱には2つのタイプがあると考えています。
ひとつは実熱。
これは急性炎症の方に分類していい熱で、体温計で測れば37℃を超えます。

もうひとつは虚熱
これはカラダを冷やす役割のある水分系が欠乏することによる熱です。

体温計で測っても37℃は超えません。
でも自覚的に多少の熱感(ほてりのような感覚)はある。

私はこのなかに、慢性炎症も含まれるのではないかと考えています。

歯周病はこわい

例えば歯周病

これって、歯を支えている歯槽骨や歯茎が歯周病菌に感染して炎症を起こしている状態ですね。
これも歯の周りの組織で起こっている慢性炎症です。
気づかずに放っておくことで、最終的には歯を失うことにもなりかねません。

そうなんです。
何よりも厄介なことは、慢性炎症は自覚しづらいということ。

口腔内と全身の病気とのかかわりが注目されるようになってきましたが、歯周病との関係でよく知られているのが、糖尿病ですね。

糖尿病があると歯周病が重症化しやすいということは、以前から知られていました。
最近の研究ではその逆、つまり歯周病があると糖尿病が重症化しやすいことがわかってきたんです。

これって「飛び火」のようなものですね。

口腔内の慢性炎症は、脳梗塞や心筋梗塞、動脈硬化などの全身のさまざまな器官に飛び火することがわかってきています。
慢性炎症って、本当に恐ろしいですね。

ところで、この慢性炎症が起こりやすい部位がいくつかあります。

まずは、先ほどから書いている口腔内
それから上咽頭(のどちんこの裏側あたり)もそうです。
僕の患者さんにも多い脂肪肝も肝臓の慢性炎症ですね。
原因は以前のアルコールより糖質過多が多くなっているようです。
それからリーキーガット(腸漏れ症候群)も腸の慢性炎症。

そして、このくすぶりをある程度見つけることができるのが、高感度CRPという検査です。
通常、CRPは急性炎症の指標として使われます。

ですが、この数値がジワッと上昇すると、慢性炎症や感染症の可能性が考えられ、虚血性心疾患の危険性も高くなるといわれています。

それ以外にも、慢性炎症による問題はいろいろあります。
なんと肥満細胞から炎症のサインになる物質(炎症性サイトカイン)が全身にばらまかれるんです。

それから、うつ病は脳の慢性炎症が原因だという説もあるんです。

慢性炎症対策

脅してばかりいても何も解決しませんので、ここからは解決方法を書いていきます。

正解を先に書きましょう。

それはズバリ、油を摂る種類です。
不飽和脂肪酸のオメガ3系油をしっかり摂り、オメガ6系を控えることです。
そうすることで、炎症が収まりやすくなります。

それではザックリと、油について説明しますね。
まず常温で固まるのが飽和脂肪酸で、液状になっているのが不飽和脂肪酸
そして、不飽和脂肪酸には大きく3つの種類があります。

 ・オメガ3系脂肪酸:EPAやDHAが代表で、αリノレン酸などです。亜麻仁油や青魚の油です。
 ・オメガ6系脂肪酸:リノール酸が代表で、いわゆるサラダ油がこれです。
 ・オメガ9系脂肪酸:オレイン酸が代表で、オリーブオイルが含まれます。

上でも書いたとおり、オメガ3系が炎症を抑えます。
オメガ6系は逆に炎症を増長させます。
そしてオメガ9系は、炎症には特にかかわらないんです。

ちょっと驚いたんじゃないですか?
ずっと「カラダにいい油」とされてきたサラダ油は、オメガ6系の油なんです。
ジャンジャン摂りましょうというよりは、控えたほうがいいかもって感じです。

特に大切になるのは、オメガ3系とオメガ6系の比率です。
最近では1:1くらいが良いとされています。

外食や市販のお菓子類には、圧倒的にオメガ6系の油が使われているため、日本人は基本的にオメガ3系の油が不足しているといわれています。

もちろん炎症のある口腔内を歯科医に治療してもらったりすることが大前提ですけど、炎症を抑えるという意味でも、オメガ3系の油を積極的に摂りましょう。

今日はこの辺で。

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